ナニ:私に兵判宅の嫁になれというお話ですか?
セウク:
そういう意味ではない...お前も婚期が満ちたことだし、それほど悪い話ではないだろうから、考えておきなさい
ナニ:お父様...
セウク:話してみなさい
〜セウクとナニの元へお茶を運ぶチェオクの映像が入る〜
:::監督版DVDのみの収録シーン ここから:::
ナニ:12歳で母と別れ、兄の家族までも出て行ってしまった空っぽの家で、寂しさを隠しながら生きてきました。それでも母の胸の温かさも...変わらぬ家族の庇護も...なにひとつ
足りなかった記憶はありません。威勢を奮い、お腹一杯食べられたからではありません。私の師であるお父様がいらっしゃり、その志に従うことができたからです。今になって私に、
暗い主婦部屋に座り、ただお腹を一杯に満たすだけの人生を過ごせと、そう仰るのですか?チョン・ピルジュン大監が朝廷での南人
派の権力者だということは幼子でも知っています。そんな方がお父様と親戚になれば、我が家にとって大きな後見人となるでしょう。しかしチョン・ピルジュン大監もまたこのことによって後ろ盾を得ると存じています。お父様を南人
派勢力へと引き込み、西人派との対立を深め、漢城の治安に対する権力までも掌握されることになるかもしれません
セウク:それで?
ナニ:産んでくださり、育ててくださったお父様の意思に従うのが子の道理ですが、私はお父様が今のように分党に従わず、ただ民のため
だけを思う武将でいてくださることを願っています。もし私が嫁ぐとすれば、権力のある家柄より、たとえ貧しくても、お父様のような清廉な武将と出会うのが、私の望みです
セウク:お前の母さんなら、その話を聞いてどんなに喜んだだろうか...。だが私は違う。この父が50年の人生を生きてきて、天に一点も恥じることはないが、亡くなったお前の母
さんに対してだけは、顔向けができぬ。貧しい武将に出会い、一生を病に苦しめられ穏やかであるはずがない...
ナニ:お父様...息を引き取られる瞬間も、お母様はお父様と一緒に生きてこられたことを誇りに思っていらっしゃいました。たとえ貧しかったとしても、お母様は誰より幸せだったことでしょう。私も良く存じているとおり、お父様を恨んでいらした記憶はひとつもございません
セウク:私欲のためにお前を嫁がせるつもりは全くないが、お前の母さんのように苦労しないでくれたらというのが、この父の心情だ...
ナニ:飢えを知らぬ者が、どうして飢えた民を救うことができましょう?お父様も、自分が飢える事を気にするのではなく、民
の飢えを心配することが大切だと仰いませんでしたか?
:::監督版DVDのみの収録シーン ここまで:::
セウク:ハッハッハ...分かった。両班の家であれば、私はお前の選択に対して決して口出しはせん。
ナニ:出自の差別もなさらないで頂けたらと思います...
セウク:心を寄せる人がいるのか?...もしやファンボ従事官なのか?
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