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天国の階段 韓国版第12話「嘘」

ソンジュ : 友達なら 君がつらい時 僕が手を貸してあげてもいいだろ?

친구라면, 니가 힘들때

 チングラミョン   ニガ   ヒムドゥルッテ

 

내가 도와줘도 되는거지?

ネガ    トワジョド    ドェヌンゴジ

친구 【名】 友達、親友
라면 【語尾】 〜なら、〜だと言うなら
니가 君が、お前が
힘들(이)다 大変な、つらい
【名】
내가 私が
도와줘도=돕다【動】手助けをする+주다【動】してあげる
되는 よい
거지  だろう

回転木馬前でチョンソへの想いを断ち切ろうと苦しむソンジュの台詞

 

チョンソとスケートリンクへ向かったソンジュは、しっかりと彼女の手を握りしめる。

−僕は、絶対にこの手を離さない...だからお前もこの手を離すな...

しっかりと手を握りしめながら、二人は氷の上を滑り始めるが、バランスを崩して倒れた途端、つないでいた手が、まるで二人に何かを予感させるように離れてしまう。

ユリの母のミラは、自らマスコミにソンジュとユリの婚約を公表し、自分の娘とグローバルグループの一人息子であり社長のソンジュとの結婚を夢見て着々と準備 をすすめる。

その頃、ユリとソンジュの結婚について知らせる新聞記事を見かけたテファは、ソンジュの婚約相手がチョンソではなくユリだと知 ると血相を変えユリに連絡を取る。電話を受けたユリは、ソンジュとの婚約式を翌日に控え自宅でソンジュらと会食中だったが、席を立ち部屋へと移動する。

−ハン・ユリ、婚約おめでとう...。警告したよな?チョンソから奪ったものを全て返せと。

−笑わせないで。どうして私がそこまでしなきゃならないのよ

ユリの様子を見て事情を察したミラがユリの手から携帯電話を取る。

−明日、婚約式で会おう。お前の兄として、出席するよ。

−そうよ、来なさい。妹の婚約だもの、兄が出席しないなんて話がある?でなくてもあなたを招待しようと探していたのに、連絡もしてこないものだから...。

−俺の言ったことがどんな意味か分かってるのか?明日になれば...全て終わりだ...

−そうね、私も頭が痛かったわ...全部終わらせましょう。だから絶対来なさい。

テファとの通話を終えたミラは、余裕の笑みを浮かべ“心配しないで、ストレスは肌の大敵よ”とユリを落ち着かせる。テファはユリの婚約のため、ミラが実の息子を陥れる準備をしていることには気づかない。

婚約式の日、ソンジュはポケットにチョンソへの指輪をしのばせ、会場へ向かう。ドレスを身にまとったユリとチョンソ。ソンジュと共に式場へと入場するユリは 勝ち誇ったような笑顔で堂々と振る舞う。しかし、ソンジュが見つめて微笑む先には、チョンソがいた。

招待客が見守る中、ソンジュは「私が愛する人にこの指輪を贈ります」と 宣言し、周囲がざわめく中、招待客席に座るチョンソに向かい歩き始める。ちょうどその頃、ユリとソンジュの婚約をやめさせるためにテファが会場に到着する。そ の場にミラの密告により、 警察がやってくる。テファの模倣画を不正に売買して収入を得ていた父ピルスの行動を密かに調査していたミラは、何も知らずにいたテファを罠にはめる計画をたてていたのだ。

チョンソの目の前で警察に連行されていくテファを、チョンソは当然放っておくことができず、ソンジュへ心を残したまま婚約式の会場を飛び出してしまう。ソンジュがチョンソへ差し出した指輪は、受け取られることなく、会場の床に転がり落ちる。呆然と チョンソの後ろ姿を見送るソンジュは、その場から身動きがとれず、結局ユリと婚約することになる。

警察で事情聴取を受けるテファの元に、ドレス姿のまま駆けつけたチョンソ。

−お兄ちゃん!何があったの?

チョンソの手を振り払い、こんな人は知りませんと警察に訴えるテファ。

−俺はお前なんか知らない!全部忘れたんだよ。お前と俺とは何の関係もない、分かったか!分かったなら執着せずに帰れよ。

−お兄ちゃん!

−お前がここに何しに来た!お前が何故ここにいる?お前の婚約式だろう!お前が何故ここにいる...俺がおかしくなるのを見たくなければ帰れ!帰れよ!頼む、帰ってくれ!

テファを呼び泣き叫ぶチョンソを置いて、テファは取り調べ室へと連れて行かれてしまう。

婚約式会場で不機嫌な表情のままのソンジュの元に、チャン理事から事情が伝わり、ハン・チョルスが警察に逮捕されたことを知るソンジュは、すぐに警察へと向かおうと会場から出る。ソンジュの様子がおかしいことに気付いたユリがソンジュに駆け寄り引き止めるが、ソンジュはユリの話に聞く耳を持たずに出て行ってしまう。

警察署内でテファを待ち続けるチョンソは、ソンジュからの電話を受けることができず、肩を震わせ涙を流す。そんなチョンソを遅れてやってきたソンジュがそっと見守っていたが、ふたたび彼女の携帯の番号を押す。チョンソは涙をこらえてソンジュに明るい声で答える。

−オッパ...おめでとう...

−ごめんな、チョンソ。ごめん...

−ううん、私あの席にいちゃいけなかったのよ。私たちどのみちだめだったのよ。

−...お前にとって、僕はそんなに信じられない人間なのか?

−違うわ、オッパ。違うの...

−いや、そうだよ。お前をつかまえることさえできなかった。愛してあげられなかった...

ソンジュの悲痛な告白に、チョンソの瞳からこらえていた涙があふれ出す。

−今からでもお前の傍に行きたいのに、行くことができないよ...お前に悪くて

−悪く思わないでオッパ...私大丈夫よ。本当に大丈夫。よくやったわ、よくやったわよ、オッパ。

近くでチョンソの言葉を聞いていたソンジュの頬を、次々に涙が伝う。

−今日のお前は、本当に綺麗だったこと、分かるかい?

−オッパも、オッパも素敵だったわ...知ってる?

−どこだ?何があったんだ?

−何でもないわ。友人に急用ができたの...

−その友人がそんなに大切か?僕たちの婚約式を放棄するくらいに...。いっそのことお前が友人だったら良かったのにな...その友人、僕が手伝えることはないか?これからそっちへ行こうか?

−いいえ、来ないで。オッパがいるべき場所を守るの。オッパ、私もう切るわね...

電話を切った後、ソンジュがそれまで背を向けていたチョンソの方を向くと、チョンソは肩を震わせて涙をこらえ続けていた。その夜、疑いが晴れ一旦釈放されたテファは、椅子で眠ってしまっているチョンソの姿を目にするが、声をかけずに黙って警察署を後にする。目を覚ましたチョンソはすでにテファが釈放されたことを知り、急いで外に駆け出す。

−お兄ちゃん!どこか痛むの?見せてよ、どれくらい痛むの?

チョンソがテファの腕を強く掴むと、テファは痛みをこらえてチョンソの手を振り払い、背を向け歩き出す。

−お前バカか!婚約すらできずに、お前がこんなふうに訪ねてきたら俺が受け入れるとでも思ったのか?俺はお前なんて忘れた、もううんざりだ!だから行けよ、頼むから行っちまえ...頼む!

−私が来たくて来たとでも?こう仕向けたのはお兄ちゃんでしょう?去ろうとした人を引き止めたのはお兄ちゃんでしょう!私も、私も婚約したかった...私の婚約式だったの!ソンジュオッパも私に指輪をはめてくれるって言ったのよ...お兄ちゃんさえ来なければ良かったの!お兄ちゃんが来なければ!お兄ちゃんのせいよ!

泣き叫びながらテファの胸元にあるネックレスにかけられた指輪を手にするチョンソ。

−これ何よ、全部忘れたはずなのに、どうしてこんなものつけてるの!どうしてよ!

チョンソの言葉に答えないまま、ネックレスを取り、投げ捨てるテファ。

−いいだろう?二度と俺に会うと思うな...俺にかかわるな...

−そうよ、私だってオッパの顔なんてみたくない!どこでも行っちゃえばいいのよ!消えて!いなくなってよ!

テファの投げ捨てた指輪を拾うチョンソの姿を、結局警察の前から離れることができずにいたソンジュが、車内から見守り続けていた。寒空の下、ドレス姿のままバス停に座り込むチョンソに、ソンジュの車が近づく。チョンソはソンジュに気がつくと、すくっと立ち上がり、ソンジュの車の進行方向とは逆方向へ走り出す。ところがソンジュが車を後進させ、車から降りると、逃げようとするチョンソを引き止め、強引に車に乗せてグローバルランドへ向かう。

回転木馬前に腰掛ける二人。

−私たち、もう会うべきじゃないわよね?

ソンジュはチョンソを見つめて微笑むと、ポケットから渡しそびれた指輪を取り出すと、回転木馬の方へ投げ捨ててしまう。

−愛より友情の方がいいかもしれないな。愛には別れがあるけれど、友は永遠だ。この世で一番の親友になってくれる?

黙ったままのチョンソに微笑みかけ、立ち上がると右手を差し伸べるソンジュ。ソンジュの手を握るチョンソが立ち上がると、ソンジュは乱暴に握手をし始める。痛がるチョンソの腕を強く引き、その身を引き寄せるソンジュの目に、涙がにじんでいた。

−友達なら、会いたい時はいつでも電話して会えるだろう?友達なら、つらいとき、そばにいてあげられるだろう?友達なら、お前がつらいとき、僕が手を貸してあげてもいいだろう?友達なら、今はだめでも...何をしてもかまわないだろう?

ソンジュの言葉に涙を流しながら黙って何度も頷くチョンソだった。ソンジュは、チョンソの涙をみてふと我に返ったように投げ捨てた指輪を探し始める。

−見つけた!

チョンソに近づくソンジュ。

−友達ならプレゼントも受け取ってくれるだろう?

チョンソの手を取り、指輪をはめようとするソンジュに、チョンソは思わず手をこわばらせる。

−友達だ、友達!友情の指輪。


二人は互いを深く愛し合いながらも、周囲の重圧から逃れられず、共に生きていく道を閉ざされてしまうが、その絆の深さは決して消えることはなく、悲しみを心の奥に閉じ込めながら手をつなぎ、スケートリンクへと向かう。

その夜、家に戻ったソンジュの前に、テファが姿を見せる。

−チョンソをどうするつもりだ?チョンソを幸せにしてくれるって俺と約束しただろう?それが他の女と婚約か?俺は何のためにチョンソを手放したんだ!

厳しい表情でテファを睨んだまま冷静に答えるソンジュ。

−それを全てぶち壊したのはそちらだろう...

−...それなら、チョンソが“好きだから結婚しよう”と言えるとでも思ったか?チョンソが拒んでも、逃げ出しても、引き止められなかったのはお前の責任だ!

ソンジュは怒りを抑えきれずにテファに殴りかかり、テファの胸元を掴んだまま睨み続ける。

−お前が少しだけ早くチョンソを手放してくれたなら、こんなことにはならなかったんだ!記憶を失ったことだけでも言ってくれたら...

−そうだ、殴れ...気が済むまでなぐれ...チョンソに責任を持て

−お前は誰だ!誰だ!...お前、チョンソに何をした?どうしてこんなことを?どうしてだ!

−そうしてでも傍に置いておきたかった。愛していたから...

−ならどうして俺の元へ送った?なぜだ!

−俺はチョンソを幸せにしてあげられないが、あんたなら出来る...。チョンソは一度もあんたを忘れたことはない。今でも遅くない...。チョンソ、幸せにしてやってくれ、頼んだぞ。

自分の素性を明かさぬまま、テファは呆然と立ちつくすソンジュに背を向け歩き去る。

一方、チョンソとユリの職場では、ソンジュとユリの婚約を祝うためのプレゼントを準備することになり、プレゼントの中身を任されたチョンソは、二人のためのおそろいの手袋を贈る。その夜、チョンソの退社時間に合わせ、ソンジュが姿を見せる。ソンジュはチョンソへの想いを断ち切ることができずに苦悩し続けていた。