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春の日 韓国版第7話


チョンウン(コ・ヒョンジョン):
行ってお兄さんを抱きしめてあげてください

가서 형 좀 안아줘요...
 
カソ ヒョン チョム アナジョヨ...


母の夢を見て膝を抱えて泣くウノの姿に涙を流すチョンウン
自分が傍に行ってしまうと全て話してしまいそうだからとウンソプに伝える

 
神経科医から「今一番気になることは?」と尋ねられたウノは一番ではないが、同級生のミンジョンが気になると話す。彼女は頭の手術を受けたはずだと当時の記憶を明確に話すウノ。ヒョンジンとウンソプはその様子を影から見守っていた。ウノをミンジョンに会わせるべきだと考えたウンソプとチョンウンは彼女の職場に会いにいく。ミンジョンは天真爛漫で少女のまま大人になったような明るい女性だった。突然の話にミンジョンは驚くが落胆することなく“まるでタイムマシーンみたいね!Back to the future!?”と笑い声を上げる。そんなミンジョンの様子をじっと見つめるチョンウンとウンソプ。“おかしくなりそう!早くウノのところへ行こう!”と相談もせずいきなりウノの元へ向かおうとするミンジョンだが、会議があるのをうっかり忘れていて後で連絡すると2人に伝えてドタバタとその場を後にする。

帰り道、チョンウンの隣を歩こうとするウンソプにチョンウンは思わず「やめてください」と冷たい口調で突き放してしまう。自分の言ってしまったことがウンソプの心を痛めていると気が付いたチョンウンはウンソプが通うジャズバーのピアノオーディションについて聞いたり、今まで人に会うことすらしなかったから...と事情を伝えて少し怒ったウンソプの気持ちをなごませようとす。それでもウンソプは表情を曇らせたままだった。ウノを迎えにいき、3人でスケートを始めようと準備をしている間もずっとこわばった表情をするウンソプにチョンウンはとうとう「ちょっと...怖いですよ」と声をかける。わざと大きな声で笑うウンソプはウノの手をとりスケートを楽しんでいたがチョンウンへの想いで胸が張り裂けそうだった。遊園地で遊んでいても、ウノの顔を見て笑顔を見せるチョンウンをファインダー越しに見つめてまた胸が苦しくなるウンソプだった。ピザを食べながらウノに嬉しそうに話しかけるチョンウンを見ていてますます苛立ったウンソプはウノに八つ当たりのように意地悪な言葉を投げかけ始める。いつまでも自分を“ヒョン=お兄さん”と呼ぶウノに、自分はウンソプだ、どうしてお前が“兄さん”と呼ぶのかと大きな声を出し、またチョンウンに注意される。ウノはウンソプが自分を憎んでいるのではないか、もしかして失った記憶の中の自分はウンソプに嫌な思いをさせていたのかと不安になり今にも泣きだしそうになる。チョンウンはそんなウノに優しい言葉をかける。それはウンソプに対しても優しさの溢れる言葉だった。

「(ウンソプさんは)お兄さんのことが大好きなのよ。嫌いな人の写真を部屋に飾っておくはずがないでしょう?事故にあったときも一番心配していたのは弟さんなのよ。ウノさんを世界で一番好きな人はウンソプさんよ」

そこへ可愛らしい着ぐるみに身を包んだミンジョンが現れる。会いたかったミンジョンが来てくれたことに大喜びをするウノ。無邪気なウノの表情と2人が当時の話題に花を咲かせて楽しそうな様子を見て寂しそうなチョンウン。そんなチョンウンを見つめるウンソプまた切ない表情を浮べていた。ウノがウンソプをお兄さん、チョンウンをお姉さんと呼ぶのに対し、ミンジョンにはすんなりと同級生として打ち解ける様子に一層寂しさを感じてしまうチョンウンだった。その夜、遊園地での話を気にしていたウノがウンソプの部屋にやってきて「ウンソプを今まで憎いと思ったことはないよ」と伝える。

ウンソプのバンド仲間がいるジャズバーでピアノ奏者のオーディションを受けることになったチョンウン。メンバーの要求に答えてジャズピアノを演奏するチョンウンの姿を見て、ウンソプは彼女の隠れた才能に出会い心から感激する。ピアニストとして採用が決まったチョンウンが綺麗なドレスに身を包んで現れるとウンソプは子供のように見とれてしまい、全く言葉も出ずにやっとで「可愛いよ」と一言伝える。そしてただじっとピアノを弾くチョンウンを見つめていた。

ウノは継母ヒェリムへの悪戯をして、ヒェリムにきつく叱られてしまう。ショックを受けたウノは1人どこかへ身を隠す。チョンウンとウンソプはウノが姿を消したことに慌てるが、ウンソプがウノの行きそうな場所を探しに出かけることになる。チョンウンにはウノが帰ってきたときに家に誰もいなくては困るからと一緒に探しに出ようとする彼女に家にいるよう説得する。幼い頃、ウノと過ごした思い出の場所を探しに行くウンソプ。かつてクラスメートにいじめられている自分をウノが置いていってしまったとウンソプは思い込んでいたのだった。

ヒェリムが家に戻ると、彼女はいきなりチョンウンに冷たく接しはじめる。ウノをどうやって捕まえたのかとチョンウンに尋ねるヒェリム。「何か望みがあってウノさんの傍にいるとおっしゃるのですか?」と不思議そうな表情をするチョンウン。ヒェリムはチョンウンが
飛揚島のタルホの孫娘だと知ると血相を変えてヒョンジンの病院まで駆けつける。タルホはかつてウノの実母とヒョンジンの結婚式の仲人をしてくれた人で、あの島はウノの母とヒョンジンとの思い出深い場所であると知るヒェリムは、絶対にチョンウンだけはだめだとウノの看病人を止めさせてくれと訴える。ヒョンジンは身勝手なヒェリムの様子に腹を立てて全く彼女の話に聞く耳をもたない。そして「お前の涙はもう信じない。私があの人のために涙を流そうとも、お前は何も言うべきではない」とヒェリムに強い口調で伝えるのだった。

一日中ウンソプが探し回っても一向にウノは見つからない。チョンウンが部屋の中を何気なく見回しているとスリッパが放り投げられているのを見つける。気になって屋根裏部屋を覗きにいくと、そこには真っ暗な中、1人膝を抱えて泣いているウノがいた。

「もう夜なのよ。一日中探したわ。
 どうしたの?どうしてそんなふうにしているの?」

「夢を...見たの。“ごめん”ってママが...。
 僕は何が何だかわからなくてただ“大丈夫だよ”って。
 それでもママが“ごめん”って...」

ウノの悲しむ姿を目の当たりにしたチョンウンは涙が溢れ出し、傍に行くことができない。そこへウンソプが帰ってくる。

「早く行ってあげて、見ていられない。私がそうしたら全部話してしまいそう。お願い」
と泣きながらウンソプに話すチョンウン。チョンウンの言葉に何も答えずに、ただウンソプはウノの方へとゆっくりと歩み寄り、そっと傍に腰を下ろしウノを優しく抱きしめた。まるで母がそうするように、ウノの背中を優しく撫でてあげていた。

チョンウンが1人帰ったことを知り、ウンソプは慌てて彼女を追いかける。
「抱きしめてあげたよ。
 眠るまで抱きしめていたよ」
この言葉にチョンウンは「良く出来たわね」と温かい言葉をかけるのだった。