"Chuno" Premium DVD


韓国ドラマ"推奴/チュノ"プレミアムDVD(韓国版)特典映像  できなかった話
 


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チャン・ヒョクとオ・ジホの共演による話題の時代劇ドラマ【韓国ドラマ】チャン・ヒョク、オ・...

 

 






 


推奴プレミアムDVD disc9 特典映像 

【못다한 이야기】
=できなかった話(裏話)/監督スペシャルインタビュー
 


韓国ドラマ 推奴(チュノ)DVD (9Disc)



Special interview
クァク・ジョンファン監督


Q.
チュノを始めた当時の心情と、成功要因は?

本当に切実でした。私が撮影監督と助演監督、他の全てのスタッフも、そしてチャン・ヒョクさん、オ・ジホさん、イ・ダヘさん、皆、切実でした。「チュノ」はこうして集まった我々が、何が何でも成功させなければならないプロジェクトでした。なぜかといえば、我々それぞれが、まさにドラマの中のテギルとテハとオンニョンと他の人物たちであり、それぞれが心の中に願望を抱いていたからです。

私は前に演出した作品「漢城別曲−正」が幸い視聴者の反応が良かったため、次回作はもしかすると前作を越えることができないかもしれないという危機感があった状態でもあり、撮影監督もとても長い期間、先輩の撮影監督の下でサブ監督をされてきた状態で、メイン撮影監督として自分の代表作品をひとつは残さなければならないという切実な状態でした。そして皆さんご存知の通り、演技者の皆さんも、今度こそ自分がメインとして重要な役柄をやり遂げた代表作をひとつ残さなければという状態でした。実は「チュノ」の企画がスタートした時、このような状況に置かれた方々がよくぞ集まったと感じましたし、それが力になり、「チュノ」を大ヒット作として作り上げたもっとも大きな根幹であると思いますね。
 

Q.チョン・ソンイル作家との“運命的”な縁

はじめは知人を通じて、とても面白い作品の台本が評価されずに放送界をさまよっているとの噂を聞きました。それで紹介してくださった方のお話は、他の誰でもなく、クァク・ジョンファン監督が演出するのがピッタリだろうとおっしゃいました。それで密かに知人を通じてお願いして読ませてもらったんですが、本当に面白かったです。アクションや追撃だけでなく、街で生きる味わいのある民の姿を描いてあり、おどけてみたり、ユーモアがあったり、こんな事柄が、とても愉快に描かれていたので、これは本当に撮ってみたいと思いました。そこで自然に挨拶を交わし、実は台本を見せていただいたのですがとても面白かったですと、演出させてもらいたいと伝えました。ところが非常に冷たい反応をされたんです。数日後、チョン・ソンイル作家から連絡がありました。“あなたとは一緒に仕事はできない。視聴者たちが「チュノ」を見たら、「漢城別曲2」だと思うかもしれない。自分が「漢城別曲」を見て真似をしたとの悪評を受ける“と、冗談を交えておっしゃいました。その意味が、実はチョン・ソンイル作家は「チュノ」を通じてお見せしよう、描こうとした、ある意味問題意識であるとか、主題意識が、「漢城別曲」を通じて私がお見せしようとしたことと一致したということだったんです。チョン作家と私はそんな点からも最初から相性がピッタリです(笑)。それでこれは縁だなと思いました。


Q.
企画初期段階と話の構成で違った点は?

決定的な一番の差異は、ワンソンとチェ将軍が生き残る部分です。ワンソンとチェ将軍は殺されることになっていて、そして15話、16話で、刀で斬られる場面を描こうと話していました。話が進む中で、ワンソンとチェ将軍とテギルとのつながりがとても良かったんです、作業を続けていく中で。そこでワンソンとチェ将軍が死んでしまった後、テギルが一人残る姿を描こうとしました。(中略)そして何よりも当初撮影を始めた頃よりも、徐々に「チュノ」を撮影する過程で、チョン作家も私も、“希望”を少しずつ求めるようになっていきました。ですから希望を抱けるようなメッセージを視聴者の皆さんに届けることのできる多くの方法を追加していき、チェ将軍とワンソンが生き残るために、テギルがその代価を払うように、チェ将軍とワンソンが幸せな姿で畑を耕しながら生きていく二人の生きる姿が希望となるよう描きました。

Q.チェ将軍とワンソンのエンディングカット秘話

本編の中に入れようとしたシーンでしたが、時間的に問題があり、編集しながら、どうにかして放送したかったので、お見せする方法は何があるだろうと悩んだ挙句、最後の24話エンディングとして驚かせようと計算しました。ビックリプレゼントを用意したのに、このシーンまで見なかった方がずいぶん多かったらしく、これに私がビックリしました(笑)。後で紹介された記事を読むなどして情報を得た方にも楽しんで頂けたようで、良かったと思います。

Q.テギルの矢 エンディングカット秘話

この点についてもとても面白いエピソードがありまして、当初はテギルが船に乗り待つシーンが、特別な印象がなく、寂しいのではないかと気になって、アドリブでテギルと私とで話しながら何かを設定しようということから始まりました。そこでテギルが“このシーンはこうしてくれたら嬉しい”と提案してきて、試しているうちにどんどんこの場面が長くなりまして(笑)、最後にテギルが“太陽に向かって矢を射るのはどうか”と。場面としてはカッコイイと思いましたが、設定を続けてみたらすごく長くなってしまって、編集してみて仕方なく削除しなければならない状態でした。この矢のシーンが非常に惜しかったです。それでもウンシルとチョボクのエンディングシーンの後、テギルが太陽に向かって最後に矢を、音の入らない状態で、水に揺られる船の音と、太陽を見つめながらテギルが弓矢を引く仕草をし、“ピュー!タンッ!”まさにこの音声だけが入ったシーンが映った時、凄くカッコイイけれど、ウンシルとチョボクのエンディングシーンの方が、“もしかして”という印象を見せられるかなと、最後の最後まで熟考しました。結果的には、このように放送され、その選択は正しかったと思います。放送が終わった後、私に多くの方が話してくださる中でも、恐らく一番触れてくださるのが、このエンディングであるテギルの矢を射る場面だと思います。

Q.キスシーンに対する抗弁

台本にはありませんでしたが、テハとヘウォンの初めてのキスの場面は、私が追加して撮影しました。ですがその場面が放送されて数多くの視聴者から叱咤を受けることになりました。これがもっとも残念だったことの中のひとつが、チェジュ島でのキスシーンに対し視聴者の皆様から良くなかったという意見をもらったことで、これに対してとても残念でなりませんが(笑)、演出者である私がこの場を借りて弁明をさせてもらうと、実は台本を読んだとき、テハとヘウォンの感情の流れの中で、もっとも大きな問題となるのは、13話で婚礼を挙げることになるまで、決定的に婚礼をすることになるほど互いが近づくことのできる決定的な契機がありませんでした。そこで13話で結婚することになるには、10話で決定的なきっかけを作らなければならなかったのです。その瞬間に、私が直感的にキスシーンを追加して撮影することにしました。その点については演技者たちも不安があったようで、“キスしてもいいでしょうか?少し急ぎすぎではありませんか?”と。視聴者の皆さんや演技者、そして作家が皆同じ一致した考えをお持ちだったようですが、演出者の立場では、今までの経緯と過去から現在までのストーリーは見せすぎてはいけないというのがあります。もちろん感情の流れの中で、互いが、テハとヘウォンが近づいていく感情の段階が、キスするには早すぎるというのは確かにありました。多くの視聴者の皆様はこれについて指摘してくださいましたし、確かにその通りではありますが、私の考えは、激情的に惹かれあう恋愛感情というものを、どうしようもない状態で、逆らえないような、運命的な感情のように突然二人が陥ったことをお伝えできると信じました。ですから王孫を救わなければならない緊急事態でしたが(笑)、そこで待っていたヘウォンを見つめるテハの眼差しから、近づいて、突然抱きしめて初めてのキスをするというそのシーンを演出しました。私から見て本当に美しく撮れていて大好きなシーンなのですが(うつむいて少し苦笑いをしながら)皆様もう一度ご覧ください。そんな恋愛の流れに対して私が言いたかったことをどうかご理解いただいて、お許しくださることを願います(笑)。


Q.
チョボクとオッポクのキスシーンを通じて完成した“奴婢”の文字

当初から意図していたことでしたし、そしてここで奴婢の文字が作られることも台本に書かれていました。このほかに2度ありますね。始めはテギルに捕まったオッポクが、両班から殴られるとき、チョボクが切なそうに見つめる場面があります。逃亡して捕らえられ、“奴”の文字を刻印されたオッポクと、オッポクを見つめながら胸を痛めるチョボクが始めて同時に登場する場面で、各自別々に映る場面ではありますが、“奴”の字と“婢”の字を共にお見せした場面でした。そしてチョボクが“奴婢団”の存在を知り、奴婢グループに捕らわれ、オッポクが助けてやろうと言ったその瞬間が、お互いがお互いを見つめて、オッポクとチョボクがお互いの存在を意識しながら見つめ合い、二人の運命が果たしてこの先どうなっていくのかを初めてお見せした緊張感溢れる場面で、ここで“奴婢”の字を見せようと。そして23話のエンディングの二人の初めてのキスシーンでそれぞれの字が一緒になったわけです。これは一話から計算していた場面でしたね。

Q.キャスティングの秘話

オッポクがチョン・ジホになるはずでした。コン・ヒョンジンさんがチョン・ジホ役をするはずだったんです。しかし結果的にはコン・ヒョンジンさんがオッポクを演じることになって本当に良かったと思います。ソン・ドンヘさんがチョン・ジホを演じることになったことも本当に良かったと思います。このお二人は互いに役柄を入れ替えてみたりしました。ソン・ドンヘさんにオッポクを頼むとすると(笑)恐らく完全に別の味わいのあるキャラクターができあがるはずです。ドラマ演出をしながら、よしやった!と手を合わせられる感覚はそういった点です。俳優が他にどんな役柄を演じたとしても、「チュノ」でだけ見せることのできたその味わいが残るということでしょうか。その味わいを出すために、決定過程で演出する側が何かを引き出す手伝いをしますね。定着させるまで、演出者としてやりがいもありますし、結果的にキャラクターたちが輝き、視聴者が感動し、演技者も嬉しいはずです。「チュノ」でチョン・ジホ役を演じたことをソン・ドンヘさんが喜んでくれました。「チュノ」でオッポク役を演じたコン・ヒョンジンさんも一生忘れることのできないと言ってくれました。だから上手くいきましたね。もちろん、視聴者の皆さんが良い評価をしてくださることにもやりがいを感じます。

Q.チュノ登場人物中 もっとも共感を抱き、愛着を感じる登場人物は?

私たちの真の主人公はオッポクだといえます。初めから考えていましたが、オッポクは序盤それほど登場が多くない役柄ですが、チョン作家とも意見があっていたために、演出家として最も注意を払わなければならないことのひとつが、視聴者がオッポクに対して関心と愛情を切ることがないように留意し、終盤まで緊張感を維持しつつ成功させなければならないという思いがありました。もちろんテギルやヘウォンやテハ、この三人に対しては私があえて演出しなくても、当然多くの視聴者の皆様が主人公としてご覧くださり、その三人の姿に多くのものを感じて愛してくれると思いました。ただオッポクに対してはそうではありません。例をあげると、中盤に“オッポクとチョボクがどうしてこうしきりに出てくるのか分からない。しょっちゅう出てきて見つめ合って手を握り締めて夜の道を歩くのか?”そんな反応を耳にするたびひどく緊張しましたね。最後にオッポクがチョボクに初めてキスしたとき、“奴婢”という二つの文字が一つになったとき、そのキスを見て、“私たちの主人公たちのキスは素敵だった”という温かい視聴者の声が聞こえてきたとき、その時本当に涙が出ました。

そしてはずすことのできないのはファン・チョルンでしょうね。ファン・チョルンという存在は、別の見方をするとドラマの中ではもっとも強烈なキャラクターです。冷酷に、残忍に、天敵を倒すために生きる姿は、視聴率を引っ張るためのカリスマは、実は現実的ではありません。ですが、現代社会を生きる人々の心理には、誰もがファン・チョルンと同じような部分があります。 他のどのドラマよりもずっと残忍で非情にならざるを得ないのは、現実社会で競争に駆り立てられる状態で、ある無力な弱い存在の個人たちの心の中に存在しうるもう一人の自分の姿だと考えたからです。ファン・チョルンが抱く劣等感や敗北意識、強迫観念、そんなものに自ら打ち勝つことができないために、それらを克服するための切迫感、それにより冷酷にならざるを得ない非人間的な姿、心では理解できます。どうにかしてその競争を生き残らなければならないために、自分の存在感を維持しなければならず、良心がとがめる瞬間もありますが、弁明をしてでも勝ち残りたいという強い姿がファン・チョルンにあると思います。ですからドラマにメッセージを含めようという演出者の立場としては、この二人の姿がこういうわけで大切でした。この二人を、何としてでも大切に描きたかったのです。

Q.登場人物たちの死に対する考察

このような指摘を多く受けました。なぜ登場人物を死なせるのか、と。私たちが生きるこの社会で、私たちの現実の中で、ドラマの中で登場人物の死を迎える瞬間よりも、はるかに非情で残忍で非人間的な現実を多く目にします。ドラマが誇張しているのではなく、私たちの現実的な時代性を表現しようとしてみたら、非人間的で、残忍な現実が反復されているのではないでしょうか。好きでそうしているのではなく、私たちの現実はこうであるという点に対して、それが嫌なら、なぜこうすることしかできないのか、という事に対する苦悩がひっきりなしに襲ってきますし、正しくない現実ならば、正しくない現実に対して、ならばそれを正しく導くには何か方法を探さなければならないのではないか、ということを表現したかったのです。視聴者の皆さんと共に。

Q.テギルの死の意味

一般的には主人公の死に対して、主人公の感情に従うと考えていました。ですが、「チュノ」の場合は、テギルの死はテギルの死ではなかったために、テギルが捕らえてきたオッポクが救ったチョボクがチャッキの村に行き出会ったウンシルと、太陽を見つめながら、私たちの後世に対しての希望を残すのですが、そのウンシルはテギルが救った子でした。もう一度テギルとオッポクを会わせるべきかとチョン作家とも熟考しましたが、会わないほうが、はるかにインパクトがあると考えました。誰もがこの社会のどこかで、テギルのような役割を担っているはずだと、誰もがこの社会のどこかで、オッポクのようなチョボクのような、ウンシルのような姿で、誰かを愛しているはずだと。私たちが直接出会い確認することができなくても、そんな関係の中で私たちの社会は成り立っているし、この社会がいくら残忍で、非情な現実がひっきりなしに見えてくるけれども、不屈の精神を持てば希望はあるという、そんな話を、そのメッセージを誰も気がつかないような、ただソルファだけが見守る渓谷で倒れるテギルの死が、現代を生きる数多くの私たちに対して、メッセージを伝えています。ですから私はテギルの死は、残念であるとか、悲しいという気持ちでは見ませんでした。テギルの死と同じような、そんな役割をどこかで担っていらっしゃる誰かを思いながら、私は心が温まりますね。そう見るとテギルもきっと幸せなはずです。最後の瞬間、太陽に向かって矢を射る純粋な姿が、とても温かく感じられます。

※誤り、聞き逃し等がないよう、注意深く何度も聞き取って訳していますが、間違いがあると大変ですので、無断での複写、転載はくれぐれもご勘弁ください。
 

 

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