IRIS episode 8.

韓国ドラマ"アイリス" 第8話 あらすじ
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【秋田 玉川ダム】

躊躇することなく指定場所のダムへ向かったヒョンジュンは、冷たい雪が降る中、犯人に爆弾を仕掛けられ、恐怖に震えるユキの前へと歩み寄る。涙を浮かべるユキを安心させるよう穏やかに語りかけるヒョンジュンに、USB目当てに秋田まで追ってきた一人の男が冷たい声で“銃を捨てろ”とつぶやく。言われた通り銃を捨てたヒョンジュン。

−USBを出せ

−その子を放せ

男が従わずにヒョンジュンの足元に向け銃を撃つと、危険を感じたヒョンジュンは偽のUSBを投げつける。パスワードを聞き出しデータへのアクセスを試みる男の一瞬の隙を狙い、ヒョンジュンはユキを抱き上げ走り出す。USBが偽者だと知った男は執拗に二人を狙い容赦なく銃を撃つ が、そんな男の攻撃をかわしながらヒョンジュンはユキを車に乗せるとアクセルを踏みしめる。ユキの体に巻きつけられていた爆弾を取り外し投げ捨てたヒョンジュンは、父と母を失い涙を流すユキの横顔を見て胸を痛める。ふと気を緩めた途端、ヒョンジュンとユキが乗る車に男の車が激突し、再び二人を銃で狙い追撃し始める。激しいカーチェイスの末、男の車を引き離したヒョンジュンは、助手席のユキが全く返事をしないことに異変を感じ車を急停止させると、彼女を抱き上げ何度も名前を呼びかけるが、すでにユキは息絶えてしまったことを察し、 悲しみにくれる。


【ユキとの別れ】

これまで自分を助け続けてくれたユキの身に大きな災難が降りかかってしまったことで、胸が引き裂かれるほどの悔しさを感じたヒョンジュンは、唯一の糸口である人物に連絡するため公衆電話に向かう。

−私です

−久しぶりですね

−助けが必要です

−私を拒み背を向けておいて、今になってまた助けてくれと?...話してみなさい

−彼らが私に求めている物が何なのか分かりません...ホン・スンリョンから受け取ったものだと言っていましたが...

−それをあなたが持っている...探し出して、また連絡しなさい

ユキとの記憶を辿りながら、ヒョンジュンはユキに渡した十字架のネックレスの存在を思い出す。ユキの遺影が祀られた寺へ向かったヒョンジュンは、ユキの遺品の中からネックレスを見つけると、それを手に涙をこらえながら心でユキに別れを告げる。

【サウ ペク・サンからの指令】

ペク・サンからスンヒを現場に復帰させるようにと指示されたサウは、ヒョンジュンの死を信じることのできないスンヒには簡単なことではないだろうと答えるが、ペク・サンの思いがけない一言に言葉を詰まらせてしまう。

−信じられないなら、信じさせればいいだろう。それがお前の任務だ。

ペク・サンの言葉の裏にある意図を悟ったサウは、ヒョンジュンの死に対しハンガリー情報局としてのデータを捏造すると、NSSの要員らに伝わるように仕向ける。真っ先に情報を掴んだスンヒの友もあり同僚のヤン室長は、NSSに残されていたヒョンジュンの身体記録と、サウの捏造したデータ内にある飛行機事故で命を落とした男性の身体記録情報がほぼ一致することに表情を曇らせる。

【ヤン室長 スンヒの元へ】

職場を長く離れたままのスンヒの元へ、ヤン室長が事実を伝えにやってくる。ヤン室長の呼びかけに返事もできないままのスンヒは、彼女が差し出したデータに目を通す。自分が生きるためにも、もうヒョンジュンに対する感情を捨てた方がいいと話しその場を後にするヤン室長に一言も返事ができないまま、スンヒはこみ上げる悲しみを抑えることができずに声を上げて泣き出してしまう。

【秋田 ヒョンジュンとソンファ】

秋田へ戻ったソンファに、ヒョンジュンが初めて、これまでのことを静かに話し始める。

−ハンガリーで俺を保護してくれた人が言っていた。“政治では偶然などない。何か起こったなら、そう計画されたためだ”と...俺に起きた事件は全て、誰かが意図的にしたことで、これからも続く...。その人の言うとおり、誰かが意図しているなら、なぜ俺がその対象なのか分からない...

−話してください。何があったのか...

−始まりは、ホン・スンリョン暗殺だった。俺たちのチームは、亡命するはずだったホン・スンリョンを、韓国に連れて行くチームに引き渡した。だが少し後に、ホン・スンリョンが殺害されたとの消息を聞き、俺はまた別の単独任務を受けた。俺の任務は、ユン・ソンチョル委員長暗殺だった。任務は成功したが、逃走中に負傷し、救助を要請した。ブタペストの俺を助けに来たのは、NSS要員になる前からの友人だった。だが、俺を助けに来たと思った友が、命令だと俺に銃を向けた。それからは理由も分からず北と南全両方に追われ続けた。逃げ続けながら俺は、俺を捨てたあの人に電話をした...必ず生きて戻ると...そして生きて戻ったら、絶対に許さないと...。しかし、戻ってみたら、俺の命より大切な...俺の愛する女性がブタペストに来ていた。彼女の運命も、俺と共にあると脅迫を受けたんだ。俺はスンヒに会ってから、一緒にハンガリーを抜け出そうとした。だが逃走中...スンヒが死んだ...

韓国へ渡り、スンヒに会ったソンファは一瞬息を呑むが、ヒョンジュンに事実を伝えることができない。

−小型飛行機に乗りハンガリーを抜け出そうとした瞬間、俺は友人の銃で撃たれて墜落した。そこで俺の人生は終わったと思ったが、目を開けたときは病院だった。俺の身に起こった全ての事件は、誰かが意図的にしたことだという人物。その人が俺を助けてくれたと知った。俺は、命を救ってくれたその人すら信じることができず、その場を逃げ出し日本へ向かい、俺を捨てた人物に対する復習を準備した。韓国に戻ろうとしたそのとき、ユキから電話があった。俺を殺そうとした奴が、以前ホン・スンリョンから受け取ったネックレスを探していることを知った。これが、ユキの命を絶ったそのネックレスだ...

十字架のネックレスを手にするヒョンジュン。

−話を聞いている間に、いくつか疑問が浮かびました。まず、亡命するはずだったホン・スンリョンは誰が殺したのか...私の考えでは、ホン・スンリョンの死は北とは何の関係もないはずです。二つ目は、ユン・ソンチョル委員長の死について、難しくなるはずの外交問題が、ずいぶん簡単に解決しました。最高委員長が南に暗殺されたのに、北も、南も...急いでこの事件を覆い隠そうとした理由は何でしょう?最後に、ブタペスト駅で亡くなった...亡くなったあの方...あのときの車両爆発も、北の仕業ではありません。私の推測では、ホン・スンリョンを殺したのは、このネックレスを手に入れるためにユキを殺した人物と同じではないでしょうか。そしてヒョンジュンさんにユン・ソンチョルを殺すように仕向けたのも、南の政府の命令でなく、その命令を下したその人個人ではないかと...。私たちの知らない組織の陰謀があるはずです。今となっては、このネックレスが、唯一の物証です。ホン・スンリョン、ユン・ソンチョルの死の背後に誰がいるのか、なぜヒョンジュンさんが選ばれ、なぜ捨てられたのか、多くの疑問がこの中にあるはずです...

ソンファの話に耳を傾けながら、ネックレスを見つめていたヒョンジュンは、ネックレスの一部がUSBになっていることに気がつく。

【隠れ家 ヒョンジュン ソンファ】

隠れ家に戻ったヒョンジュンは、事件の糸口を探そうとUSBメモリーからデータを開こうと努めるが、パスワードの解読に時間を費やし、疲労が重なりソファーで眠ってしまう。疲れ切って眠るヒョンジュンの寝顔を見たソンファは、ヒョンジュンにゆっくりと近づくと、横にあった上着をかける。背を向けたソンファに語りかけるヒョンジュン。

−何故俺についてくる?俺を殺す機会は多いのに、殺して戻ることもできるだろう...

−遅すぎたんです、戻るには...

−遅すぎた?

ヒョンジュンの隣に腰を下ろしたソンファは、自分の過去についても少しずつ語り始める。

−私が18歳だった時、護衛部隊備員に選ばれました。護衛要員になるまでの間、私がどんな訓練を受け、どうやって生きてきた か...ヒョンジュンさんも特殊訓練を受けてきたから、良くご存知でしょう。地獄のような訓練も必死で乗り越えたのに、本当に耐えられなかったのは...人を、殺すことでした。囚人を殺す訓練で、一人、二人と殺し...それから、ともに訓練してきた同志までも...始めは難しくても、人を殺すことも簡単になりました。一人、二人、殺すたび、私の血が、私の心臓が、冷たくなるのを感じました。結局...何の感情もなく人を殺せるようになると、護衛要員になりました。そのつらい日々を...私を支えた唯一の力が...母と、妹たちだったのに....私のせいで、皆死にました...

涙を流すソンファをじっと見つめ続けるヒョンジュン。

−だからもう、戻らなければならない、理由がなくなりました...

ヒョンジュンはソンファの頬を伝う涙に思わず手を伸ばし、涙を拭く。二人は互いの抱えてきた痛みを分かち合い、互いをより理解し合うようになる。

ホン・スンリョンの残したファイルの暗号がようやく解け、そこに"IRIS"という組織のデータが記録されていることを知るヒョンジュンとソンファ。IRISのメンバーの情報を見るヒョンジュンは、ペク・サンの情報も含まれていることに驚きを隠せない。二人は情報を手に急いでその場を立ち去ると、二人の後を追う日本の内閣情報室の追っ手を振り切り、身を潜める。

【NSS 】

NSSでは、要員らが長い間休んだままのスンヒを案じ、スンヒの誕生日を祝おうと計画していた。贈り物を手に彼女を元気付けようと、サウたちはスンヒの家を訪ねるが、灯りもつけないままベッドの上で熱を出してうなされているスンヒを発見する。急いで彼女を病院に運んだサウは、ヒョンジュンを失い苦しむスンヒの寝顔を見つめながら、行き場のない想いを思わず言葉にしてしまう。

−お前がこんなに苦しいのに...俺は...何もしてあげられずにすまない...。ヒョンジュンだったらどうするだろうか?こんなとき...あいつ...どうするだろうな?

【秋田 ヒョンジュン】

唯一の糸口である人物に再び連絡を取るヒョンジュンは、"アイリス"という名の組織についての情報を知ることになる。想像以上にはるかに大きな組織であり、軍事力(兵器)の売買などで莫大な利益を得ていること、さらに暗殺やテロなどで国家間の紛争も誘発し力をつけ、国家をあくまでも利益追求のために利用しているだけだと知る。韓国、北朝鮮双方にアイリスは存在し、彼らがヒョンジュンを選択し、利用し、捨てたのだと聞かされたヒョンジュンは、電話を切ると、自分を取り巻く陰謀の大きさに言葉を失ったまま身動きすら取れなくなってしまう。

【NSS サウ】

サウは日本の内閣情報室で取調べを受けた韓国人男性の映像が含まれたデータの解析をしなければならないという部下の言葉に眉をひそめ、そのデータは自分が引き受けると話すと、早速内容を調べ始める。映像の中で尋問を受ける男の顔がヒョンジュンにそっくりだったことに驚いたサウは、そのデータを慌ててポケットにしまいこむ。急いでペク・サンの部屋へ向かったサウだったが、その場にスンヒが来ていたことで言い出せなくなってしまう。

【上海 パク・チョリョンとソンファ】

ソンファから連絡を受けたチョリョンは、上海へ到着するとソンファが指定した場所へと向かう。船上で再会する二人。

−本当に申し訳ないと思っている...

−どうしようもなかったこと、よくわかります。全て私の責任です...

−私に会おうといった理由は何だ?

−私と一緒に行ってほしい場所があります。その場でお話します...

ソンファはチョリョンを連れ、ヒョンジュンの待つ場所へと向かう。