:::12話#72 オドゥリの家の門の前:::
〜ムヒョクがオドゥリの家の門を激しく叩く場面〜
監督:この音は、ムヒョクが実際に門を叩く音なんですが、本当に手が痛かったはずです。このときの感情に、これがふさわしいと考えたためにこうしたらしいですね。ソ・ジソブさんは個人的にこのシーンが一番悲しかったと話していたそうです。
作家:はい...。私もこのシーンを描きながらとてもつらかったです...。ああ、今後こんなドラマは書けないだろうとも思いました。
監督:苦労されたと思います...。このカットを撮影し、あのカットも撮影しと、感情表現はそう簡単ではないですよね。
作家:ソ・ジソブさんでなければできなかったシーンかもしれません。
:::13話#38 オドゥリの家の門の前:::
〜ムヒョクが雨に打たれる場面〜
作家:
こうして見直してみると、演技者の皆さんは大きな苦労を強いられましたね...(笑)。考えもせずにこんな寒い冬に...本当に申し訳ありません!
監督:ムヒョクは自分も具合が悪いのに、ウンチェのために薬を持って、ウンチェを待つシーンですよね。昼間からずっと待っているのに、夜になり、雨まで降ってきて...
作家:はい...。彼らは自分の気持ちを直接的に伝えるタイプではなく、こうして間接的に、ある出来事を通じて伝えますね。
:::13話#40 旅館の部屋の中:::
〜ウンチェがムヒョクにくちづけする場面〜
作家:このシーンから、ウンチェがムヒョクに向かったんです。ウンチェが直接的にムヒョクに自分の気持ちを現したシーンでしたね。イム・スジョンさんが、この場面を撮るときにヘアピンまでも、スジョンさんは気を遣ってくれたんです。ピンを選ぶ時、私に電話を下さって“どんなピンですか”と尋ねてくださって、スタイリストさんと一緒にずいぶん悩んだそうです。準備がしっかりした俳優さんですね。細かいこと、わずかなことひとつにも...。
〜ムヒョクがウンチェの頬に手を伸ばす〜
作家:私はこのシーンを書いた時、本当に詳細に書いたんですが...
監督:カットがすごく長いですね。私は「ミサ」での最高にエロティックなシーンだと思います。
作家:ははは...はい(笑)。
監督:雰囲気は悲しいのですが、愛する人に対して湧き上がる感情を、情欲的な感情を、表現できたシーンですね。
〜突然具合の悪くなったムヒョクがトイレに閉じこもってしまう〜
監督:ウンチェは、中でムヒョクが苦しんでいるのに中に入れずに悲しみますが...こう、乗り越えることのできない...
作家:はい、壁のようなものを...はい。
監督:素晴らしい俳優たちですね...(溜息をもらしながら)。この感情表現はどこから出てくるのか...
作家:吐く演技を多くさせてしまいました。とてもつらかったでしょうに...ジソブさんがこのドラマでとても痩せてしまって...
監督:ええ、そう聞きました。
作家:後になって、こんなお話もしたんです。ドラマを終えたら死にそうですが、一生懸命がんばります、と仰いましたが、私が“一生懸命やらないで”と言ってしまいました(笑)。
監督:いざお互いが愛を確認しようとした時、別れの道しか残されていないですよね...
作家:まともな感情表現もできないままに、いつもやりきれない気持ちで...一度も良い時期を過ごしてきたことがないですね、二人は。
監督:はい...。血の涙を流すような感じを、心から演じてくれましたね。ユンを助けるためにムヒョクが死ななければならなくて、ムヒョクはどのみち死んでしまうので、ウンチェはユンを突き放すこともできないですね。これはこのドラマが始まったときから、イ作家が描き続けて来たことでしたね。こんな状況がとてもつらいですね。
作家:実は誰よりも苦労を背負ったのはウンチェのようです。ムヒョクとユンとは自分の思う通りに生きてきましたが、利己的にしたいようにして、でもウンチェはいつも自分の意思のとおりにできないですね。いつも配慮して、自分を殺して...
:::14話#71 病院前の通り:::
監督:ムヒョクが死ぬためにウンチェから遠く離れた場所に行こうとするシーンですね。とても寒い日でした...冬の日の中でも最も寒い夜、このシーンの撮影をしました。裸足でしてみようという私に、ソ・ジソブさんも同意してくださいましたが、とても大変だったと思います。実際にこうして冬にドラマを撮影してとても苦労しました(笑)。