カンチョルの見つめる1枚の写真に視線を移すチョイン。
チョイン:ご家族ですか?
カンチョル:妹だ。私にとっての唯一の血縁だ。綺麗だろう?
写真を手渡され、カンチョルの隣に映る女性(オ・ヨンジ)を見つめるチョイン。
チョイン:ええ、美しいですね。
カンチョル:綺麗だよな...花ような、星のような子だ。この子のために北を出た...新しい世の中を見せてあげたかった...
チョインが寂しそうな表情を浮かべる様子に気づいたカンチョル。
カンチョル:心配するな。探して見せる...お前の愛する人たちも、お前の記憶も...
チョイン:...ありがとうございます...
カンチョル:何がだ?
チョイン:私を、救ってくださって...
カンチョル:北を脱出した時、共に逃げ出した
従兄弟が、私のかわりに撃たれてしまった。その手を離すわけにはいかない...前に、お前の手が、お前を助けるだろうと言ったよな?砂漠でお前の手を掴んだとき、その従兄弟の顔が浮かんだよ。
〜回想〜
砂漠の中で倒れているチョインを見つけたカンチョルらは、その男はすでに命がないと思い、その場を去ろうとする。歩き始めたカンチョルの足を、チョインの手がしっかりと掴む。
〜回想ここまで〜
チョインに拳銃を手渡すカンチョル。
−取引には常に命が担保になるだろう。おそらく、明日が最大の山場だ。...もうこれ以上、誰も失いたくはない。必ず守れ、お前の命。...そして、記憶が戻るまで、俺の弟になってくれるか?
涙を浮かべてカンチョルの言葉に頷くチョイン。
−そうか...これからは、オ・ガンホと呼ぶぞ。
−オ・ガンホ...