茶母 韓国版第12話 あらすじ
ソンベク(キム・ミンジュン):初めてお前を見たとき 剣を捨てたいと思った처음 너를 봄 순간 칼을 버리고 싶어졌다.
チョウム ノルル ボム スンガン カルル ボリゴ シッポジョッタ
お前に心を奪われていくにつれ 少しずつ怖くなった 恨めしかった
너에게 마음을 잃을 수록 점점 겁이 났다... 원망스러웠다..
ノエゲ マウムル イルスロク チョムチョム ゴビナッタ ウォンマンスロウォッタ
いつかお前に剣を向けねばならないことが
언젠가 너에게 칼끝을 겨누어야 한다는것이.
オンジェンガ ノエゲ カルクドゥル ギョヌオヤ ハンダヌンゴッシ
初めて、初めて 剣を捨て平凡になりたいと思った
처음으로... 처음으로 칼을 놓고 평범해지고 싶었다.
チョウムロ チョウムロ カルル ノッコ ピョンボンヘジゴ シッポッタ洞窟の中、徐々に力を失うソンベクがチェオクへの想いを初めて言葉にする。
チェオクとの出会いで、1人の人間として平凡に暮らしたいと願うソンベクの切ない想いが溢れ出る場面
【山中】
チェオクとソンベクの消息が全く掴めないユンは次第に焦りと不安に襲われていた。苛立つユンの様子を目の当たりにしたウォネは“チェオクへの執着にしか見えない”と、ユンに疑問をぶつける。執着しているのは謀反に対してであるとのユンの言葉を聞いてもウォネの気持ちは収まらず、チェオクに対する半分でも部下を思いやって欲しいと訴えるのだった。そこへ海州(ヘジュ)の役所のヤン判官が兵を率いて現れ、今後の捜査は任せて欲しいとユンら左捕盗庁の官軍には引き上げるように指示をだす。どうしてもその場を離れることができないという強い意志を示すユン。ヤン判官らの指示通り動くことを条件に官軍も捜査を継続することになる。捜査の続行に反対するウォネにユンは捕盗庁へ戻るようにと話す。ショックを受けたウォネはチュワンの制止も聞かずに1人その場を去ろうとするが、ヤン判官らの到着が早すぎることに疑問を抱いたチュワンはウォネに海州へ調査に行くよう指示を出す。
【洞窟】
出口を探していたチェオクは水場を発見し、布に水を浸しソンベクの元へと戻っていった。憔悴し唇の乾ききったソンベクの口元へ浸してきた布から水を含ませるチェオク。傷口の化膿が悪化し始めたソンベクはチェオクに水場に連れて行って欲しいと話す。チェオクはそんなソンベクを抱き上げ水場へと誘導し、ソンベクの傷口に水をかけ必死で手助けをしていた。敵同士であることなど、忘れているかのように...。
【王宮】
世子妃を迎える前の国王は進展を見ない捜査の状況に苛立っていた。セウクから、チョン・ピルジュンが謀反に関わる人物かも知れないと聞かされた国王は驚いた表情でセウクへとピルジュンからの手紙を手渡す。そこには自分は職位を捨てても構わないが、国王は実利を捨てるべきではなく、倭館の管理を信頼できるセウクに任せて欲しいと書かれていた。国の実益のために職位まで捨てようとするピルジュンと、そのピルジュンを謀反に関わるものだというセウク、誰を信じればよいのかと国王は混乱していた。
セウクは出口の見えない状況の中、誰も部屋へ通さずに、1人夜通し酒を飲み続けた。謀反の一味と知りながら部下として傍に置いているチャン武官から娘のナニへとセウクの様子が知らされ、ナニが様子を心配してやってくるがセウクは娘にさえも会おうとはしな い。
【山中】
チェオクとソンベクが見つからないことに苛立つのはトクスら山の砦の仲間にとっても同じだった。ソンベクの行方がつかめずにいる間も落ち着いた様子のタルピョンを責めるトクスだが、タルピョンは山の砦の民たちをコマの1つとしか考えていないため、トクスに対し、納得のいく返事など返すはずもなかった。不信感と焦燥感が募るが仲間らはソンベクの無事を祈り続けていた。
一方ユンもチュワンと同じ様にヤン判官が謀反に関わっているのではとの疑いを抱き、黒幕の想像以上の大きさに恐怖を感じていた。チュワンに対し、ソンベクを捕らえるその瞬間にヤン判官らを捕らえる決意を伝え、反逆勢力を一掃することを心に誓うのだった。
【洞窟】
次第に力を失い衰弱が激しいソンベクが力ない声で革命への思いをチェオクへと話し始める。
「生まれたときから反逆を夢見る者はいない」
母がどの様に亡くなっていったかを切々と話すソンベク。生き別れた妹のことを話し始める。
「7歳の幼い妹も私の目の前で家畜のように連れて行かれた
今生きていれば20歳を過ぎているだろう
どこかの男の妻となり 子供を産んでいるとしたら
その子までもが奴隷となって....
一体何が正しく 何が間違いだというのだ
患者に治療を受けさせ
飢えたものに食べ物を与えるのは間違いか
働きもせぬ者が私腹を肥やすのが正しいというのか
新世代が来たら 剣の代わりに農具をもち
畑を耕し 妻と子供を育てる夢を見たこともあった
それがお前たちが言う反逆であり 謀反なのだ
生きたい 新世代が見たい...」
ソンベクは突然意識を失い痙攣し始める。ソンベクの急変に驚いたチェオクはソンベクの名前を大きな声で呼びかける。
「しっかりしろ! チャン・ソンベク!」
自らの着衣をソンベクにかけるとチェオクは無我夢中でソンベクを介抱した。ソンベクが胸元に大切にしまっていたオッコルムが目に留まり、何か決心したようにそのオッコルムで自分の髪を結うと、ソンベクの命を救いたい一心で冷え切ったソンベクの体を温め続けるチェオクだった。
(オッコルムを手に取るシーンから宿命Uスタート)
ようやく痙攣が収まり、ソンベクの症状が落ち着いたことに安心したチェオクは思わずソンベクの胸に顔をうずめたまま疲れ切って眠ってしまう。気が付いたソンベクは寄り添い眠るチェオクを見つめると愛しい表情で頬を寄せ、チェオクの髪を優しく撫でた。チェオクが髪に結んだオッコルムを見つけ一瞬戸惑ったソンベクだが、解くことなく穏やかな笑顔でチェオクを見つめ続けていた。
(チェオクが目を覚ますまで 宿命U)
チェオクは目を覚ますと驚いたようにソンベクから身を離しいきなり立ち上がると少し離れた場所へと身を隠した。動揺するチェオクにソンベクが穏やかに話し始める。
「お前と山の砦で過ごしたとき
生きることがあれほど幸せなことはなかった
剣を手にしてから
世の中への怒りだけで生きてきた
何者も怖くなかった
初めてお前を見たとき
剣を捨てたいと思った
お前に心を奪われていくにつれ
少しずつ怖くなった 恨めしかった...
いつかお前に剣を向けなければならぬことが
初めて 初めて 剣を捨て平凡になりたいと思った」(悲歌instスタート)
ソンベクの話に答え始めたチェオクが突然短い叫び声を上げる。チェオクの身に何か
起こったことを察知したソンベクは力を振り絞りチェオクの元へ這っていくと、チェオクが毒虫に噛まれた事に気付く。ちょうどそのときチェオクとソンベクを捜索していたユンは、とうとう洞穴に気づきチェオクの名を呼ぶ。
「誰かいるのか!チェオク!チェオク、いるのか!チェオク!」
ユンの声に気づいたソンベクはチェオクに早く答えるよう話すが、チェオクはなかなか答えようとしなかった。ソンベクはチェオクだけでも助けようと声を上げようとするとチェオクは突然ソンベクの口を自分の手で塞いでしまう。
(悲歌ヴォーカルスタート)
ソンベクが殺されるのを恐れたチェオクはどうしてもユンの呼びかけに答えることができなかったのだ。
ユンが去るとソンベクは毒虫にかまれたチェオクの治療を始める。自分の口に傷があることも忘れ、無我夢中で毒を吸い出す出すソンベク。
ソンベクとチェオクはひどく憔悴し、寒さに震えながら寄り添っていた。
「どうして答えなかった お前だけでも助かったのに」
「お前ならどうしていた 体が先にそう動いただけだ」
チェオクを救おうとしたソンベクのように、チェオクもまた考える余裕もなく、ただ心の赴くままに動いた結果だった。
目を覚ましたチェオクがソンベクの異変に気が付くまでそう時間はかからなかった。ソンベクに毒が回っていること、それはチェオクがソンベクの頬を叩いたときに出来た傷から入ってしまったことに気が付き、チェオクは愕然とする。
「名は何と言う...
お前のせいではない
お前を置いて 先に行く すまない...
...愛している..
生まれ変わっても 二度と、二度と 会わぬことにしよう
名は...」
ソンベクの言葉を胸の張り裂けそうな想いで聞いていたチェオクだが、次の瞬間ソンベクが突然意識を失ってしまう。名前を呼びソンベクの体を抱くチェオクに、ソンベクは最後の力を振り絞り手にしっかりと握り締めていた土をチェオクに手渡す。チェオクが眠っている間、チェオクの命を救いたい一心で自分の命の危険も省みず出口となりそうな場所を探し求め、ようやく見つけた場所から持ち帰った土だった。ソンベクが手渡した湿った土を握り締め、チェオクはとうとう出口につながる場所にたどり着く。
「チェオク...チェヒ....チャン・チェヒ
それが私の名前よ
一緒に出られたのに どうして諦めたの」
この瞬間は自分がチェヒとして生まれたことを恥じることなくソンベクから問いかけられたことに1人出口の前で泣きながら自分の名前をつぶやくチェオクだった。
ソンベクの元へ戻ったチェオクは気を失い瀕死の状態のソンベクの頬に手をあてると
今まで言葉にできなかったソンベクへの想いが溢れ出す。
「目を開けて...
新しい世の中が見たいって言ったじゃない
一緒に暮らしたいって言ったじゃない私 まだ何も答えていないのに
私も....あなた愛してるって....
お願い 目を開けて お願い
一緒に出よう
一緒に暮らそう
死なないで だめよ 死なないで!」
【山中】
ヤン判官はユンら官軍に気づかれていることを察知したのか突然捜索を中断し、山を急いで後にする。様子を全て伺っていたユンたち官軍は先回りし川を挟みヤン判官らの前に立ち塞がる。ユンらが官軍が剣を抜いた瞬間、チェオクが意識のないソンベクと共に突然現れる。ソンベクを捕らえた官軍の兵士がソンベクの首に剣を突きつける様子を見たチェオクは彼をなんとか助けたいために自らヤン判官に斬り付ける
ような振りをし、ソンベクの窮地を救う。全てチェオクの行動を見ていたユンは自ら囮になりソンベクを悲しそうに見つめるチェオクの表情に愕然としていた。激しい戦いの後、チェオクを縛り上げるようチュワンに命じるユン。チェオクが何故ソンベクを救おうとしたのか、一体2人の間に何があったのか,,,。
【左捕盗庁】
一方セウクは全てに自信を失い、自害しようとするが、様子を見張っていたチャン武官が止めに入 り、さらにその場に現れた娘のナニも命がけで父を引き止めると、泣き崩れる。
【山中】
夜になりチェオクの元を訪れたユンはチェオクの縄を解き、2人はようやく向かい合う。ソンベクを愛してるのか、と静かに尋ねるユンの言葉にチェオクは静かにゆっくりと頷いた。思いがけないチェオクのソンベクへの想いに直面したユンは従事官の職をも辞し、一緒にユンの母の元へ行こうとチェオクを説得する。チェオクはスウォルに告げられた子供を持てない身になった事実ををユンに伝えるが、ユンのチェオクへの愛は変わらなかった。自分の目の前から去ろうとするチェオクを手放すことは、どう考えてもユンにはできるはずもなかった。
「お前がいてくれたら それだけでいい」
「従事官様 私もこんな自分が分かりません
奴に剣を向けるはずの私が どうしてこうなってしまったのか
もがけばもがくほど どんどん深みに嵌っていく自分が分かりません」
「チャン・ソンベクを忘れるほど遠くへ行こう
私も自分をだまさない
妾の子に戻ってもいい
百姓として生きてもいい
お前は私がいて呼吸できるのだろう
私も同じだ
お前無しでは 私が生きられないのだ」
「私の体を木陰に隠したとしても
既に離れてしまったこの心は どうして隠すことができましょうか」
長い間慕い続けてきたファンボ・ユンの将来を常に案じて生きてきたチェオクは、自分のために現在の身分やこれまでの努力や功績すべて捨てようとするユンの姿を目の当たりにし、とうとうユンとの今生での絆を切る決意でソンベクへの想いを涙ながらに伝えるのだった。