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天国の階段 韓国版第7話「たったひとつの贈り物」
 

チョンソ : 私が 自分以上にオッパを愛してるって言ったこと、覚えてる?


내가 나보다 더 오빠

ネガ ナボダ トー オッパ
 

사랑한다고 했던말 기억하지?

 サランハンダゴ ヘットンマール キオッカジ?

【人称代名詞】
【助】
【人称代名詞】
보다 【助】 より
【助】 さらに、もっと
사랑한다고=사랑한다【動】愛してる+(라)고と
했던=하(する)였던(過去)
【名】 言葉
기억 【名】 記憶
하지=하고있지? している?



ソンジュと共にハン家へと向かうチョンソからテファへの言葉

 

  

チョンソはチャン理事に連れられ、ソンジュの待つホテルの一室に 向かう。自分を見つめるソンジュに、毅然とした態度で伝え始めるチョンソ。

−お話があって来ました。...この契約、守れなくなりました。違約金は、少しずつ、でも必ずお返しします。

フッと微笑み、チョンソにゆっくりと近づくソンジュは彼女の肩に手をかけると、黙って彼女を見つめたまま用意したテーブルの前に促す。準備されていたケーキ越しに、チョンソを見つめ続けながら、ろうそくに灯りをともすソンジュ。

−この灯りを消すまでは行かないで...誕生日だから...

チョンソに昔よく見せた手品をしてみせるソンジュに、ただ目を見開いてじっと黙っているチョンソ。

−笑ってくれると思っていたのにな...

チョンソに贈り物の箱を差し出すソンジュ。

−社長のお誕生日なのに、どうして私が?

持っていた箱を手元に戻し、じっと箱を見つめて涙を浮かべるソンジュ。

−してあげたいことがたくさんあったのに...どんなことでもしてあげたかったのに...今度こそ上手くできると思っていたのに...受け取るつもりはないの?してあげたいこともしてあげられないことは、ただ僕の心の中にひとつずつひとつずつつもっていくのに...これ以上心の奥に閉じ込めておくのが、とてもつらいんだ...

ふたたびチョンソにプレゼントを手渡そうと手を伸ばすソンジュ。

−受け取って

チョンソは黙ったままソンジュからのプレゼントを受け取る。

−あの人が心配?...さぁ。

チョンソから奪った携帯電話を返すソンジュ。チョンソはテファからの電話が鳴っているのことに気付きながらも、目の前にいるソンジュを気遣い、電源を切ってしまう。

−さぁ、この灯りをふきけすよ。一緒にしてくれる?

ろうそくを吹き消そうとケーキに顔を寄せるチョンソの頬にそっと両手を伸ばすソンジュの瞳から、次々と涙が流れ落ちる。心が揺れるチョンソは、ソンジュの手を払い、立ち上がる。そんなチョンソの手を強く掴み、引き止めるソンジュ。

−初めて会ったときからチョンソだと思っていたし、今もその考えに変わりはない...

彼女がチョンソであると強く信じていながらも、チョンソが全く別人のように感じる瞬間もあり、葛藤するソンジュは、切なさがこみあげて思わずテーブルの上のケーキを全てひっくり返してしまう。

−僕がおかしい奴なのか?僕もおかしくなったみたいだ...生きていられない!

チョンソの肩を強く掴み、思い出してくれと願いながらすがりつくソンジュ。

−どうしたらいい...僕はどうしたらいいんだ...どうしにかしてくれ!

−私がしてあげられることは...ありません...

−...あなたを待っている人がいる...チョンソの家に一緒に行こう...チョンソがいた場所に、そこで確認しよう、僕たち、そうしよう...

−そこが私の場所でなければ、私を手放してくれますか?

静かに頷くソンジュ。

−私が社長にしてあげられるのは、こんなことだけです...


二人がハン家に向かう頃、テファはチョンソと連絡がつかずに不安に駆られ、仕事を投げ出しチョンソを探しまわっていた。チョンソの携帯電話に連絡がつくと、どこにいるんだと大声を張り上げるテファ。

−私は今、社長とチョンソさんの家に向かっているの。

−....

−約束守れなくてごめんね。今度が本当に最後だから、理解して。

その家はどこだと続けるテファに、チョンソが答えられずに困ると、ソンジュが“キム・ジスさんは元いた場所に送り届ける”と言い、家の場所を告げ、そこで会いましょうと言い、電話を切ってしまう。その日、ハン家ではミラとユリがソンジュの誕生日を祝うために念入りに準備を重ねていた。そんなハン家の前にチョンソを乗せたソンジュの車が到着すると、事前に着いていたテファが車の前に飛び出してくる。

チョンソの手を掴み乱暴に連れ出すテファ。

−帰ろう...帰ろう、帰ろう...

ソンジュが車から降り、“ハン・チョルスさん”と呼びとめる。

−そんなに心配なら、ご一緒にお連れしますよ。私も聞きたいことがたくさんありますし。

ソンジュに掴みかかるテファを必死で抑えるチョンソ。

−そんな必要ありません...。(テファを見つめながら)オッパ、私、行ってくる、行ってくるね。

−いや、行くな...終わりにすると言っただろう?

−そのために行くのよ。私も、あの人も...。私が、自分以上にオッパを愛してると言ったこと、覚えてるよね?うん?

優しくチョンソを抱き寄せ、微笑むテファ。

−俺...ここで待ってるぞ。その家に入って出てくるまでに、心の整理がつかなければ、俺に振り向かずに行け。万が一未練がましく振り返ったら...死ぬまではなさない...お前が嫌だと言っても、はなさない...。行けよ...

ソンジュを出迎えたユリの前に、チョンソが共に立っていたことで、ユリは表情を曇らせるが、ソンジュは全く気にするそぶりも見せずに彼女を連れてハン家に入っていく。ミラは驚いた振りをして“チョンソ、チョンソ”と名を呼びながらチョンソに近寄り、倒れてしまい、その場にいたミン会長も息を飲む。ミラが落ち着きを取り戻し、ユリを除いた家族らがチョンソを囲むと、ソンジュが“私が連れてきたかったんです”と話を切り出す。

−私だけがチョンソだと思い込んでいるのかと...

ソンジュに続き、ミラが切りだす。

−私たちも、チョンソが戻ったと思うわ...チスさんさえ許してくれるのなら、チョンソとしていてほしいわ...そうして、チスさん...

−申し訳ありません。私がここに来たのは、私とそっくりな方、チョンソさんがどんなご家庭で、どんなご家族と暮らしていたのか気になったからです。チョンソさんの代わりに生きるために来たのではありません。

それまで黙っていたミン会長が口を挟む。

−二人ともやりすぎよ。亡くなった子を胸に抱いて暮らす両親、こんな二人を見守ってきたユリの気持ち、傷つけてまでもこんなことをする必要はなかったわ。

−お母さん、お母さんもチョンソを愛していたでしょう?どうして皆考えてみようともしないんです?私はどんな些細なことでも知りたいのです。チョンソさえ見つかれば...

ユリが2階から下りてくる。

−やめてください!チスさん帰って。

−ユリ!

−何も言わないで。オッパ、私を物だとでも思ってるの?そうじゃなければ彼女をここに連れて来たのはチョンソお姉さんのせいじゃないでしょう?私との婚約が嫌でこんなことしてるんでしょう?

−そうじゃない。

−それならなぜ今日なの?私はオッパに愛されたくて5年も待ったのよ。それなのにオッパは1日すら我慢できないの?どうして私だけが我慢しなきゃいけないの?

ソンジュが答える前にチョンソがユリに語りかける。

−誤解しないで下さい。社長も、皆さんが違うと仰れば、心を決めると仰いました。そう仰いました。約束してくれましたよね?私も婚約します。もうチョンソさんの家に来ることはないでしょう。帰ります...

立ち上がるチョンソを引き止めるソンジュ。

−僕の行動が、単なる推測じゃないことを見せてあげたいんだ。ユリ、チョンソの荷物はどこだ?

−そこまでされる必要はありません。

−キム・ジスさんのためにすることじゃない...

衣裳部屋に置いてあるチョンソの荷物をしぶしぶ出すユリは、チョンソがテファが描いた絵を手にすると、すぐに取り返す。ユリに部屋から出るようにと言ったソンジュは、二人の思い出の写真を彼女に見せながら、彼女をじっと見つめ続ける。

−チョンソ、本当に違うのか?

−ごめんなさい...

涙を浮かべ、ため息をつくソンジュ。

−もう、手ばなしてあげないとな...

ソンジュはチョンソと決別しなければならない瞬間を悲しむように、彼女に顔を寄せて、そっと額にキスをする。

−別れのプレゼント...

ソンジュの落胆した表情に胸を痛めるチョンソだったが、 何も思い出せないまま、想い振り切るようにテファの元へ戻っていく。

川沿いでテファと一緒にラーメンを食べるチョンソ。

−あ〜、美味しい!

−ばかだなぁ...家まで行ってご飯も食べずにきたのか?

−ねぇ。私を好き?嫌い?

−ははは...

−好き?嫌い?

チョンソに黙って手を差し伸べるテファ。

−は〜、やっぱり私の居場所はここだわ。オッパのとなり!

テファは、チョンソの方を向くと、ポケットから指輪を出し、彼女に手渡す。

−笑うなよ...安物だ...

−...私はあげないよ。オッパの壁画が完成した時にあげるね!

チョンソは過去と決別するかのように、大切にし続けてきたネックレスを外し、川辺に投げ捨ててしまう。

翌日、出勤したチョンソを待っていたのは限りなく不機嫌になっているソンジュだった。新製品のマフラーのデザイン発表をするチョンソに、厳しい注文をつけるソンジュは、明日までにやり直すようにと冷たく言い放つ。チョンソに別れを告げたソンジュの心の中に、キム・ジスという女性を愛する気持ちが芽生えてきてしまい、ソンジュは彼女につきまとうようになる。

テファとチョンソが食事を約束したレストランに、ソンジュもユリを連れて姿を見せると、“婚約おめでとう”と言い、ふたりのとなりの席に座ると、ユリとテファの肩越しにチョンソを熱く見つめ続ける。ソンジュの存在が気になって仕方がないチョンソは、テファの前にいながらも自然とソンジュの方へ目線をやってしまう。ソンジュは二人にワインを差し入れると、同席を求め、結局4人は共に食事をとることになる。

−ところでハン・チョルスさん、指輪はしていないの?

答えることのできないテファにかわり、チョンソがソンジュに答える。

−壁画が完成した時に贈るつもりです。オッパが描く壁画は私への贈り物ですから。

−ははは...それは違うでしょう?あの壁画は僕がチョンソに贈るものですよ...僕の贈り物を奪われるのは嫌だな...

テファが怒りに満ちた表情を浮かべる。

−婚約までしている女性の前でそんな話、失礼じゃないのか?

−その程度で嫉妬などしませんよ。

ユリは無理に笑顔を作り、取り繕う。4人の間に重苦しい雰囲気が漂う中、ソンジュは席を立ち、ピアノに向かうと、チョンソが好きだった曲を奏で始める。ピアノの音色に海辺の家で抱きしめられたときの事を思い出してしまったチョンソは、想いを断つようにテファと席を立ち、店を出て行く。ソンジュは自分以外の男性に肩を抱かれて歩く彼女の姿を見るのに耐えられず、嫉妬心を振り払うようにユリと共に過ごすが、気が晴れることもなく会社へと戻る。

遅くまで残業でうたた寝してしまったチョンソがふと目を覚ますと、男性の背広がかけられていたことに気が付き、すぐにソンジュだと察して社長室へ向かう。社長室ではソンジュがソファーに倒れこむように眠っていた。彼女に気付き目を覚ましたソンジュは、何か食べようといい、二人は回転木馬の前でピザを頬張る。

−ハン・チョルスさんのどこが好きなの?

−どうして好きかなんて...好きになるのに理由は必要ですか?う〜ん、絵も上手で、優しくて面白くて、嘘をつくことすらできなくて、自分の気分に任せて怒ったりもしませんよ!

−○▽△!???!???(*全く聴き取れません...笑)

−私をからかうの、面白いですか?

口いっぱいに頬張りすぎてむせるソンジュに、飲み物を手渡すチョンソ。チョンソはソンジュの意外な一面を目にして笑顔を浮かべる。

−そんなふうに笑うな...チョンソみたいに...

二人は誰もいないスケートリンクに向かい、楽しい時間を共にして、徐々に心を寄せ合っていく。ふと我に返ったチョンソが帰ろうとすると、ソンジュが仕事の話を切り出し、コンセプトは考えてみたかと問いかけると、胸ポケットからチョンソからの手編みの赤い帽子を取り出して被ってみせる。

−どう?似合う?チョンソが贈ってくれたんだよ。こんな贈り物、もらったことありますか?世界にたったひとつのもの。そんな感じでもう一度考えてみてください。
 

ソンジュの温かい言葉を受け止めたチョンソの脳裏に、あるコンセプトが浮かぶ。