Abel's footsteps
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「カインとアベル」韓国版DVD
韓国語・英語字幕付

 
 




カインとアベル 第12話
 



이제... 아버지 말고는 아무도 못 믿겠습니다...
イジェ  アボジ マルゴヌン アムド モン ミッケッスムニダ

イ・チョイン:
もう....父さん以外 は、誰も信じません。
 


【病院へ搬送されるチョインとヨンジ 】

チェ・ボックンが運転する車が横断歩道を渡るチョインに向かって猛スピードで近づいた瞬間、ヨンジがチョインを助けるために道路へ飛び出してくる。撥ねられた二人は薄れゆく意識の中で、互いの無事を確認し合うが、共に意識を失い、救急車で病院へと搬送される。

ソヌはチョインが歩いてくる姿を見つけると、隣にいるソヨンの視界を遮り、発作が起きたように振る舞い、ソヨンの意識をチョインから遠ざけるために必死の演技を続け、ソヨンがチョインを確認する機会は奪われてしまう。ソヌを車に残し、ソヨンが一人でヨンジとの約束場所へ向かう頃、ヨンジとチョインは病院内で手当てを受けていた。タクシーに乗り込んだソヌは、チョインの様子を探るために搬送先の病院に電話で確認すると、命に別条はないと知り、チョインの命を奪う目的で病院へと侵入する。ソヌがヨンジの隣の“オ・ガンホ”と書かれたベッドのあるカーテンを開くと、すでにチョインの姿は消えていた。そんなソヌの携帯電話に、母ヘジュから思いがけない知らせが入る。

−ソヌ...チョインが現れたの...


【ポソン病院】

チョインはかつて自分の居場所だったポソン病院のエントランスに立ち、病院内をゆっくりと歩きながら、病院の掲示物に目を通していた。文書の中に“脳医学センター 設立”の公知文を見たチョインが眉をひそめていると、 チョインが戻ったとの知らせを聞いたチングンが駆けつける。

−もしかして...イ・チョイン先生ではありません...よね?

無表情でチングンを見ていたチョインの口元に徐々に笑みが浮かぶ。

−チングン先生!お元気でしたか?

驚きと嬉しさとで目を潤ませるチングンは、チョインの名を呼び、その生還を心から喜びながら強く抱きしめる。かつての姿のように明るく無邪気に振る舞うチョインは、チングンを 軽く突き放す。

−ああ...男同士なのに何するんです!

−お前...死んだと思っていたんだぞ...何がどうなってる?6ヶ月もの間...

チングンの言葉に驚いた表情になるチョイン。

−先生、今日は11月14日じゃありませんか?2008年...11月14日...この公知文にあるのは、どういうことです?

−何を言ってるんだ...お前は6ヶ月前に発ったんだろう?

病院内にはチョインが生きて戻ったことで、騒然とした空気が流れていた。職員らが脳医学センターの運営について噂しながら、兄弟間の戦争がおこるかもし れないと話していると、清州から急いで戻ったソヌが厳しい表情で病院のエントランスに入ってくる。

−お前が生きて戻ったことは認めるが...一体どこまで覚えている...イ・チョイン...

固い表情で病院内を歩くソヌに、聞き覚えのある声が呼びかける。

−イ・ソヌ!

じっとソヌを見据えながら、ゆっくりと近づくチョイン。ソヌもまたチョインへと近づいていく。チョインは笑顔でソヌを抱きしめる。

−兄さん!会いたかった...会いたかったよ...

力強く抱きしめ返すソヌ。

−でも...僕に何かあったのかもしれない...

目線を合わせる二人。

−何のことだ...イ・チョイン

−僕は確かに、中国で兄さんと電話した後に、ある奴らに拉致されたのに...目が覚めたら清州の病院だったんだ...何一つ覚えていないのに、怖くて、うちの病院...病院へ行って兄さんに会うこと以外考えられなかった...でも皆が、僕を見て6ヶ月ぶりに戻ったと 言うんだよ...何のこと?兄さん、分かるように説明してくれよ、な?

−イ・チョイン...お前は本当に何も覚えていないのか?何一つ?

−(涙を浮かべて)覚えていない...

もう一度チョインをしっかりと抱きしめ、ソヌは、2ヶ月間中国でチョインを探しまわったことを話し、会いたかったと涙を浮かべると、チョインと目線をしっかりと 合わせる。

−どこも具合は悪くないのか?大丈夫なんだな?

−...大丈夫、僕は大丈夫...

−俺の弟...チョインだよな?チョイン...何も心配するな、戻れたんだ、何も心配するな...

笑顔で再会を喜び、抱き合う二人を、病院の医師やスタッフたちは胸を熱くして見守る。

【清州 病院内】

一方、搬送先の病院で治療を受け、眠っていたヨンジが意識を取り戻すと、すでにチョインの姿がないことに気付く。ヨンジはチョインの身に危険が迫ったのではないかとの不安に襲われ、急いで家に戻り、チョインの姿を探しまわるが、チョインの姿を見つけることができない。ヨンジはチョインの無事を確認するため、ソウルへと 急ぐ。

【ポソン病院内 チョンミンの病室】

チョインを連れ、チョンミンの病室へ向かうソヌ。

−父さん、誰が来たと思います?チョインです...父さんが愛する息子、イ・チョインが戻ったんです。

父の姿を見て涙を浮かべながら語りかけるチョイン

−父さん、大丈夫ですか?大丈夫ですか?父さん...。(ソヌに疑心を抱きながら)兄さん、父さんはどうなっているんです?手術したんですか?

−ああ、そうだ

立ち上がり、ソヌに抗議するチョイン。

−僕が中国でハッキリと、手術するなと言ったのに、兄さんの手術法は危険だからと、あれほど警告したのに、どうして父さんの手術を?待てと言ったじゃないか、他の方法を探 してみようと言ったじゃないか、兄さん!

−なら、お前が戻るのを...待つとでも言わなきゃならなかったのか?

−(愕然として)...兄さん...

−6ヶ月もの間、死んだとばかり思っていたお前が、こんなふうに現れるまでか?父さんの状態が悪くなって、亡くなるまで待てと言う事か?

−そうじゃないだろ、兄さん!

−イ・チョイン、お前の愛する父さんは、俺の父でもある。中国でジェフリーの患者が脳死状態になったと言ったな...少なくとも父さんは意識だけでも取り戻した...覚えていないか?お前がいる 頃、父さんは意識不明だった

−最善を尽くしたんだろう?兄さんが出来る最高の方法だったんだよな?

−...そうだ...その通りだ...(父を見つめて)父さんが意識不明だったら、こんなふうに涙を流しながら、お前が来たのを喜ぶことはあっただろうか?

ソヌがチョインの肩を抱く姿を、父チョンミンは悲痛な眼差しで見つめる。

ソヌは母ヘジュとオ理事らの前に堂々とした姿で現れ、脳医学センターの権利に問題が生じるのではないかと心配する彼らに、その問題についてはしばらく心配する必要はないが、他に気がかりなことがあると話す。チョインが記憶喪失症になっていないのではと疑いを持つソヌは、その点からまず確認する必要があるとヘジュらに伝え、翌日チョインの精密検査をすることを約束する。

その頃、チョインは父の病室で父の手術前後のCT画像をじっと見つめながら、表情を曇らせていた。父の手術を強行しようとするソヌの言動や、中国の砂漠で襲われた時の記憶がしきりに浮かぶチョインは、ベッドに横たわる父の方へと振り返る。

−父さん、まさか違いますよね?救急医学センターの代わりに、脳医学センターを設立するために...父さんがこうなってしまったのではありませんよね?そのせいで、僕が砂漠で銃で撃たれたのでは...ありませんよね?...もう、父さん以外、誰も信じません...

ヘジュが病室へ入ってきたことに気が付き、立ち上がるチョイン

−母さん...

−悪い奴...どこかに隠れて死んでいるのか生きているのかも分からずにいた子が、挨拶もできないの?

−(悲しそうに目を伏せ)申し訳ありません...

−生きて戻ったからまぁいいわ...詳しいことは後で話しましょう

終始無表情で冷酷に会話するヘジュの態度に、悔しさと悲しみとが込み上げるチョイン

−生きて戻って..“良かった”とは、一言も言って下さらないんですか?

【チョイン 精密検査】

ソヌは翌日早速チョインの記憶の状態を確認するために、精密検査を始める。おどけた表情で“ここまでする必要があるの?もう終わりにしない?”とソヌに語りかける チョイン。ところが検査を通じてソヌはチョインの記憶喪失の状態がどの程度なのか把握することはできなかった。チョインが記憶喪失を装っていることを疑い続けているソヌは、最後のカードがオ・ヨンジだと感じていた。

【チョイン ソヨンの元へ】

チョインが病院を出て外出する姿を見かけたソヌは、慌てて後を追い、行き先がソヨンの元であると分かると、チョインとソヨンとの再会の場に姿を現す。チョインが生きて戻ったことに衝撃を受けながら、徐々に喜びが沸くソヨンだったが、その場に姿を見せたソヌの表情を見て、複雑な気持ちになる。

【ポソン病院内 非常階段】

誰にも気づかれないようにポソン病院内に入ったキム・ヒョンジュが、チングンの手を取り、非常階段へと連れて行く。驚いたチングンに、急いでチョインの状態を確認するヒョンジュは、チョインに解離性遁走の症状がでているようだとのチングンの言葉に眉をひそめる。

−私...清州でチョインに先に会っていたのよ。その時は、昔のイ・チョインとしての記憶がなくて...それが何故突然解離性遁走なの?...チョインが砂漠で銃に撃たれたらしいの...

−...銃に...撃たれた?

−中国で誰かが自分を殺そうとして、それを指示したのが誰かも分からず、病院へ戻るのが怖いとも...

−(信じられない表情で)おい、一体何の話だよ...誰がチョインを殺すんだよ、一体?

−チョインがいなくなった時、最も多くのものを手に入れる人たちの中にいるはずよ。チョインが本当に解離性遁走なのかは...分からないわね。

−何のことだ?もしかして、チョインが記憶をまた失ったように振る舞ってると?ならどうすれば?

−とりあえずはチョインが何かを見つけるのを待つしかないわ。キム・ジングン、チョインをよろしくね。今はチョインを任せて信じられる人はあなたしかいないの。

ほほ笑みを浮かべ頷くチングン。
 

【ヨンジ ポソン病院へ】

ヨンジはチョインが病院内を颯爽と歩く姿を見かけ、“イ・チョイン先生”と呼びかけるが、チョインはヨンジの存在に気付かず、行ってしまう。涙を浮かべてうつむくヨンジは、一瞬寂しさを感じながらも、チョインが無事病院へ戻ったことに感謝し、病院を出ようとする。そこへヨンジの姿を見かけたソヌが、ヨンジを呼び止め、チョインの記憶の状態を確認する目的でチョインの元へ連れて行く。

ヨンジを見つけたチョインは、驚いた表情で“ヨンジさん”とつぶやき、ゆっくりとヨンジとソヌへ近づくと、ソヌの存在を意識しながら、徐々にほほ笑みを浮かべる。

−韓国へ...いつ来たんですか?僕が会おうっていったから、本当に来たんだね?元気だった?お腹は、大丈夫かい?

チョインが清州での記憶を失ってしまったと悟ったヨンジは、ショックで言葉が詰まるが、つぶやくように返事をする。

−...ええ、先生...

ソヌが何かを思いついたように二人の会話に割り込む。

−チョイン、中国でお前が拉致されたかもしれないと知らせてくれたのが誰だと思う?ヨンジさんだ

−本当?ヨンジさんが僕が拉致されたことどうして知ってるの?

−それは、それはですね...先生...

言葉に詰まり、何故今そのことを伝えるのかと言いたい表情でソヌを見るヨンジ。

−こうして無事で戻ったんだ、そんなことに何の関係が?久しぶりに二人が再会したんだ、昼食でもおごろうか?

−O.K.! 早く行こう!
 

【チョイン、ソヌ、ヨンジ 食事に】

チョインが自分との思い出を全て忘れてしまったと思い込んだままのヨンジは、チョインと同席しながらも戸惑い続け、寂しい気持ちに包まれていた。無口なままのヨンジに立て続けに質問するソヌに対し、チョインはおじさんみたいに詮索するなとソヌの言葉を遮ろうとする。そんなソヌの質問に真摯に答えるヨンジは、昼夜を問わず働いている事情を正直に話す。ソヌは自分の病院で中国語を使える人が役に立つはずだと、ヨンジにポソン病院で働くことを勧めるが、ヨンジはすぐには答えは出さない。別れ際、チョインが明るくヨンジに声をかける。

−ヨンジさん、病院で働くこと、考えてみてね。分かった?

チョインの表情には、すでにオ・ガンホだった頃の面影が消えていた。ヨンジはチョインの後ろ姿を見送りながら、心の中で別れを告げる。

−先生、先生が無事で本当に良かった。先生のお兄さんを疑ってしまい、ごめんなさい...先生の背広姿がみられて、嬉しいです。先生の医者としての姿もとても良く似合っていますね...先生、私はもうここには来ません...だから先生も清州での記憶を全部忘れて、今みたいに明るく笑って、幸せに暮らしてください...

その頃チョインはガラスの窓越しに、ヨンジが歩く姿を見つめていた。

−ヨンジさん...ごめん...こんなふうにしか、見送ることができなくて...

チョインは、近くでソヌがチョインの様子をうかがっていることに気づかないまま、その場を後にする。

【ソヨンの家へ】

その夜、ソヨンから受け取ったメールを読み、ソヨンの元へ向かうチョインだったが、ソヨンの家で、思いがけない光景を目にしてしまい、激しい衝撃を受ける。

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