シン夫人から送られた洋服を身に着け、ヘシンに到着したジェインは、コヌクと通話しながらエスカレーターに乗る。
ジェイン:私、今向かってるところだけど、ホン・テソンさんはどこに行けば会えるの?
コヌク:今、出たところだよ。いったんエスカレーターを上ってみろ
ジェイン:見えないわ
コヌク:後ろだよ こっち!
コヌクを見つけて駆け寄るジェインは、周囲を注意深く見回すが、テソンの姿が見つからずキョロキョロし続ける。
コヌク:飯まだなら一緒に食べようか?
ジェイン:あの人、先に行って待ってるの?もう、どこか教えてくれたらそこに行くのに。どう?似合うかな?
コヌクはジェインの頭の先からつま先まで見つめて、ポンと手を叩く。
コヌク:うん!だけど、ホン・テソン、たった今外出したばかりだ
ジェイン:ちょっと!
コヌク:出てくるって言うのに、止められないさ。ちょっと待ってとも言えないし。
ジェイン:ふざけてるのね?
おどけた表情のコヌクをにらむジェイン。
ジェイン:私、言ったよね?ガラスの仮面が必要だって。それを手に入れたいからホンテソンに会わせてって。それなのにふざけてるの?あんたにガラスの仮面がいるって何度も言ったでしょ!
コヌク:そんなに大切なもの、どうして日本で彼の元においてきた?何がなんでも持って帰るべきだったな
ジェイン:あんた、私がどうして彼の元に置いてきたのか知らないで聞いてるの?
コヌク:どうしてだ?ホン・テソンに仮面を渡して彼を韓国に連れ戻したかったのか?いや、お前に直接届けてくることでも願ってたのか?
ジェイン:そうよ、そうだったらいいと思った。あんたはそんな私の気持ちを知っててからかってるのよね?切羽詰ってるのよ、シン夫人は待ってるし、そうでなくても頭が痛いのに、ああ、もういいわ!あんたに何言っても仕方ない。いつも私のことからかって・・・分かったわ。私が手に入れる!私が手に入れればいいことよ!あんたの助けなんかいらない!
苛立ったジェインはコヌクに背を向け、化粧室へ向かうと、着てきた服を脱ぐと、普段着に着替える。 鏡を見てため息をつくジェインに、コヌクからの電話が入る。
ジェイン:何よ
コヌク:ああ、ドライブに連れて行ってやる
ジェイン:結構よ!
コヌク:駐車場で待ってる
ジェイン:嫌だってば!
コヌク:待ってるぞ
電話が一方的に切られてしまい、仕方なしに駐車場に向かうジェインが、コヌクの姿を探していると、彼女の前にテソンが現れる。
ジェイン:ああ、テソンさん!
テソン:ここで何を?
ジェイン:えっと、会う約束をしてる人がいて・・・ソウルに戻られたんですね
テソン:はい、まぁ。
ジェイン:お元気でしたか・
二人の姿を見たコヌクは、そっとその場を立ち去っていく。
(この後、カフェのシーンに続きます。)
|