IRIS episode 4.

韓国ドラマ"アイリス" 第4話 あらすじ
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【ハンガリー】


韓国に政治亡命を求めたホン・スンリョンを保護していたヒョンジュンらは、NSS要員にホン・スンリョンを引き渡す任務を終えると、その場を後にする。ヒョンジュンらが現場を離れるとすぐ、ホン・スンリョンを虎視眈々と狙っていた殺し屋が動き出す。車で移動中の要員らを次々と狙撃した殺し屋は、後部座席で恐怖に震えるホン・スンリョンに近づく。

−誰だ、お前は?

手を差し出し、何かを出すように促す男。

−何だ...

−分かってるだろう、何か...。出せ

−何のことだ...いったい何を要求している?

 戸惑うホン・スンリョンに、男は何の躊躇もせず銃を向けると、容赦なく発砲すると、彼の持ち物を探るが、目当てのものが見つからずに眉をひそめる。
 

【青瓦台】

ホン・スンリョンと3名のNSS要員が射殺された知らせを受けたペク・サンは、大統領に事実を報告する。大統領は、北朝鮮の核兵器開発がどの程度行われているのか知る良い機会だったと残念な表情を浮かべ、事が大きくならないように対処するようペク・サンに念を押す。

【ハンガリー】(※1話冒頭シーン)

ホン・スンリョン暗殺の事実を知らないまま、スンヒ、サウとともにハンガリーで休暇を過ごしていたヒョンジュンに、ペク・サンから任務の命令が入る。約束の場所に単独で向かったヒョンジュンの前に、思いがけない人物が現れる。
NSS副局長である人物のペク・サンが 、ゆっくりとヒョンジュンに近づいてくる。

−何をそんなに驚いている?

−副局長がいらっしゃるとは聞いていなかったものですから...

ホン・スンリョンが殺された我々の要員も全て殺された…。

言葉を失うヒョンジュンに、少し歩こうと声をかけるペク・サン。

−もしかして汎ヨーロッパ・ピクニックについて聞いたことはあるか?1989年共産国だったハンガリーが国境を開放し、数千もの市民を西ドイツへ送った事件のことだ。その事件は後にベルリンの壁崩壊を導き、冷戦時代はこうして終わることになった。

立ち止まったペク・サンは、しっかりとヒョンジュンを見据える。

単独任務がある。この任務が成功すれば、その事件がハンガリーとドイツの統一において大きな役割を担ったように、お前の成功も韓半島の統一に大きな役割を担うだろう。
 

【スンヒとサウ】

スンヒの横顔を見つめていたサウは自分が抱く気持ちを隠しながら、ヒョンジュンとの間柄について問いかける。

−ヒョンジュンとはいつからだった?気づかなかったよ...

−なんとなく、初めから好感があったみたいね。本当に親しくなったのは、ヒョンジュンさんと副局長の家に招かれた日だったわ。

そこへ、ペク・サンとの話を終えたヒョンジュンが戻る。

−あの日初めてキスしたんだよな...

椅子に腰を下ろすヒョンジュンに、何の任務か問いかけるスンヒ。

−ん?単独任務だ...

俺たちは?と続けるサウに、休暇を楽しめと明るい口調で答えるヒョンジュン。

−スンヒと過ごせる時間が少ないんだけどなぁ...お前忙しくないの?

ヒョンジュンの言葉に明るい笑顔を浮かべたサウは、気を利かせてその場を後にする。

−何の任務なの?

平静を装い、スンヒの質問を“なんてことはない”とかわすヒョンジュンだったが、スンヒはそんなヒョンジュンの様子に不安感を抱く。ハンガリーの街をスンヒと一緒に歩いていたヒョンジュンは、タロット占いをやってみようと、嫌がるスンヒを誘う。

1枚目のタロットの結果が「避けられない運命」と出ると、2枚目の結果は聞かないと伝え、ヒョンジュンはスンヒと歩き去る。タロット占いの女性は、二人が歩き出した後、2枚目のカードを開いて表情を曇らせる。

 

【任務当日】

翌朝、緊張した様子のヒョンジュンに声をかけるサウ。

−何の任務だ?

長い沈黙の後、重い口を開くヒョンジュン。

−...EX...(注釈:要人暗殺任務)

−対象は?

−...副局長がハンガリーにいる。気になるなら訪ねて聞いてくれ。

二人の間に、重い空気が流れ続ける。

−サウ...俺に何かあったら...

−ふざけるな。何をそんなに緊張してる?

−何度も言われたが、緊張なんてしてないぞ。コーヒー1杯頼むよ、シャワー浴びてくる

−ああ

ヒョンジュン一人に要人暗殺任務が下されたことに、サウは不安を抱く。


【ヒョンジュン ペク・サンとの会話を回想】

暗殺対象は誰です?

ユン・ソンチョル

北の最高人民委員長のことですか?

ああ

−...私が質問していいかどうかは分かりませんが、理由は何です?

−ICBM...北はこれまで、ミサイル技術などの分野で飛躍的な発展をしている。すでにアメリカ軍部までも直接攻撃できるほどのミサイル技術を完成させている。その最終過程が核弾頭だ。ユン・ソンチョルはその問題を解決すべくこのハンガリーでUSSRの人物らと密談するとの情報を得ている。北が核ミサイルに近づくのを、傍観するわけにはいかない...

密談が予定されている場所に下見に向かい、任務遂行に取り掛かるヒョンジュンは、北の警護チームの厳しい目線を避けるよう身を潜めながら着々と準備をすすめる。

【サウとスンヒ ペク・サンの元へ】

サウとスンヒがペク・サンを訪ねている最中、ペク・サンにヒョンジュンからの連絡が入る。

−ハンガリーの警護が強化されています。北の要員まで各所に配置されています...

−分かった。また連絡する...

何かありましたかと問いかけるサウに、ペク・サンは相手がヒョンジュンであったことを隠し、大したことではないと話をはぐらかすが、スンヒが意を決したように問いかける。

−TK1(ヒョンジュン)の単独任務は何です?私が支援すべきではありませんか?副局長!

−いや、少し待ってみろ...休暇だと思って、気楽に過ごしたまえ

【ペク・サン 潜伏中のヒョンジュンへ連絡】

スンヒとサウが帰るとすぐにペク・サンはヒョンジュンへと連絡を取ると、“作戦に変更はない、終わらせろ”と淡々と伝える。厳重な警護の中、ヒョンジュンはたった一人、誰の助けも受けないままで要人暗殺の任務を遂行することになってしまう。


【ハンガリーの街を歩くサウとスンヒ】

スンヒは、ヒョンジュンの任務の内容も知らされないまま2日も過ぎたことに不安が隠せない。そんなスンヒが、 サウとともに街を歩いていると、数日前にヒョンジュンの運命を占ったタロット占いの女性が声をかける。 隣にいる男性が別人であることに一瞬ためらう女性。

−あなた新しい恋人ができたの?

−違うわ....さよなら...

歩きかけたスンヒを呼び止めた女性は、1枚のタロットカードを取り出しスンヒに手渡すと、2番目のカードの持つ意味は“恐ろしいことが近づいている”であることを伝える。

−何を言ってる?

黙ったまま神妙な面持ちでいるスンヒにサウが問いかけると、スンヒは何でもない、とサウにはあえて話さず、手にしたタロットカードを見つめる。

【ヒョンジュン オープンカフェで】

つかの間の休息をとるヒョンジュンが、オープンカフェでくつろいでいると、密談が予定されている建物で警護にあたっていた北朝鮮の護衛リーダーがやってくる。慌てて顔を隠すヒョンジュンから少し離れた席で、パク・チョリョンとキム・ソンファが向かい合わせに座り、軽食を取り始める。

−何か食べろ

−結構です...

−“フリェブ”、聞いたことはあるか?ロシアの人が食べる黒いパンだが、22才のときにモスクワに留学し、この真っ黒で固いパンをひと月食べ続けた。腹の中まで凍りつきそうなモスクワの冬の夜、暖房すらない部屋で(フリェブを)食べながら過ごした...。あのときは目の前に統一が迫っていると考えていた...それを頼りに耐えていたのに...

そのとき、カフェの目の前でボールを手に遊んでいた少女に1台の車が猛スピードで迫る様子に気がつき飛び出すヒョンジュン。ヒョンジュンは北の要員の目につかぬよう、少女を救うとすぐにその場から姿を消す。

【EX任務遂行当日】

覚悟を決め、隠れ家を出たヒョンジュンは、警護中の北の護衛員を倒すと、配置につき、ターゲットの到着を待つ。異変に気づいたチョリョンが急いで現場に向かうが、ヒョンジュンはすでにターゲットの胸部を狙撃した後だった。任務を終え、すぐにその場を離れるヒョンジュンだったが、厳重な警護の中の脱出に困難を極める。ようやく建物を出たところでチョリョンに姿を見られてしまったヒョンジュンは、腹部に銃弾を受け、痛みに耐えながら地下鉄に乗り込むと、隠れ家のある場所にたどりつく。ところが銃創に手を当てながら歩く姿を目撃されたヒョンジュンは、隠れ家の周囲をたちまちハンガリー警察に包囲されてしまう。痛みに耐えながらペク・サンへと連絡するヒョンジュン。

−任務は成功しました...隠れ家に身を隠しています...銃で撃たれ、単独での脱出は不可能です。助けをお願いします

−何を言ってる?そこへ要員を送れば、正体が知れるだろう

−分かります。分かっていますが、一人で、ここを脱出するのは、不可能です...

−今私の言えることは、要員規則に従えということだけだ

−副局長!...私は必ず生きて帰らなければならない理由があります!助けてください...副局長、副局長...

重大な任務を一人で遂行させられ、大怪我を負ったヒョンジュンは、信じていたペク・サンに突然無残に捨てられてしまい、激しい衝撃を受ける。苦痛にもがきながら腹部に打ち込まれた銃弾を取り除き、自分で傷の応急処置をするヒョンジュンは、なんとしても生き延びようと強い意志を持ちながら銃を手に握り締めるが、出血が止まらず、徐々に意識が遠のいていく。薄れる意識の中、 ヒョンジュンの脳裏にはスンヒと訪れた日本の景色が浮かぶ。

−この銅像には、悲しい伝説があるそうよ。辰子というとても美しい女性がいたのだけれど、神秘の水を飲んでしまい、この田沢湖を守る龍になり、そして太郎も辰子のように、遠く離れた十和田湖を守る龍になったって。そんなふうに別れた二人が冬になると、この湖で 愛を分かち合った。二人の変わらない愛のために、この湖はどんなに寒くても凍らないそうよ...

−二人はただ互いを愛そうとしただけなのに、それぞれが別の場所で怪物になったのか?

−怪物?そうね...あなたの言うとおり。だから悲しいの

−何が?

−私たちがしている事、このままずっと続けていると、私もヒョンジュンさんもいつか怪物になってしまいそうで...

−俺たち、辞めようか?

−...もうやめたくてもやめられないじゃない

【サウ ペク・サンの元へ】

その頃、ペク・サンに呼び出されたサウは、ヒョンジュンが作戦中に負傷したことを聞かされ、ある指令を受け現場に向かう。

【スンヒ ペク・サンの元へ】

ヒョンジュンと連絡がつかずに不安が募り、徐々に焦燥感が膨らむスンヒは、これえ切れずにペク・サンの元へと訪ねていく。

−TK1とTK2は今どこです?お話ください...副局長!

−明日の一番の飛行機で帰国しろ。命令だ

【韓国 青瓦台】

韓国の大統領の元へ、北のユン・ソンチョルが暗殺された疑いがあるとの連絡が入る。緊張関係にある北の要人が暗殺されたことで、関係者は固唾を呑んで調査結果を待つことになる。

【ヒョンジュン 隠れ家周辺を包囲される】

現地警察から連絡を受けた北のパク・チョリョンは、キム・ソンファとともにヒョンジュンが潜伏している建物に到着する。一部屋一部屋確認しながらチョリョンが徐々にヒョンジュンに接近している頃、ヒョンジュンの部屋を何者かがノックする。意識を取り戻したヒョンジュンは、銃を手にゆっくりとドアへと手を伸ばす。

ドアを開けて入ってきたのは、サウだった。相手がサウだったことに安心したヒョンジュンに、サウは冷酷な表情のまま銃口を向ける...

−すまない...命令だ...