【青瓦台】
大統領の命を救ったヒョンジュンとサウは、青瓦台に招かれることに。その場でヒョンジュンの目に留まった絵画をきっかけに、ヒョンジュンの脳裏には幼い頃の記憶の断片が浮かび、あまりの悲痛な記憶にそれが現実だったのかどうか戸惑うが、鮮明な部分があることから、思い出したことは全て事実だと確信する。そばにいたサウは、ヒョンジュンが緊張のあまりに平常心を失っていると勘違いするだけだった。大統領に会った二人は、大統領すらNSS(国家安全局)の存在を知らないことに眉をひそめる。
ヒョンジュンらが出て行った後、大統領は初めて耳にする組織についてチョン秘書室長に尋ねる。NSSについて説明するチョン秘書室長の話にじっと耳を傾ける大統領は、NSSは
青瓦台までもCIAのスパイに盗聴され、監視されていた頃に発足された組織であり、パク・チョンヒ前大統領が核開発を推進していた事実と、アメリカの目を避けるための絶対的に信頼できる組織が必要だったことを知る。核兵器開発を主導し、国家を脅威から守る存在でありながら、ロシアの衛星を使いアメリカや日本も知らない秘密機関として活動してきたNSSの存在に、大統領は懸念を抱く。
【ヒョンジュン、スンヒと教会へ】
ヒョンジュンはオフの日にスンヒを誘い、幼い頃自分が育った教会へと向かう。スンヒがプロファイリングの際に自分の幼い頃のことを調べていなかったことに意外な表情を浮かべるヒョンジュン。
−7歳の頃からここで育った
−その前は?
−知らない、思い出せないんだ。それを思い出したくてここにきた
ヒョンジュンが7歳以前の記憶を持たないことをはじめて聞かされたスンヒは、ヒョンジュンと共に教会の神父に会うことになる。スンヒが席をはずすと、美しい女性を連れてきたヒョンジュンに、結婚するのかと尋ねる神父。
−私は望んでいますが、まだそんな間柄ではありません
−就職したって?うまくいってるか?
−あの、神父様にお聞きしたいことがあってきました。どうしてここに預けられたのか、私の両親がどんな方なのか、何かご存知でしたら…
−今まで一度も聞いたことがないのにどうして今になって気になるんだ?
−私も、どうして一度も考えたことがなかったのかが、気になりました。ここに来る前に自分に起こったすべての事を無意識的に遠ざけようとしていたのか…。ひとかけらだけでも残っていれば、気にしたのかもしれませんが、記憶喪失で何も覚えていないせいか、一度も思い出そうとしなかったのは、変ですね。どうしてでしょう…私の両親は誰です?私に何があったんでしょうか?
−お前をここに連れてきたのは市庁の職員で、何も資料がなかった。何かショックなことがあったのか、ひとことも話せなかったんだ。1年ほど経ってからようやく自分の置かれた環境に順応することができたようだ...
神父から何一つ確かなことを聞くことができなかったヒョンジュンは、気落ちしながらも笑顔を浮かべてスンヒの待つ礼拝堂へと戻る。
−資料も記録もないって...
−変ね、NSSにもヒョンジュンさんの資料がなくて、ここにもないなら、空から落ちてきたのかしら?
浮かない表情のヒョンジュンの心情を察し、明るく振舞うスンヒは、聖母マリア像の前に近づく。
−聖母マリアさま…こんなに秘密が多い人を、好きになってもいいでしょうか?
−何ておっしゃった?
−過去なんて関係ないって!
ヒョンジュンが教会を離れるとすぐ、神父はペク・サンへと連絡を取ると、ヒョンジュンが来た事と、記憶のない部分について彼が気にしていることを伝える。
【ペク・サン 青瓦台へ】
大統領から呼び出されたペク・サン副局長は、大統領からNSSのような組織が必要なのか確信をもてないが、本当に必要なのかと問いかけられるが、自分が判断できる問題ではなく、政治的判断のできる立場ではないと答える。大統領は、パク前大統領が推進した核兵器開発に関わっていたことを切り出すと、完成段階までいった核兵器技術開発を諦めるからといって、核兵器の技術までなくなるわけはないはずであり、図面がどこにあるのかと鋭い質問を投げかけるが、ペク・サンは自分の知るところではないと、あくまでも自分は局員の一人であることを強調する。
【NSS ヒョンジュンとサウとスンヒ】
大統領の命を救ったことで評価され、休暇をもらうことになったヒョンジュンとサウとスンヒ。三人で旅行でもいけたらいいのにと話すサウだったが、そんなサウの後ろを歩いていたスンヒはそっとヒョンジュンにガムを手渡す。
「日本旅行へ、O.K?」
ガムの包み紙に書かれたスンヒのメッセージに目を通したヒョンジュンは、サウに気づかれないよう、スンヒに笑顔で返事を返す。
【NSS】
ヒョンジュンとスンヒが日本の秋田で休暇を過ごし始めた頃、NSSではオレンジコードが発令されていた。労働党ホン・スンリョン、北朝鮮核兵器開発を主導する科学者が亡命を求めてウクライナからハンガリーへ移動中との連絡を受け、休暇中の3人に連絡をとる室長だったが、ヒョンジュンとスンヒに連絡が取れずに苛立ちが募る。
【秋田 日本】
慌しい時間が流れるNSSとは対照的に、旅行先でゆったりと幸せな時間を共に過ごすヒョンジュンとスンヒは、互いへの愛情を深め合う。
【サウ ハンガリーへ】
単身でハンガリーに向かったサウは、ホン・スンリョンを保護する任務を成功させる。そんな中、休暇からNSSへ戻ったヒョンジュンとスンヒに、ハンガリー行きのチケットが渡される。
【ヒョンジュン スンヒ ハンガリーへ】
ホン・スンリョンが政治亡命を要求している事実を大統領に報告するペク・サンは、どんな意図であるか疑心し、慎重になるべきだとの声に、ハンガリーに送ってある要員から報告があると伝え、スンヒからの連絡を待つ。
スンヒとともにハンガリーに到着したヒョンジュンに、サウが近づくと、冗談交じりに尋問するような口調で問いかける。
−休暇はどこへ?
−日本の秋田だ
−同行した人物がいるだろう?
−スンヒ…
相手がスンヒだったことに衝撃を受けるサウだが、平静を装い言葉を続ける。
−楽しかったのか?
−最高だったよ
以前特殊部隊にいた頃に想っていた女性はどうするのかと続けるサウに、その女性がスンヒだと正直に伝えるヒョンジュン。社内恋愛は大変だろうとのサウの言葉に、ヒョンジュンはこの任務を終えたら結婚したいと無邪気に答え、サウは二人が本気で愛し合っていることを悟ることになる。
【教会 ホン・スンリョンのプロファイル】
保護したホン・スンリョンに政治亡命の意図を尋ねるスンヒは、会話をしながら詳細にプロファイルを始めるが、なかなか真意を聞き出せないため、最後に北に残してきたホン・スンリョンの家族の写真を見せる。
−家族に何が起こるかは良くご存知ですね?
プロファイルを終えたスンヒから連絡を受けたペク・サンは、大統領にありのままを伝えると、大統領はホン・スンリョンの持つ核科学技術を
目的に、政治亡命を受け入れる決断をする。ヒョンジュンは、亡命が決まったホン・スンリョンから十字架のペンダントを託されると、そっとポケットにしのばせる。その後、ヒョンジュン、スンヒ、サウらは、ホン・スンリョンを韓国まで連れて行くため、要員たちに引き渡すことになるが...