茶母 韓国版第13話 あらすじ
ファンボ・ユン(イ・ソジン):行け...私は 15年前に雨の道を歩いてきた
가거라... 난 이젠 십오년전 부르튼 발로... 빗 길을 걸어온
カゴラ ナンイジェン シボーニョンジョン プルットゥン パロ ピッキルル ゴロオン
7歳の女の子だけを覚えておく
일곱살짜리 그 계집아이 만을 기억하겠다...
イルゴプサルッチャリ ク ケージバイ マヌル キオッカゲッタ
チェヒと呼ばれたその女の子を 、胸にしまっておく 行け...
재희 라고 불리던 그 계집아이 만을 기억하겠다... 가거라...
チェヒラゴ プルリドゥン ク ケージバイ マヌル キオッカゲッタ カゴラ
心から愛するチェオクの心を束縛の無い世界へと促すように
とうとうチェオクを手放そうと決意したユンの胸の痛みが滲み出た言葉
一命を取り留めたソンベクは、スミョンらが見守る中ほぼ1日意識を失っていた。同じ毒虫の毒を使った針での施術を受けたソンベクは、ようやく意識を取り戻す。その場に居合わせたタルピョンは、茶母があれだけの毒を使う間何をしていたのか、正体を知りながら何故殺さなかったのかとソンベクを問い詰める。多数の仲間の命が失われたことを聞かされたソンベクはスミョンの力を借りてようやく起き上がる。ソンベクが向かった先は 、ソンベクや仲間の命を守るためにこの世を去ったカッチュルらの弔いの儀式だった。村人達がカッチュルの死を悼む様子を見て心を痛めるソンベクは、カッチュルの墓に抱きつくように伏しているカッチュルの娘の元へと歩み寄る。
「お父さんはいつ起きるの?」と問いかける幼い女の子の純粋な瞳。ソンベクは彼女を抱きしめ、悲しみと怒りとで涙が溢れ出す。
一方、チュクチは縄で縛られたチェオクが全く食べ物を口にしないことを心配し「一口だけでも食べてくださいよ」とチェオクの口元に食べ物を運ぼうとする。ところがチェオクは食べ物を口に運ぶどころか身動き1つしなかった。「きつく縛っているから食べられないんだ、もう見ていられない」とチュクチは傍で食事をしていたユンとチュワンの元に訴えに行く。「食わねば私には勝てんぞ」とのユンの冷たい態度に腹を立てたチュクチは「先に漢城へ帰ります」とユンに言い放つが「ご苦労だった」とあっさり 帰されることになってしまう。
ソンベクは自らの無謀さと性急さが招いた結果に、自分にはもう頭領としての資格はないと賊軍を離れる決心をする。去ろうとするソンベクを止めたのはスミョンだった。「私には頭領が全てです。私を連れて行くか、あるいは殺して行って下さい」このスミョンの言葉も聞き入れないソンベクに、「茶母に会いに行くのではないですか。何があったのですか。どうして断ち切れないのですか」とスミョンはたまらずにソンベクへの想いをぶつけてしまう。
その場にトクスや他の仲間達もやってきて、砦を離れようとするソンベクを必死の想いで引き止める。
「兄貴に仕えたのは
兄貴の言葉があったからです。
“罪深き命でも 使いようによっては
干ばつでひび割れた民の心の潤いの雨になれる”と。
カッチュル、そして兄弟たち、
皆、犬死だったと考えるものは一人もいません。
これから兄貴は世の雨となって
ひび割れた世の中を潤すべきです」
「既に洞窟で死んだと思ってくれ」
誰の言葉も聞き入れないソンベクにトクスはたまらず剣を突きつけるが、スミョンも剣を抜き、トクスの首へと突きつけていた。「斬れ」とのソンベクの言葉にもトクスは剣を振り下ろすことは出来なかった。そこへ村 が襲われたとの知らせが入り、ソンベクも仲間と共に村へと急ぐが、到着したときには無残な結果となっていた。幼いカッチュルの娘までが犠牲になったことに激しい怒りを抱くソンベク。これは全て頭領チャン・ソンベクを手放したくないタルピョンの仕業だった が、そうとは知らずに怒りに燃えるソンベクは再び戦いを始める決心を固め、世子妃を選ぶ日に都へ進軍することを決意する。
一方セウクはこれから自分の身に降りかかるはずの大きな危機を予感し、ナニへと父としての想いを伝えていた。これから頼るべき人は、自分ではなくファンボ従事官であると言う父セウクの様子に胸騒ぎを覚えたナニは 、セウクがチャン武官とともに出かけた後、父の部屋へと向かう。そこにはセウクが用意したファンボ・ユンへの手紙が置かれていた。
自らの心に刃を秘め、娘のナニをも騙して黒幕に会いに行くこと、討伐隊長として命を落とした息子のチオへの愛、そしてナニを任せられるのはファンボ・ユンしかいないと書かれていた。事態を知り、セウクが殺されることを恐れたナニは直ちに兵を集め、父セウクを助けに向かうのだった。
チャン武官に連れられて林の中を歩くセウク、振り返ったチャン武官の言葉「王に仕えますか 民に仕えますか」にも慌てることなく、チャン武官を謀反の一味と知ったことに驚いた表情を見せ、決して自分は謀反の水には染まらないことを告げる。
「死は怖くないが、子々孫々逆賊の家門になりかねん
大義名分があっても
革命は天の意志だけでは足りぬのだ」
「君が加わってくれれば 世の中をかえられる」
とうとうチョン・ピルジュンが姿を現し、一緒に民を癒す新しい水になって欲しい、とセウクに自分たちの軍に加わるように話す。だがセウクは断固としてその意志を曲げることはなかった。
「夜が明けるまで考える時間が欲しい」とセウクはその場を去ろうとするが、チャン武官に剣を隠し持っていたことを指摘されてしまう。そのとき、左捕盗庁の軍らがセウクを探しに現れたことの知らせが入ったことでピルジュンは怒りを露にする。2人は剣を抜くがセウクは瞬く間に大勢の兵に囲まれてしまう。チャン武官の剣に斬りつけられたセウクは倒れこみ、意識を失ってしまうのだった。
タルピョンは海州の軍との戦いを終えて森で待機していたファンボ・ユンたちを皆殺しにし、マ・チュクチの妻を捕らえてくるよう刺客カトウに指示を出す。事情を全く知らずにいるチュクチは久しぶりに妻の元へ戻りなかなか寝付けずにいたが、身重の妻に大人しくするようにと叱咤され、外に出かける。チュクチが出かけている間、カトウらが現れ、チュクチの妻は刺客に捕らえられてしまう。
ユンはチェオクの告白を思い出しながら、再びチェオクの気持ちを確かめに行く。チェオクをテントの外へ出るように話し、ユンは苦しい胸の内をチェオクに伝え始める。
「私とお前は1つだと思っていた
こんな日が...こんな日が来るとは思わなかった」
ユンは自らの剣を抜き、チェオクへと手渡す。
「斬れ 私を斬って おまえの心を見せろ
そうできるなら お前とチャン・ソンベクの縁を信じるだろう
どのみち どちらかが斬らねばならぬ」
「若様 一振りで終わらせます お許し下さい」
優しい表情で頷くユンは、チェオクを静かに見つめていた。チェオクは剣を振り上げ、自らの命を絶とうとするがユンはすぐさまチェオクの剣を握り締める。
このときタルピョンが送った刺客らの銃声が響き、一発の銃弾がユンの体を貫く。自らが怪我を負っていながら、チェオクの身を案じるユン。銃声が鳴り続ける中、チェオクは怪我を負ったユンの元へ近づこうとするが、来るな!とユンに止められる。
「行け
私はもう15年前に雨の道を歩いてきた
7歳の女の子だけを覚えておく
チェヒと呼ばれた女の子だけ胸にしまっておく 行け...」 (最後の安息所)
チェオクはこのユンの言葉に涙を流し、一人立ち上がり断腸の思いでユンの元を去るのだった。去っていくチェオクの後姿を見つめ涙に暮れるユン。
「嘘のように私の涙を消した女の子 7歳の女の子
今その子が 私から去っていく
あの子のために
何もしてあげられなかった
行け 空高く羽ばたけ
誰も 何も お前を束縛しないところへ」
ソンベクはチェオクとの洞窟での出来事を思い出していた。何故チェオクはユンの呼びかけに答えなかったのか...そんなソンベクらの元へチェオクがやってきているとは
全く気づくはずもなかった。
銃撃が失敗に終わったことを知りタルピョンは怒りが収まらない。カトウに捕らえさせたチュクチの妻に頭巾をかぶせ、チェオクであると嘘をついてソンベクに砦の皆の前で斬るよう指示する。仲間達の前で、チェオクへの想いを断ち切ることを証明させようとしたのだ。トクスやスミョンも殺された仲間や村人の無念を晴らして欲しいとソンベクに懇願する。頭巾を取ってくれと話すが聞き入れられずに躊躇していたソンベクはチェオクの肩に銃弾を受けたときの傷があることを思い出し、チェオクでないことを確認してから剣を振り下ろす。(悲歌スタート)
この一部始終を隠れて見ていたチェオクは激しい衝撃を受け、洞窟の中でのソンベクの言葉を思い出し1人涙を流す。ソンベクは自らの剣で斬ってしまった女性がチェオクでないことを知りながらも、罪の無い者の命を奪い、チェオクへの想いを断たなければならない運命を呪うかのように激しく動揺していた。
チェオクは殺された女性がチュクチの妻だと知り怒りと衝撃に震えていた。ソンベクは遺体を確認するためそっと姿を現すが、既に遺体はなかった。供養のため誰かが埋葬したのだろうと引き返そうとしたそのとき、チェオクが髪に結った妹チェヒのオッコルムを見つけ、全てのことをチェオクが見ていたことを知る。
「私はすでにお前を斬ったぞ」
こうつぶやき、チェオクとの縁を断ち切り、頭領として生きていくことを決意する。
セウクの元を訪れたユンはセウクの残した手紙を読み呆然と立ち尽くしていた。黒幕に1人立ち向かうセウクの強さと、娘の行く末を案じる切ない胸の内にその意思を継ぐことを固く心に誓うユン。
妻の行方が分からないチュクチはユンに泣きつき「妻を返してくれ 軍を総動員して俺の前に連れて来い」と取り乱す。チュクチを巻き込んでしまったことにユンとチュワンは悲しみがこみ上げ、賊軍の卑怯な手に腹を立てる。
一方ピルジュンはファンボ・ユンの動きに敏感になり、彼の存在に油断しないよう部下に話すのだった。ソンベクらは都の至るところで爆発させる計画をすすめ、その日への準備を着々と整えていた。
セウクの部屋の前で夜通し待っていたユンはセウクの容態に変化が無いことを知り責任を痛感する。ナニと話しているとき、アン録事がナニの元へやってくると、世子妃選びには来なくて良いのかと連絡があったことを伝える。心の揺れているナニを前に、ユンはナニに対して今まで愛情を持ったことがなく女性と意識したこともなかったが、今は違いますと正直な気持ちを伝える。
「やっとお嬢様に私の心の一部を差し上げられます
努力いたします。頑張ってみます」
このユンの言葉と温かいナニへの眼差しに、ナニは泣き崩れるのだった。
黒幕が誰なのか全く見当がつかずに焦っていたユンとチュワン。チュワンがふと手に取ったセウクが現場に残した剣の剣先に目を留めたユンは、何かが付着していることに気づく。その金粉が貫子の一部であることが分かると、チュワンは“だとしたら正ニ品である9人の中の1人だ”と話す。それぞれの高官の元を訪れ、貫子を注意深く見つめるユン。とうとうチョン・ピルジュンの金の貫子が切れていることに気づいたユンは、黒幕がピルジュンであると確信する。
左捕盗庁の兵を集めるユンは兵士たちに厳しい口調で話し、ピルジュンを捕らえるための準備を整える。
「今からポドチョンの者達は私の命令以外は
誰の命令も聞くな すべての責任は私が持つ
動くに置いては階級や職位を問わず
どのような邪魔や妨害にも決して屈するな」
チョン・ピルジュンを捕らえるため、軍を率いてピルジュンの元へ向かうユン。国王の命令でない限りは誰も通さぬという守兵の耳を斬り落としてしまう。ユンらが動き出していたそのとき、ピルジュンは先手を講じていたのだった。忠臣たちが 命を落とし、横たわる姿を前に落胆する国王に、偽の連判状を渡し、彼らこそ謀反の指導者であり、捕らえる前に自害していたと次々と嘘を信じ込ませるピルジュン。そこへ姿を見せたファンボ・ユンは、国王へチョン・ピルジュンこそ黒幕であると直訴するが、唯一の証拠でもある傷ついた金の貫子をピルジュンは事前に新しいものに取り替えていた。ピルジュンは国王に 、強国建国を目指す自分が倭国館との交流を進めることに、一部の民から不快感や疑心を抱かれているために、ファンボ・ユンも同じように疑心を抱いているのだろうと話し、王を納得させる。ピルジュンの隙のない様子に怒りに震えるユン。
国王にもう1度会わなければ、そう言って落ち着かない様子のユンに、今はいけませんと制するチュワン。何があってもこの手で奴を捕らえねばと話すユンだったが、全く成すすべが見つからずに苛立ちは募っていく。そのとき、チュクチの妻を負ぶったチェオクが現れ、ユンはゆっくりとチェオクの方へ振り返る。殺された妻の無残な姿を見たチュクチは泣き崩れ、亡骸を抱き上げると家に向かって歩き出していった。
チェオクと向き合ったユンは、切ない胸の内を切々と話しはじめる。
「あの晩 私は断腸の思いだった
二度と 夢の中ですら お前と会わぬことを願った
出て行け
私は今夜また苦しい夢を見たことにする
今度会うことがあれば
お前はチャン・ソンベク側の人間で
私とは剣を向け合わなければならぬ
(丹心歌スタート) 行け」
「私も愚かな夢を見ていました
始末します。奴を必ず この手で斬ります。
そのときまで 私をここにおいてください」
チェオクの言葉にもユンは心を閉ざしたまま、部屋を出るよう促し、チェオクが出て行くとそっと扉を閉める。なかなかその場を去ろうとしないチェオクに、扉越しに涙を流しながらこれまでの縁を、そしてチェオクへの想いを胸が張り裂けそうな思いで断ち切るユン。
「通符(身分証)を返してもらいなさい
しかし お前は私にとって
茶母...それ以上でも それ以下でもない」