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春の日 韓国版第4話


チョンウン:あの人は私にピアノをくれて、ピアノをまた弾けるようにしてくれて

그 사람 저 한테 피아노도 주고, 피아노 다시 치게 해주고,
  ク  サラム チョ ハンテ   ピアノド  ジュゴ    ピアノ  タシ チゲ ヘジュゴ


そして言葉まで話せるようにしてくれたんですよ...

그리고 말 까지 하게 해줬는데..  
   クリゴ  マルッカジ  ハゲ  ヘジョヌンデ


チョンウンを心配して島からソウルの病院へやってきたタルホ。
心配そうな表情でチョンウンをじっと見ていると、チョンウンはまくしたてるように
ウノへの感謝の気持ちを話し、ウノの傍を離れない決意を告げる

 
 
 
ウンソプはウノの事故によるショックで、酒を飲み、ひどく酔った状態で病院に現れる。ウノの眠るベッドの隣に倒れこむように眠るウンソプ。そこへ現れた女性...それはチョンウンだった。「起きてください...こんな、こんなこと....話したいことがたくさんあるの」と泣き出してしまうチョンウン。静かな病室で、ウノのベッドの向こう側から聞こえる泣き声に気が付き、そっと歩み寄るチョンウン。そこには1人の男性が眠りながら夢を見るように、むせび泣いていた。思わず彼の涙を自分の手で拭きとるチョンウン。
 
「ど、ど、ど、どなたですか!?」気配に気が付き飛び起きたウンソプ。「どなたですか?」もう一度ウンソプが尋ねるとチョンウンは疲れのあまりその場に倒れてしまう。

 一方、ウノの父ヒョンジンは、ウノの実母が事故にあった場所に車を走らせていた。悲痛な面持ちで事故現場に立ち寄るヒョンジン。心から「寂しい暮らしをさせてしまってすまない...すまない!!」と空に向かって叫んでいた.。

  病院では、ウノの同僚のチョルスがチョンウンの手当てをし、食べて、よく休めば治るだろうと話すのを聞き、彼女は一体誰なのか分からないまま、少し安心するウンソプだった。翌朝ウンソプがウノの様子を見に行くと、すでに彼女がウノの看病をしていた。二人は互いを気にしながらも、何も言葉を交わさずにいた。チョンウンを気に掛け、島から病院を訪ねてきたタルホはチョンウンの疲れた姿を見て胸を痛める。チョンウンと一緒に食事をとりながらおいしそうにご飯を食べる彼女を心配そうに見つめていた。
「そんなふうに、じ〜っと見られるのが一番嫌だわ。戻って来いって言うつもりでここに来られたのもよく分かります。でもあの人は私にピアノをくれて、またピアノを弾けるようにしてくれて、そして言葉まで取り戻してくれたんですよ。このまま私は島へ帰るわけにはいきません」と早い口調でまくし立てた。タルホは1日1回、必ず電話を入れるようにとチョンウンに携帯電話を手渡し、彼女の意思を尊重する。

 ヒェリムは愛人のソンジュンとともに旅行に行くつもりで空港に来ていた。ちょうどその場に夫のヒョンジンがタルホの見送りにやってくる。夫を見つけたヒェリムが身を隠そうとすると、ソンジュンは“全部話してやる”と
ヒョンジンたちに向かって歩き出す。ヒェリムは「気でも狂ったの?」と、かばんの中からメスを取り出し自分の首に当ててみせる。信じないソンジュンに手首の傷を見せて、おかしなことを考えたら本当にやるからと脅し、その場を切り抜ける。

 ウンソプは病院でお産を手伝っていた。患者に凄い力で掴まれ、髪もむしられたウンソプは血を見てふらふらになり、真っ青な顔で手術室から飛び出してくる。父の部屋へ呼ばれたウンソプは髪も乱れたまま院長室へ向かった。父とチョンウンが待つ院長室に入ると、
「お前の兄の看病人だ。挨拶しろ。なんて髪型なんだ...」とチョンウンを紹介されて、思わず髪の乱れを直すウンソプ。そんなウンソプを見てチョンウンも自分の髪の乱れを気にしていた。ウンソプのオフィステル(マンション)をしばらくの間チョンウンさんに利用させてあげるようにという父に、すぐに返事ができずにもじもじしていたが、結局父には逆らえずに頷く。チョンウンは「少しの間だけ、お世話になります」とウンソプに挨拶をする。

 洗面所で髪を整えるウンソプ。“こっち(右)はいいんだけどなぁ...こっち(左)がなぁ...”と神経質そうに鏡に向かっていた。

  チョンウンは全く反応の無いウノにずっと話しかけながら手厚く看病し続ける。島での日々を思い出しながら、明日は音楽をかけてあげるね、とつぶやく。

 ウンソプがチョンウンを迎えに来て、二人はオフィステルへ向かう。
「どうして泣いていたんですか?」と尋ねるウンソプに、チョンウンは
「あなたも泣いていたでしょう?」と聞き返す。そのまま会話が進まない二人。車の中、チョンウンは音楽を聴いてもいいかと尋ね、ウノが以前弾いていたピアノ曲に静かに耳を傾けていた。ウンソプの「ジャズは好き?」という質問も聞こえていないように、ただじっと外を見つめながら。

 オフィステルの部屋の前、暗証番号を教えるウンソプ。
「2月17日、僕の誕生日だから」と0217と押し、扉を開ける。部屋を案内しながら、自分のものには触れないでくれと告げるウンソプ。帰り際、さりげなく彼女の靴をそろえて部屋をでた。彼女が気になって仕方の無いウンソプは本を取りに来たと言いながら戻ってくる。ウノとはどんな関係かと尋ねる。チョンウンからはっきりとした答えが返ってこないせいか次から次へと質問するウンソプ。どれほどよくしてもらったか分からないわ...というチョンウンの話から、「もしかして島の診療所?そういえば、ピアノを送ったよ」と思い出すウンソプ。
「頭の良い人ですね。一度聞いたことを覚えているなんて」とチョンウンに褒められ、嬉しいウンソプは照れ笑いしながら“150です...IQ”と聞かれてもいないことを話して照れくさそうに微笑んだ。彼女に見せたくて、ルービック・キューブを取り出して夢中で始めるウンソプ。チョンウンが1,2,3と数え始める。ふとチョンウンが目線をそらすと、男の子2人の写真が目に入った。ウノとウンソプだ。ウノの子供の頃の優しい笑顔を嬉しそうに見つめるチョンウン。思わず写真を手に取り、数を数えながらじっと見入っていた。

「できた!」夢中でパズルを解いていたウンソプが彼女が自分を見ていなかったことに気づく。そしてチョンウンがウノの写真を愛しそうに見つめる姿に腹を立てる。
「触るなと言っただろう!」と突然怒り出し、チョンウンはあまりのウンソプの豹変に「ごめんなさい」と小さな声で謝るのがやっとだった。部屋を飛び出したウンソプ。彼が本を忘れていったことに気が付き、思わず本を
取りウンソプを追うチョンウン。間に合わず、部屋に戻ると、暗証番号が思い出せずに部屋に入ることができない。とうとう警察がやってきて、チョンウンは警察に連れて行かれる羽目になる。ウンソプとヒョンジンが迎えに来て、なんとか部屋に戻ることができたチョンウン。心配でチョンウンの携帯電話を何度も鳴らしていた島のタルホに連絡をとり、元気なように装うが、タルホはすぐにチョンウンが泣いていることに気が付き、「病人の隣で泣いていたらだめだぞ」とチョンウンを優しく励ました。

 ヒェリムはウノの看病人が誰なのか気になって仕方がないが、ヒョンジンは全く相手にしない。ウンソプに一番高い車を買ってあげるから、と事情を聞きだそうとするが、はぐらかされますます好奇心が募るヒェリムだった。

 病院には事故による多くの急患が搬送されていた。ウンソプはその様子を見て怯え、放送による呼び出しにも応じずに非常階段を駆け上がる。屋上で必死で吐き気を抑えながら、泣きながらパズルで気を静めようとしていた。彼の脳裏には幼い頃の記憶が蘇ってきた。部屋の扉を開けると女性が倒れている。そして手首からは大量の血が流れていた、それは、母親のヒェリムだった。