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「カインとアベル」韓国版DVD
韓国語・英語字幕付

 
 




カインとアベル 第5話
 



사진속 그 사람도... 그렇게 환하게 웃던 그 사람도
サジンソク クサラムド  クロッケ ファナゲ ウットン クサラムド

 이런 상처가 있었을까요?
イロン サンチョガ イッソッスルカヨ


イ・チョイン:写真の中のあの人にも...あんなふうに明るく笑うあの人にも
こんな傷があるのでしょうか?
 



ソヌは中国でチョインを探しながら心臓発作を起こし倒れてしまったソヨンが運び込まれた病院で、何気なく視線を移したTV画面にチョインに似た男性が映し出されているのに気 がつくが、あまりの風貌の違いに“まさか”という表情を浮かべる。そんなソヌに韓国病院からの電話が入り、CTとMRI検査の結果が医師によって知らされる。7年前と同じ部位に腫瘍ができたこと、そして 腫瘍は悪性である可能性が高いため一時も早く病院に来て欲しいとの診断を聞いたソヌは愕然とした表情でその場に立ちつくす。

その頃、麻薬取引のため麻雀荘へ姿を現したカンチョルとチョインは、その場に潜んでいた北朝鮮の防衛部隊に追われることになる。チョインは激しい追撃に 転倒するが、カンチョルの助けもあり、二人は疾走しながらモーターボートに飛び乗る。追手が迫る中、ボートから飛び降り、カンチョルとは別の道を逃げたチョインは、裏通りに貼られた張り紙に目を奪われる。そこには自分にそっくりの男性の、明るい笑顔の写真があった。時が止まったように張り紙に見入るチョインに、追手が迫ってきたところへ、カンチョルが助けに現れると、ぼんやりとうつろな目で一点を見つめていたチョインが自分の声に全く気付か ないことに驚く。狙われたチョインを助けようと飛び出したカンチョルは肩に銃弾を受けてしまう。

我に返ったチョインにカンチョルは一体何に見入っていて声が聞こえなかったのかと尋ねるが、チョインは黙ったまま路地に貼られた張り紙をじっと見つめる。カンチョルはチョインの目線の先にある張り紙に気付くと、そこには目の前にいるチョインとそっくりな男性の笑顔があった。

言葉を失う二人の前に、北の防衛部隊が現れ、銃を突き付ける。そこへ中国の公安(警察)がやってくると、北の防衛部隊は逮捕状を見せ 権利を主張するが、結局二人は中国の公安に連行されてしまう。二人を乗せた車は、偶然ソヌが歩いている場所を、互いが気づかぬまま通り過ぎていく。

ソヌが向かったのは、路地に熱心に張り紙を貼り続けているソヨンの元だった。詳しい事情を話せないままただ韓国へ戻ると話すソヌに、ソヨンは2ヶ月しか経っていないのにもう嫌気がさして他の人に任せようとするのかとソヌを責める。ただ確認しなければならない事があるとしか言えないソヌに、ソヨンはあなたが自分のことしか考えない人だということを少し忘れていたと冷たく言い、“さようなら”と背を向ける。

その頃、密航船の中で息をひそめていたヨンジは、船員に襲われそうになり、海へと飛び込む。海の中でチョインの幻影を見るヨンジだった。

公安に身柄を拘束されたチョインと怪我を負った状態のカンチョルは、手足を縛られ、車の荷台に乗せられていた。真っ暗な山道を進む車の行き先に不安感を抱くチョイン。

−私たちは...どこへ向かっているのですか?

−おそらく軍の収容所だろう。脱北者が北へ送られる前にそこへ先に送られると聞いた記憶がある。

−隊長、(自分の胸の傷を見せるチョイン)この傷...初めからありましたか?...私を助けて下さったとき、その時からありましたか?

−ああ、そうだ...

−写真の中の人にも...あんなふうに明るく笑うあの人にも...こんな傷があるのでしょうか...あれは私でしたか?でなければ、私に似た人でしょうか?

−記憶が戻るのが怖いのか?だから北朝鮮の人間ではないことを言わないのか?

−...分かりません...私が誰で...何をどうすればいいのか...分からない...何一つ...

収容所に着いた二人には、想像を超える厳しい試練が待ち受けていた。銃創のために体力が徐々に衰えるカンチョルを、チョインは必死に守り続ける。

一方、海に落ちたヨンジは、同郷のチノに助けられ、一命を取り留めていた。目覚めた場所は韓国であることに気付いたヨンジは、チノと無事に韓国に着いた喜びをかみしめる。

収容所内で意識を失っていたカンチョルがようやく目を覚ますと、そこにチョインの姿が見えず、近くにいる老人にチョインの居場所を尋ねる。老人の話から、収容所に北の軍人が入る度、中国公安が格闘させること、そしてチョインがカンチョルの代わりに格闘していること知る。勝ったらカンチョルの治療をしてくれと頼んでいたことも知り、所内の騒然とした様子にチョインに迫る危険を感じたカンチョルは、一瞬のすきを見て牢を逃げ出し、格闘するチョインの元へ駆け寄る。

カンチョルが目にしたチョインの姿は、悲痛そのものだった。巨体の男を相手にふらふらとよろめきながら格闘するチョインの顔は、すでに腫れ上がり、ところどころから血が流れていた。チョインの姿を見ていられないカンチョルは、チョインを救おうと騒ぎを起こす様子に、チョインが“やめてください!私が望んだことです!”と叫ぶ。いつまでも自分ばかり救われてばかりでは生きているとは言えないと主張するチョインの気持ちを受け入れたカンチョルは、勝つための方法を小声でチョインに囁くと、チョインの無事を願いながら二人の戦いを黙って見守ることを決心する。カンチョルの助言通りに動いたチョインが相手の男を倒した途端、公安らが駆け寄り、二人に暴行を加える。怪我を追った上にさらに暴力で押さえつけられた二人は、意識がもうろうとした状態のまま独房へ閉じ込められてしまう。

その頃、チョインの消息の情報を得たソヨンから連絡を受けたソヌが、ふたたび中国へと向かう。ソヌの到着を待つソヨンは、チョンミンから7年前連絡が途絶えた時、ソヌが重い病気だったことを聞かされていたため、穏やかな表情でソヌを迎える。口元に微笑みを浮かべながら、ソヌに“もう体は大丈夫なのね?”と尋ねるソヨン。再発を隠し、“もし、あの時、戻っていたら、戻って話していたら...”とソヨンに問いかけるソヌだったが、ソヨンに過ぎた話は互いを傷つけあうからやめましょうと遮られてしまう。チョインさえ戻れば、とつぶやくソヨンを寂しそうに見つめるソヌ。そんなソヌの携帯に、母からの電話が入る。チョインを探すなという母の言葉に耳を疑うソヌだったが、チョインが戻ると脳医学センターが水の泡だと叫ぶ母の様子に眉をひそめる。母の送ったファックスに目を通したソヌは、父の書いた“医学センター設立用地の所有権及び全ての権利を息子イ・チョインに譲渡する”の文字を見て、顔色が失せていく。

脱北者収容所へ向かったソヌとソヨンは、外交部職員によって中へと案内され、収監されている人物らの中にチョインの姿を探し求める。独房を除いた全ての場所を見回ったソヨンは、チョインの姿が無かったことで失望し、落胆のあまり再び倒れてしまう。ソヨンを支え、抱き上げたソヌは、医務室へソヨンを寝かせると、次に独房へと向かう。

小窓を開き、中を一室一室確認するソヌの目に、どこかで見覚えのある背中が目に入る。厳重にかぎがかけられた重い扉を開け、中へ入るソヌ。怪我を負い、ぐったりと倒れたままのチョインに近づくソヌは、その顔を確認し、息が止まりそうになる。チョインだった。さまざまな葛藤が押し寄せたソヌが、動揺を抑えたまま立ち上がり、チョインに背を向けた途端、意識を失っていたとばかり思っていたチョインがソヌの首を締め付け、胸元からペンを取出し、ソヌの首元につきつける。


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