【モネ ジェインとの待ち合わせ場所へ】
コヌクに会えると思うと胸の鼓動が高鳴るモネは、ジェインとの待ち合わせ場所に上機嫌で姿を見せる。席につき、モネの到着を待っていたジェインは、清楚な白いスーツに身を包んだモネに表情をパッと明るくし、モネを称賛する。コヌクを待つ間、ジェインはモネと兄とのあまりの違いに驚いたことを正直にモネに伝えるが、モネの頭の中はただコヌクのことでいっぱいだった。少し遅れてコヌクがやってきたことに気が付くジェイン。コヌクは焦るそぶりも見せず、落ち着いた様子で席につき、「やあ、モネも来たんだね。」と笑顔を見せる。
ジェイン:驚いたでしょう?モネが来ること、テソンさんを驚かせようと思ってお話しなかったんです。成功したのかな?こうして見ると、良く似ていますね。兄と妹だもの。でしょう、テソンさん?
コヌクはジェインの言葉に眉をひそめ、「似てる?俺たちが?」とジェインに言葉を返すが、ジェインは何も察しないままモネの婚約者を呼ぼうかとモネに問いかける。
ジェイン:テソンさん、オム常務に会ったことは?
コヌク:もちろん、一度会わなきゃな。モネと結婚する間柄だ。
モネ:オッパ、私オム常務と結婚しない。父にも話したわ。あなたと結婚したいって。オッパじゃなきゃだめだって。
ジェインはモネが何を言っているのか全く理解できず、モネに問いかけるが、モネはひたすらコヌクに向かって話し続ける。
モネ:オッパが何と言おうと、私は二度とオッパを離さないわ。だから私の電話を避けないで。
モネの態度を冗談だとばかり思ったジェインは、ついに笑い出してしまう。実の兄でしょう、と問いかけるジェインに、モネは目の前にいる男性は自分の二番目の兄ではなく、好きな人だと答える。呆然とコヌクを見つめるジェインに、モネが男性の本当の名を伝える。衝撃を受け、怒りがこみ上げたジェインは、モネの前にも関わらず、怒りをこらえられなくなる。
ジェイン:何?待って・・・この人ホンテソンじゃないの?ねぇ、あんた誰?
コヌク:聞いただろ?シムゴヌク
ジェイン:それなら今まで私にホンテソンだと嘘ついてたの?
コヌクは深いため息をついて、淡々と答える。
コヌク:嘘をついた覚えはないね。あんたが勝手にホンテソンと呼んで、誤解したんだ。俺がホン・テソンであることを望んでるようだから。振りをしてやった
ジェイン:なんてひどい男!
ジェインの暴言に驚いたモネがジェインを制すると、コヌクがふっと口元をゆるませる。
コヌク:面白い・・・
ジェイン:笑ったの?面白い?面白くてたまらないわよね。悪い奴ね。人をバカにして面白い?
席を立ったジェインに驚いたモネに、少し待っていてと声をかけ、ジェインの後を追うコヌク。
レストランの階段を下りたところで、コヌクに引き止められるジェイン。ジェインを見据え、コヌクは「お前が始めたことじゃないか」と冷たく話す。
コヌク:コーヒーを持ってわざと近づいて俺の服にこぼし、それを口実に名刺を渡し、電話を待っていて会いに来た。初めからお前が始めたことだったじゃないのか?それなのになぜ怒る?
ジェイン:なぜ怒るか?なぜ怒るかって・・・そうよ、私から始めたことよ。あんたがヘシングループの次男だと思って、狙って近づいた。あんな薄汚れた家まで行って、見知らぬ男のために掃除、洗濯、皿洗いまでしてやった!あんた、いいえ、ホンテソンを狙っていたからよ。
コヌク:俺がホンテソンでないことが、悔しいと?
ジェイン:ええ悔しいわ!頭に来る!あんたがホンテソンじゃなかったから頭に来るし、あんたみたいな悪い男に、心を見透かされたみたいで恥ずかしいし、一瞬でも、あんたに本気で惹かれた自分が情けなくて腹が立つ!気が済んだ?消えてよ!
背を向けて歩き出したジェインに、コヌクがつぶやく。
コヌク:こうなると、俺がホンテソンじゃないことが、本当に申し訳なくなるな。
ジェイン:何?あんたまだ私をバカにしてる?笑わせないで。あんたと私は、同じ部類の人間だってこと分かってるわ。偉そうにしないで。私と同じ理由でモネに会ってるんじゃないといいけれど。
クスッと笑った後、コヌクは瞳に強い意志を浮かべて話す。
コヌク:止めたかった。惨めな目にあえば、二度としないから。そこで終わりにできる。
ジェイン:どうして止めなきゃならないの?あんた何様なの?あんたが私の何?二度と私の前に現れないで。
弱みを見られた恥ずかしさと、騙された悔しさで情けない気分のジェインは、捨て台詞を吐くと、その場を後にする。
【テラ 自宅鏡台前】
鏡台の前に座ったテラは、イヤリングとネックレスを見につけながら、コヌクの言葉を思い出していた。初恋の経験・・・会うたび心の奥に痛みを残すコヌクのことが、しきりに脳裏に浮かぶテラだったが、母シン女史からの電話で我に帰り、いつもの毅然としたホン・テラとして夫の前に立つ。
【コヌクのアクションジム】
チャン監督は、なぜ自分の部屋が掃除されていたのかが気になって仕方がなかった。「防犯システムの完璧な我が家に誰かが入り込むだなんて不愉快だ!」と息巻くチャン監督と後輩たちが「もしかしてタニシ女房じゃないですか?」「古典演劇は好みじゃないから、タニシ女房じゃないだろう。」と語り合う様子を、笑いをこらえて黙って聞いたいたコヌクは、台本に目を通しながら「俺は誰だか知ってるよ」と口にする。
チャン監督:誰だ!一体誰なんだ!
コヌク:超可愛い。しかも面白い子だ。
チャン監督:よしよし、まずは2つの情報だな。可愛くて面白いと。そうか、人気女性コメディアンか何かか?それで、他には?
コヌク:先輩のパンツが好きみたいだ・・・
チャン監督はなぜかウキウキとし始め、こみ上げる笑いをこらえきれない。
チャン監督:よし、整理してみよう!かなり独特な方と見たな。俺のパンツが好きだなんて、女性として生きるのをあきらめた人じゃないのか?他には?
コヌク:気になる?話そうか?話そうか?
盛り上がるチャン監督の前から、コヌクは「ちょっとトイレ」と逃げ出してしまう。
【シン女史、テラと食事】
ホン家の次男テソンのことを母と語り合いながら、テラはふいに最初にホン家に現れたもう一人のテソンを思い出す。
テラ:テソンを見ていると、あの子を思い出すの。今どうしているかしら。万が一あの子がテソンだったら、どうだったか、今とは違っていたか・・・
最初に引き取られた少年を記憶から消してしまいたいシン女史は、これまでも、そしてこれからも少年についての話を深めようとはせず、テラは少年のことが気がかりなままだった。
【ウォニン コヌクを発見】
ぼんやりとバスの窓から外を見ていたムン・ウォニンは、外を歩くコヌクの姿を見つけると、バスを降りて後を追う。
ウォニン:おじさん!見つけた!1000ウォン出して。
ライターを取り出したコヌクは、ライターに火をともすと、ウォニンの目の前でゆらゆらと炎を揺らす。
コヌク:催眠スタート!
ウォニン:もう、返してよ!(後を追いながら)そうよね、返さないと思った。ところで、どうして私だと分かったの?
コヌク:お前の声!
ウォニン:私の声が何よ
コヌク:笑えるじゃん!
ウォニン:も〜う!そうだ、おじさん、この辺に住んでるの?
またコヌクの携帯電話が鳴り、ウォニンが興味を抱いて覗き込む。
ウォニン:あ、ロープだ。
コヌクはウォニンをからかうように、着信音が鳴り続ける携帯電話を差し出す。
ウォニン:何?また私に出ろって言うの?
ウォニンは携帯電話の電源を切ってしまうと、ヘシン前のバス停にコヌクとともに腰掛ける。
ウォニン:おじさん、借金したのね?ロープは取り立て屋でしょう?ああ、あの会社をクビになって借金まみれか。でしょ?だから子供の金を巻き上げちゃって。元気出してね。
コヌクが突然ウォニンの目の前で指をパチンと鳴らし、空を指さす。
ウォニン:空に何か?
コヌク:空から、人にロープが
降りてくる。
ウォニン:ええ?そんなの見たことないよ。
コヌク:人はそのロープを伝って登れば、望むものを手に入れることができると信じて掴むんだ。でもその中の大部分は腐ったロープで、数知れずの人間が落ちて、落ちて、次々と落ちる。俺に残された最後のロープが、それだ!
ウォニン:ああ、どうしてそんなに難しく言うの?金貸しでしょう?おじさん、労働なさい。汗を流して働いてこそお金になるの。働いてください!
ウォニン:どうして1,000ウォン出さないのよ
コヌク:返すよ!
【ギャラリー DIDIN】
職場にいても何も手につかず、携帯電話を手にしたジェインは、ホン・テソンと登録したコヌクの電話番号を「悪い奴!」と言いながら削除する。
【ジェインとウォニン 家で】
ぼんやりしながらスケッチブックに鉛筆を走らせるジェインに、心配して見ていたウォニンが話しかけてくる。声をかけられたことも気が付かないジェインの手元にあるスケッチブックをウォニンが取り上げても、それにすら気づかず床に呆然と鉛筆で描き続けるジェイン。
ウォニン:どうしたの?何かあったの?ムン・ジェイン!
妹の大きな声にようやく我に返ったジェインは、汚してしまった床を吹きながら、心の内を明かす。
ウォニン:ロープが下りてくるから大丈夫よ!男がその男だけ?心配いらないよ。空からロープがお姉ちゃんに向かって下りてくるからね。
コヌクとの会話を思い出しながら、ジェインを慰めるウォニンの言葉に、ジェインは何の話か分からないと首をかしげる。
【ギャラリー前 コヌク】
「ギャラリーDIDINか・・・」
シン女史が力を注ぐギャラリーの前に姿を見せたコヌクは、階段脇の植え込みに座り込む。そこに姿を見せたシン女史は、見慣れない男性をいぶかしげに見つめ、咳払いをする。警備員を呼び、ギャラリーの警備を強化し、見慣れない人を近付けないよう指示を出し、ギャラリー内にいたジェインにも同じように伝える。シン女史の「変な人がいたわ」という言葉に、ジェインは外を確認しに行くが、コヌクは去った後だった。
【ホン会長 秘書と】
ホン会長は、仁川に準備中のロボットテーマパークを次男テソンに任せる意思があることを秘書に伝えると、モネの交際相手の男性を呼べ、との指示を出す。
【コヌク 協力者と通話】
協力者:なぜここまでヘシングループに執着されるのです?
コヌク:鮭は時期が来ると、故郷の川に戻るというでしょう?その川が消えていたら、どうして消えたのか、知りたくなるのでは?ヘシングループに、わけもわからず捨てられ、もっとも大切なものを失った人間の痛みと怒りがどんなものかを、彼らに教えてやりたいんです。
協力者:ホンテソンさん、いえ、シムゴヌクさん。あなたの本当の名前は何です?
コヌク:俺も自分が誰だか混乱する。誰が俺を呼ぶのか、どの名前で・・・
コヌクの元に、ターゲットであるヘシングループからの接触がある。ホン会長の秘書から呼び出されたコヌクは、翌日の午後、いよいよヘシングループに足を踏み入れることになる。
【コヌク ヘシンのビルへ】
スーツに身を包み、ヘシンビルの前に立つコヌクは、一歩、また一歩と会長に向かい歩きはじめる。ホン会長を前に、コヌクの脳裏に幼い頃の記憶が蘇り、コヌクの瞳にうっすらと涙が滲む。
コヌク:こんにちは、シムゴヌクと言います。
コヌクとは初対面のはずなのに、懐かしい感じがするというホン会長は、コヌクの経歴書を見ながら様々な疑問を投げかけてくる。なぜアメリカから韓国に戻ったのかとの言葉に、コヌクは「家族を捜しに戻りました。もうじき、見つかりそうです」と静かに答える。「一度機会を与えようと思うが、私の言うとおりにしてみないか?」とのホン会長の言葉に、コヌクは復讐の序章が始まったことを実感する。
帰り際、ジェインが男性と言い争う様子を見かけたコヌクは、ジェイン!と名を呼び歩み寄ると、彼女の肩を引き寄せる。恋人を装うコヌクの優しさを、ジェインはきっぱりと拒み、助けられても嬉しくはないと頑なにコヌクを拒む。どこか自分に似たジェインを放っておくことのできないコヌクは、嫌がるジェインの手を引き、彼女を車に乗せると、ドライブに向かう。
黙ったまま外を見つめるジェインだったが、コヌクは突然ウィンドーを開け、大音量で音楽を響かせ、彼女を驚かせる。海辺に車を止め、ジェインと砂浜を歩くコヌク。
ジェイン:ここにどうして?
コヌク:ここには誰もいないだろ。恥もかかない。
ジェイン:それで?
コヌク:一度大きな声を出して、全部はきだせ。
ジェインのとなりで、大声で叫ぶコヌクの姿に、ジェインもようやく心を開きかける。
【テラとモネ】
父がコヌクを雇い、日本での仕事ぶりが気に行ったら交際を許すことをモネに伝えたテラは、妹が夢中でコヌクの話をする様子を少し羨ましく感じていた。
【コヌクとジェイン 屋台】
ジェインと向き合い、焼酎を飲みながら、コヌクが口を開く。
コヌク:あれが元彼?元彼を見返そうとして御曹司を狙ったのか?
ジェイン:愛したことは、ある?大学4年の時、大学の先輩だったの。あの人は世界一素敵な人だと思ってた。本当に愛してた。だから結婚までしようとしたのに、お金持ちで家柄のいい女を選んだ。「ごめん」って私には、たった一言。彼の方から結婚しようと迫ってたのに、「ごめん」・・・その三文字で終わり。それが愛だなんて、笑えるわ。愛なんてもの、存在しない。私には愛なんてないと思う。あなた名前は何だった?
コヌク:シムゴヌク
ジェイン:シムゴヌク・・・あんたも同じでしょうね。私をバカにして、お手軽だと思ってるでしょう。
コヌク:・・・面白いな。
ジェイン:そうね、笑っていいわ。シム、何だっけ?シムゴヌク、もう会わないようにしよう。私の人生で最悪な男。さっきの男よりずっと。・・・ああ、気持ち悪い
コヌク:背中でもさすろうか?
ジェイン:いいえ、あなたの前でこれ以上恥をかきたくないわ。私たちここで終わりにしよう!
コヌク:思い通りになるのか?誰かに出会ったり、別れたりが、思い通りになるのかって。
ジェイン:そうね、分からない。ただ私はあなたには会いたくない。
コヌクは用意しておいたジェインの万年筆を彼女の前に差し出す。
コヌク:拾った・・・
ジェイン:男がプレゼントする時、みんな同じセリフね。申し訳ないと思ったの?(開いてみるジェイン)あれ、見おぼえがある!
コヌク:それすごく高いんだ。
ジェイン:モネにプレゼントで買ったものとそっくりよ。どこで拾ったの?
コヌク:道で拾ったんだって・・・
ジェイン:本当に?済州島、あ!スタントマン?まさか私を羽交い絞めにした人?
コヌク:フェイクナイフはあんたが先に持っていっただろ?
ジェイン:本当にあんたなの?うわ、こんな偶然ってあるの?どうしよう、また恥ずかしくなってきた。本当にあんた?本当?
クスクス笑い続けるコヌクに「笑わないでってば」と怒った顔をしてみせるジェインだったが、徐々にコヌクに対し、親近感を抱いていく。
【ソニョンの携帯電話】
クァク班長とイ・ボムは、ソニョンの携帯電話の行方を探すが、なかなか見つけることができずにいた。その携帯電話を手にしていたのは、コヌクだった。ソニョンの遺品を整理していたコヌクは、ソニョンの携帯電話を手に、彼女との記憶を辿る。
〜コヌク 回想〜
‐コヌク、私を助けて!助けてよ!全部話すから
携帯電話を手にボタンを押そうとするソニョンから、「ふざけるな!正気か!」と叫びながら携帯電話を奪うコヌク。
‐テソン!どうしよう、テソン・・・
泣き崩れるソニョンを支えながら、悲痛な表情を浮かべるコヌク。
‐テソンと・・・テソンと呼ぶな・・・
ソニョンを思い出し、胸を痛めるコヌクの元に、ジェインからの電話が入る。コヌクに関心を抱き始めたジェインは、何気ないことをコヌクに語りかけてくる。
‐テソンさん!
「テソン」と呼ばれ、緊張が高まるコヌクだったが、「驚いたでしょう?」と続けるジェインの声に緊張が緩む。万年筆のインクがないと文句を言うジェインだったが、コヌクとの通話後、万年筆が使えることに気づく。
【ソニョン 墓前】
ソニョンの墓前で彼女を偲んでいたコヌクの耳に、クァク班長とイ・ボムの声が聞こえてくる。ソニョンの墓前からコヌクがそっと姿を消した後、慌てて確認するクァク班長だったが、そこに誰かが来た気配が残されていたために、急いでその人物を探し、外に駆け出す。
【コヌク スーツケースを手に部屋を後にする】
テソンを日本に送ったホン会長は、テソンにも良い機会になるだろうとの自信を抱いていた。
コヌクは飛行機内で、ターゲットの一人、ホン・テソンの写真を破り捨てる。その頃、ジェインもまた、シン女史の探し求めているガラスの仮面を手に入れるため、日本へと向かっていた。
【コヌク テソン 日本の街で】
裏通りで待ち合わせた人物が現れると、コヌクは手にしていた万札を、その男に手渡す。その頃、テソンはクラブで酒を飲みながら、空虚な時間を過ごしていた。コヌクと接触した男がテソンに近づくと、その男の誘いに乗るテソン。不法な薬だと手渡されたものをアルコールに入れて飲むテソンの前に、警察が現れる。夜の街を必死で逃げるテソンだったが、警察に捕えられてしまう。
取調室で「どうにでもしろ!」とわめきたてるテソンは、韓国には帰らない、ヨーロッパかアメリカに送ってくれと話す。ところがテソンが飲んだものはビタミン剤だったことが明らかになり、すぐに釈放される。腹を立てたテソンは、自分に薬を手渡した男の姿を探し求め、街をさまよう。ようやく男を見つけたテソンが慌てて相手を追い続ける途中、日本に出張に来ていたジェインとぶつかってしまう。
【クァク班長 イ・ボムと参考人の元へ】
チェ・ソニョンとつながりのある人物にたどり着いたクァク班長らは、その男を訪ねる。ソニョンとテソンの名を聞いた男性は、「姉さんに何かあったんですか?テソンはまだ姉さんと一緒なのか」と逆に問いかけてくる。クァク班長らは男性の話から、ホン・テソンはソニョンと同じ孤児院で育った男性であり、ヘシングループに養子に入り、すぐに追い出された人物であることを知る。
【ジェイン テソン 船上パーティ】
パーティ会場でジェインに関心を抱いたテソンは、流ちょうな日本語でジェインに語りかける。バッグを持ちましょうと手を伸ばした途端、ジェインのバッグの持ち手が外れてしまい、韓国語で「どうしよう」とこぼしたジェイン。互いに韓国人だと分かった二人は、パーティ会場を抜け出す。
テソン:画家ですか?
ジェイン:いえ、仕事がありまして。そちらは?
テソン:ただ招待されただけです。つまらないパーティだね。
ジェイン:私たち知り合いじゃないですよね?声に聞き覚えが・・・
テソン:僕と?名前は?
ジェイン:ムン・ジェインです。そちらは?
テソンは名前を答えず、パーティが終わったら僕のヨットに来ないかと誘いかける。名前も知らない人とそんな場所へ行くのはちょっとと断るジェインに、名前を教えれば来るのかと問いかけるテソン。ドレスも着ないで古いブランドバッグを持って、なぜこんな場所に入り込んだのかと嫌味を言うテソンに、怒りが込み上げるジェイン。テソンに嫌悪感を抱いたジェインは、すぐにその場を離れていく。そんなジェインの前で、暗い海の中に船から人が転落する。驚いたジェインは大きな声で人を呼び、テソンに「早く助けて!人が死にそうなのよ!」と飛び込んで助けるよう急がせる。上着を脱ぎ、海に飛び込んだテソンを待っていたのは、コヌクだった。すべて用意周到に準備していたコヌクは、水中でテソンを押さえつけるが・・・。