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ディレクターズカットDVD(韓国版) やっぱりオリジナル版!リージョンALL、英語字幕付
ごめん、愛してる Director's Cut DVD Disc6 第16話〜commentary
管理人所有の「ごめん、愛してる ディレクターズカットDVD(韓国版)」Disc6をもとに、「ごめん、愛してる」 第16話(最終輪)に関するイ監督、ソ・ジソブ、イム・スジョンによる談話を日本語(管理人が聴き取り、日本語にしたものです)でご紹介します。
ごめん、愛してる 第16話 commentary
【タイトル映像】 イPD:はい、最終回のコメンタリーをはじめます。今回はもっと頑張ります。演出者のイ・ヒョンミンです。 ソ・ジソブ:ソ・ジソブです(照笑) イPD:イム・スジョンです...ははは...初回は私も久しぶりに見たせいか色々とお話もできず... イPD:ドラマに嵌ってしまったからね(笑) イム・スジョン:はい...(笑)。 【ムヒョク、ソギョン、カルチ 部屋でアニメーションを見る】 ソ・ジソブ:ムヒョクが死んでしまうのではないかとカルチが悟り、ソギョンは良く分からないながらも、同じような気持ちを抱き、こんな状況から16回が始まります。 ソ・ジソブ:はい。...カルチに会いたいな。 イPD:ムヒョクのナレーションが良かったと話してくれる方がとても多いそうですね。 イム・スジョン:はい... ソ・ジソブ:作家の先生が言葉で表現できない部分を表現したいと仰っていたのですが、そのイメージがうまく生きていたようですね。 イム・スジョン:ムヒョクが直接言葉にできなかった言葉の数々をナレーションを通じて知ることができていますね。 【新聞記事でウンチェとユンの結婚を知るムヒョク】 イム・スジョン:このときのムヒョクは心理状態がどうだったのか気になっていました。どの程度、気持ちの整理ができていたのか ソ・ジソブ:ええと...覚えている範囲では、ほとんど気持ちは整理していたでしょう。ウンチェを心から愛しているけれど、心を痛めないように、去ろうと...すでに心を決めた状態ですね。 イム・スジョン:でもまだ母に対する気持ちは誤解が解けていない... イPD:ええ、誤解が解けていない状態です。 イム・スジョン:この最終話で秘密が明らかになるんですよね。 イPD:ウンチェは訪ねてきますがウンチェは何も言えず、16話では二人は言葉を交わせないようですね。 イム・スジョン:はい。二人の間に対話がほとんどありませんでしたよね? イPD:チヨンが久しぶりに訪ねてきましたね 【チヨン、ムヒョクの前に現れる】 イム・スジョン:(ムヒョクの青白い顔を見て)最終話に近づくと、実際に、本当に病人のようでした。現場で見たとき、本当に... イPD:痩せましたしね イム・スジョン:本当に痩せましたよね... ソ・ジソブ:始めた時より4kgほど痩せたと思います。元々口数がすくないのに、16話撮影分ではもっと少なかったですね。 イPD:ははは そ:現場に向かうと静かにしていましたし。 イム・スジョン:16話撮影時は俳優だけでなく監督もそうでしたし、ほかのスタッフも全てそうでしたね、雰囲気が...。 ソ・ジソブ:ムヒョクは、生きる方法もあるのに、心を決めていたために... イPD:ムヒョクに電話もできずにウンチェは、16話ではすべての登場人物が何かしようとしてできずに苦しんでいるようですね。少し唐突な設定かもしれませんが、チヨンが来て、ムヒョクも助けられるかもしれないという状況ですね。 イム・スジョン:生きられるかもしれないのに、それもあきらめるという、そうムヒョクが選択したことが、視聴者の涙を誘ったのかなと思います。 イPD:ウンチェもつらかったでしょうね。できることもなく、ただ...対策もないけれど、ただそばにいたいとそんな思いではなかったかなと思うのですが。 イム・スジョン:何かしてあげたいという思いより、ただそばにいなければという気持ちしかなかったんです。それなのに電話もできず、会えたのに一言も出てこなくて、ただただ待ち続けて... 【ウンチェ、ユンとの通話】 イPD:この場面もとても悲しいですね。言葉そのものではなく、雰囲気で伝えるシーンですが... イム・スジョン:この後にも出てきますが、ムヒョクの横にいるのに、ユンとの通話で、ずっと“話がある”と、話があるけれど、まだ話していないと、そんなふうにユンと通話すること自体が...そう話しながら電話を切ってもウンチェはまた何も話さないんですよね。 イPD:だから後で「愛してる」と伝えるんだよね 【オ・ドゥリ ユンの病室】 ソ・ジソブ:久しぶりに母さんを見たな〜(笑)。このドラマで母さんと撮影しながら、親しくなれば演技がより円滑なのですが、先生が避けるんです。親しくなると、それが自然になるから、避けて、言葉も交わさず... イPD:イ・ヘヨンさん、その話をしていらっしゃいましたよ。ムヒョクのために、あえて近づかなかったと言っていました。他の俳優さんはどうか分かりませんが、ムヒョクはなぜか雰囲気が苛立って見えて、あえて避けたと仰っていました。 ソ・ジソブ:先生も後でその話をして下さったんです。個人的には話もたくさんして、たくさん学びたかったんですが、現場で親しくできなかったことが今でもとても残念です。 【ムヒョクを抱きしめるチヨン】 イPD:チヨンとのことを愛だと考えていましたが、それは愛ではなく、もうウンチェの愛のためにチヨンが以前のチヨンではないような感じですね。 【チヨンの歌声】 イPD:ウンチェのこの歌声がOSTに入りましたが、聴いてみましたか? イム・スジョン:はい...(照笑) イPD:すごく良かったですよ〜。私はドラマに登場する歌は状態ではなく感情が大切だと思うんです。 イPD:話が進むにつれ俳優の皆さんも演技が大変だったと思います。つらい状態が多かったので... イム・スジョン:私は一番つらかった部分は本当にウンチェのように、ウンチェがムヒョクが本当に死んでしまうことをずいぶん後に知るじゃないですか。その部分が本当につらかったんです。心の中ではムヒョクを愛しているのに、わざとウンチェがムヒョクに残酷に接して傷つけて...私も実際に現場でも離れているようにしました。オッパを見てもはじめのようには話もせずに... ソ・ジソブ:ああ、なるほど、そうだったのか!俺を嫌いになったんじゃないのか?ああ〜(笑) イム・スジョン:でも実際回が進むごとに二人の間に会話がなくなってしまいましたね 【ムヒョク ウンチェ 肩を並べて座る】 ソ・ジソブ:うん、16話が本当に...ここからも台詞がほどんどなくて。 イPD:ガムを出すのかな? イム・スジョン:ガムをくれるのね(笑) (ムヒョクがガムを差し出す) イム・スジョン:ムヒョクらしいわ イPD:二人はこれで最後だという思いがムヒョクにあったような気がします。 ソ・ジソブ:実際これが最後ですよね? イム・スジョン:はい、最後です...ああ、雪が降ってきた。このドラマで雪が降るのは最終話でのこのシーンが最初で最後ですね。私はこの日が最後だということが本当に残念です。ムヒョクに最後に会えた日だったということが、こうしていながらそして最後も... (ウンチェが立ち上がる) ソ・ジソブ:おい、最後まで何も言わないのか!(笑) イム・スジョン:最後まで何も言わず、それでも電話では話すでしょう?それが残念... イPD:でも別れる事、それ自体が残念でしょう? イム・スジョン:そのためにウンチェは時間がどれだけ流れてもムヒョクを忘れられず、後を追ったのではないかなと、そんなふうに思います。 【地下道へ向かい階段を降りるウンチェの後を歩くムヒョク】 ソ・ジソブ:私はこのシーンがとても気に入っています。 イPD:ええ、私もです。ここはとても時間をかけましたね。夜中の3時だったか、2時だったか、そのくらいまでかかりました。 ソ・ジソブ:ここで「愛してる」という言葉を何度言ったか覚えてる? イム・スジョン:私は良く覚えていないけれど、数えた方によると21回とか?(笑) イPD:「愛」という台詞は、ドラマではよく使われる言葉ですし、特別な差があるわけじゃないですよね。けれど「愛」という言葉をこうして表現できる女優は多くはいないと思います。 ソ・ジソブ:このドラマで変わったところは特別ないですよね。 イPD:カッコいい台詞がより感動的なのではなく、ドラマで使う言葉を演技を通じてしっかりと表現できたとき、それが感動を伝えるんだと思います。台詞がカッコいいだけで心情が抜け落ちていてはだめなんです。 (愛してる、の台詞) イPD:本当に愛してるようですね。 イム・スジョン:ハハハハ... イム・スジョン:それでも何も言えないムヒョクに...胸が痛みます (ウンチェを負ぶうムヒョク) ソ・ジソブ:これがウンチェとの本当の最後ですね イム・スジョン:うん。本来はもう一度会う機会があったんですよね。でもそのときも監督と色々お話をして、その部分に関しても監督と語り合いましたよね?削除されたシーンでしたが... 【ムヒョクがウンチェの父にもう会わないことを約束】 イPD:こう約束しておいて、また会いに行ってしまうんでしたよね(笑) イム・スジョン:ええ、その時は遠くからウンチェを見守っているだけのムヒョクをウンチェが見つけて、急いで駆け寄るけれど、ムヒョクはウンチェを避けようとする。それが削除になったので、これが本当の最後のシーンになりますよね。 【ウンチェが高熱にうなされる】 イPD:ウンチェのお母さんだね。 (スクチェの「ネ マルン」) イム・スジョン:ハハハ 【雪の中、ムヒョクを待つユン】 ソ・ジソブ:ユン...ここでムヒョクが本当に衝撃的な話を聞くんですよね。 イム・スジョン:うん。 (ユン ソギョンに布団をかける) イPD:ユンも後半演技が良かったですね。 ソ・ジソブ:そばで一緒に撮影しながら、ユンを見ないで撮影した部分もあったので分かりませんでしたが、放送を見て驚きました。とても上手でしたね。 イム・スジョン:ええ。この場面はすばらしいですね。ムヒョクは暗闇、ユンは少し明るく... イPD:私たちのドラマには悪役がいないとスジョンさんが前に話してくれたでしょう? イム・スジョン:はい イPD:お互いを嫌い、憎みますが、結局見方によっては本当に兄弟のような印象を受けますよね、このシーンは。作家の先生がすばらしい台本を書いてくださいましたね。理由も無く悪い人間が出るような、そんなドラマは少し偏りがあります。ユンも結局事情があるんですよね。 (ユンが秘密を打ち明ける瞬間) ソ・ジソブ:私はこのドラマを撮影前に内容を知り撮影していたのですが、最後には...最終回このシーンを撮るとき、台本を見て本当に驚きました。どんな方法で明らかになるのか期待していたんです。自分の弟に、自分が大きな傷を与えたと知ったんです。 イPD:悲劇というのは、実のところ悲劇的な運命というのはムヒョクの過失でもなくユンの過失でもなく、オ・ドゥリが悪いわけでもないですよね。 イム・スジョン:誰が悪いわけでもないんです。こんな部分が他のドラマとこのドラマとの違いなのではないかと、このドラマが多くの方に愛された理由であり、放送を終えて長い時間が流れてもこうしてDVDが発売されて、何度もDVDを見てくださる方々がいて、その方々は今も愛してくださっていて。そうした力につながる部分だと思います。 イPD:考えてみると、古代の悲劇はみんなそうでした。最近はこういうものがなくなってきたので、このドラマはどこか昔の悲劇のようなんです。どうしようもない事情で子供を捨てたということから起こった出来事じゃないですか。社会に対して伝えたい部分が、作家にあったのではないでしょうか。人はこんな話をしようとするのは少し怖くも感じるのではないでしょうか。分かりませんが、ドラマとしてご覧になられたのか、そんな部分まで考えてもらえたのかは...分かりません。 イム・スジョン:多分、社会が養子縁組に対して抱いていた感情がずいぶん変わったのではないでしょうか。ずいぶん助けになったと思います。 イPD:ムヒョクはかわいそうな人です...。 【ムヒョクが外に出ると真っ白な雪が】 イPD:これは偽の雪なのに本物に見えない?毎回見るたびに...(笑) ソ・ジソブ:(社会問題を)あそこまで話しておいて監督〜(笑) イム・スジョン:私は少しでも長く続けようと思ったのに(笑) 【集中治療室前 ムヒョク】 イPD:母さんに会うんだね、ここで。 イム・スジョン:ここでムヒョクが母さんを抱きしめて... ソ・ジソブ:初めて母さんに言いたかったことを少しだけ言葉にした... イム・スジョン:胸が痛かったです... (ムヒョクの胸を激しくたたくオ・ドゥリ) ソ・ジソブ:(胸を叩かれているムヒョクの姿に)胸が痛かったよ、本当に(笑) イPD:こんな状況になったことはないので分かりませんが、私の考えではムヒョクは亡くなっても、それほど気持ちは苦しくなかったのではないかなと。誤解も解けたし、でももっと生きられたら良かったんだろうね..。 ソ・ジソブ:答えはないけれど、ムヒョクは母さんに会って本当に聞きたかったことじゃないですか。 【ムヒョク、 ウンチェの父から事実を知らされる】 ソ・ジソブ:衝撃、衝撃... イム・スジョン:ものすごく衝撃的な...胸の痛みを感じるのはまた両親の世代の罪が、子供たちに覆いかぶさり、かわりに罰を受けるような印象、16話はそれを強く感じましたね。 (ムヒョク、ウンチェの父につかみかかる) ソ・ジソブ:私が最終話のこのシーンを見て感じたのは、このシーンは個人的にも大切に思うんですが、正直演技が気に入らなかったんです。少し時間が経ったら、欲が出た部分でもありますが、とても惜しいです。 イPD:でもドラマというのは、1シーン1シーンも大切ですが、流れゆくものですから、多分この場面では、ムヒョクもそうですし、視聴者の方々もそうですが、非常に腹を立てている状態だったと思います。 イム・スジョン:それでも俳優の立場として、何度も何度もご覧になられて、ご本人が感じられる残念さがあったのでしょうね。 ソ・ジソブ:残念でしたよ。 イム・スジョン:私もこのドラマを通じてたくさん愛されましたが、惜しい面も多くありますね。 ソ・ジソブ:16話は幸せな人が一人もいませんね... イPD:このドラマは基本的に悲劇のために、そんな悲劇を元来の悲劇で終わらせたくないと作家もずいぶん考え抜いたようです。 ソ・ジソブ:気になっていたのは、多くの方がハッピーエンドを望んでいたそうですが、そんな話を多く耳にしましたが、監督は途中で変えてしまおうという考えはなかったのかと イPD:ははは...エンディングを先に撮影したじゃないですか ソ・ジソブ:ええ、それでも... イPD:ああ、視聴者の意見に左右されるのはよくないと思うんです。俳優たち、作家とも、中盤で変えてしまおうかとも話したんですが、この悲劇性がポイントだったんですね。結末を先に考えて、二人の主人公が死んでしまうというのが大きな柱でしたから...。 【ウンチェがムヒョクの電話を何度もならし、「愛してる」とメールを送る】 イPD:こんなに愛してくれる人がいるなんて、どんなに幸せだろうね。 〜一同笑〜 イPD:それでもムヒョクは母もウンチェも自分を捨てたのではないと知り、ウンチェからも愛してるという言葉を聞くことができたから... イム・スジョン:こうしてみると、最終話で一番幸せな人はムヒョクですね(笑) (ムヒョク ユンとの日々を回想) イPD:ここではユンとムヒョク... ソ・ジソブ:(ユンの笑顔を見て)ああ、可愛いな。 イPD:ムヒョクが復讐のために韓国に来て母に会い、自分がしてきたことを回想するシーンです。ドラマの後半部は回想シーンが多くなりましたが、反復的ですが、これは仕方ないんですよね。感情を結末にかけて盛り上げていかなければならないので...。 (ユンが事故を起こした日) ソ・ジソブ:これは僕がこうしたんじゃないぞ? イPD:そうだね(笑) (ウンチェ「来世で会いましょう」の台詞) イPD:この台詞も作家の先生が「来世で」というのが、「生まれ変わったら」というのも、二人の死後も「次の世」じゃないですか、二つの意味があるのかもしれません。ネチズンの皆さんにとっても分析対象になったようです。 【オ・ドゥリの居間 写真の前のムヒョク】 ソ・ジソブ:私はこの場面を最後だと知りながら撮っていましたが、視聴者の皆さんが、このシーンを(母とムヒョクとの)最後だと受け止められたのか、そうでなかったか気になります。 イPD:どんなふうに? ソ:母に最後に会って、死に向かうじゃありませんか。視聴者の皆さんはこの場面を見て、そんなムヒョクの気持ちに気づいたのか、それとも気づかずにご覧になられていたのか。 イPD:ある意味ではジソブさんが仰るようにこのドラマが説明しなかった部分、描かれなかった部分があるじゃないですか。ですからある視聴者の方は“これは一体どうなっているんですか”と問い合わせる方もいらっしゃったようです。 ですから一長一短があるのかもしれませんね。ムヒョクが家の外に出たとき、太陽の光を多く入れ、日差しを取り入れるところがあるんです。このような場面でも言葉での説明がないために、分かりにくい方もいらしたのかもしれませんね。 (オ・ドゥリ ラーメンに「卵を入れる?入れない?」) 一同:ハハハハ... イム・スジョン:ここは本来台本には台詞はなかったじゃないですか。「卵を入れるか、入れないか」と。 イPD:はい、アドリブです。 イム・スジョン:だから温かいですよね、この言葉も。 イPD:演技者たちが現場で抱く感情は、良い演技者ほどにじみ出てくるのかもしれません。 イム・スジョン:ここでさらに胸が痛むのは、本当に母親が息子に愚痴を言うように、オ・ドゥリは今までムヒョクに一度もこうして振舞ったことはなかったのに、この日だけは違っていました。それも胸が痛いですね。 イPD:チソブさんを褒めさせてもらってもいいですか?私が放送現場に来て11年ほどになりますが、最高の演技を見せてもらったようです。 ソ・ジソブ:演技者の立場から申し上げると、まだ足りない点があります(笑) (ムヒョクがラーメンを食べながら涙を流す) ソ・ジソブ:この場面を撮影した時のことを思い出すと、惜しいのは、もっと悲しみを長く... イPD:でも“惜しい”というのは良いことですよ。 (外に出て窓越しにオ・ドゥリに向かいひざまずく) イPD:ああ、これも悲しいですね イム・スジョン:ええ ソ・ジソブ:台詞がなくても、ナレーションが、この家に入ったときも先ほども申し上げましたが、表現が難しかった部分をこうしてナレーションが表現してくれました。より心が伝わったと思います。 イPD:ええ。でもムヒョクの立場で(この場面で)台詞を言うのは難しいですよね。 ソ・ジソブ:はい。 (ムヒョク後姿) イPD:この後姿が哀愁に満ちているとも見えるのかな... イム・スジョン:ハハハ 【老人にムヒョクから手紙が届く】 イPD:ムヒョクはお金がたくさんあったのに、さほど使わなかったんですね。 イム・スジョン:ハハハ ソ・ジソブ:正確にはどのくらい受け取ったんだろう... (「本を出して金を稼いでみせる」の台詞) イPD:ハハハ、本当におかしいですね(笑) (カルチ 泣きながらムヒョクの不在を訴える) イム・スジョン:カルチだ... 【ユン 集中治療室前】 (ウンチェの携帯電話が鳴る) イム・スジョン:(携帯の画面を見て)ハハ、“変態のおじさん”... ソ・ジソブ:ムヒョクは悪い奴みたいだな... イPD:どうして? ソ・ジソブ:胸を痛めて...「愛してる」という言葉を伝えて旅立つじゃないですか。 イPD:それでも言わずにいられないでしょう? ソ・ジソブ:それでも心を決めたのなら、自分自身は気が楽かもしれないですね、「愛してる」と伝えてこの世を去るんだから。でもウンチェの立場からは、その言葉を聞いて、心を痛めながらどうやって生きていけばいいのか... イPD:ウンチェはどう? イム・スジョン:私は... イPD:「ごめん」までの方がいいですか? イム・スジョン:「ごめん...」 ソ・ジソブ:「愛してる」と言ってしまったんだよ(笑) イム・スジョン:ハハハ、そうね、「愛してる」と言っちゃったんだよね。 イPD:どちらも一緒がいいですね。 【バイクに乗るムヒョクの鼻から、鼻血が流れる】 イPD:ああ、この日もものすごく寒くて...。オートバイとは違う方法も考えましたが、うまくいかず結局オートバイでの撮影になりましたが、感情表現が素晴らしかったですね。 ソ・ジソブ:(死に向かうムヒョクを見てつらそうに)ああ... イPD:ドラマとはいえ、実際にこんなことが起こったらとても心が痛むでしょうね。 イム・スジョン:はい... 【老人の「オ・ドゥリが息子を立派に育てたんだな」の台詞】 イPD:この台詞、とても気に入っています。実は息子というのはムヒョクのことを言っているんですよね。 ソ・ジソブ:ドラマ上では母には最後まで気づかれずにいるから... イム・スジョン:うん... イPD:立派な息子の一人ムヒョクがもう一人の息子を救ったというそんな意味のある言葉ですね。 【ウンチェ オーストラリアの空港に降り立つ】 イPD:ウンチェが、髪の毛の色をこのような色で始めましたよね。この状態で撮影し、色を黒く戻していましたね。全く違うイメージですね、久しぶりにみたら。とても上手ですね。 イム・スジョン:オーストラリアのメルボルンで初めてムヒョクに会った時のそのときの姿に戻ったといいますか...それで同じ感じを抱いた場面は、ムヒョクが最後にオートバイに乗ってこの世を去るとき、その時の姿でした。 イPD:あの時ムヒョクはオートバイに乗りヘアバンドをして、そうした方がいいと言われて... イム・スジョン:ええ、そんなふうに同じような場面が二人にあったことを後で知って、ああ、不思議だなと、そんな考えが浮かびました。 【ムヒョクの面影を求めるウンチェが二人で歩く幻想を見る】 イム・スジョン:この時現場で監督がこのように撮影することを仰っていた時、わ〜、素敵だな〜と感じました。私は幻想的になるのかな、と思っていたのですが実際の人物が隣を通り過ぎたようにしたいと仰られたんですよね?素敵でした。 イPD:ファンタジックな印象が生きてくる場合があります。 【埠頭を歩くウンチェ】 イPD:このカットもとても好きです。現場で撮影した時は始まりのようでしたが、真っ白な始まりのような印象でしたが... イム・スジョン:私はすでにこの場所で、そばで撮影されていたときに、もうずいぶん泣いていたんです。この部分を撮りながら長く川を見つめて立っていましたが、涙がどんどん溢れました。この時はとても寒くて、行き止まりで、ごみだらけで、そんな雰囲気の中で、空が晴れ渡っていたんです。日の光がとても美しくて、まぶしくて、綺麗で...そんな場所でムヒョクを想って。 イPD:感情表現が素晴らしいですよ。 イム・スジョン:随分泣いた後に、目が腫れ上がってしまい、撮影監督が“どうしたの”と仰ったほどでした。 ソ・ジソブ:オーストラリアで初めにあらかじめ撮影して、大変じゃなかった? イム・スジョン:本当に心配しました。そのことを監督と初めにずいぶん話し合ったじゃないですか。 イPD:雪原でエンディングを撮影しようか、なんてお話もしましたよね。それでもあれこれ考えてみると、ムヒョクがいる墓地が、外国人墓地じゃないですか。だからムヒョクはウンチェがいる場所から遠く遠く離れた場所へ行こうと考えて、一度はこの国(オーストラリア)から離れて生きてきたけれど、結局この国しかないという状態で、また外国人の間に一人だけ埋葬されたことが一層悲しみを感じさせるんですね。実際にこの場所を見て、スジョンさんもとても感情が深まったのではないでしょうか。 イム・スジョン:はい... イPD:私もとても悲しかったです ソ・ジソブ:実際見られなかったな...土の中にいて... イPD&イム・スジョン:ハハハ 【ムヒョクの墓標】 イム・スジョン:インタビューでも少しお話しましたが、私はこの墓標の中で、「韓国人チャ・ムヒョク、ここに眠る」という墓標がとても...この短い中に、 チャ・ムヒョクの人生自体がひどく気の毒で、生きている時間に深く愛されることがなかったことに対する申し訳なさ、そんなものが感じられるんです。それで涙が出て... イPD:私は助かりましたよ。演技者の皆さんがとても感性豊かなので何か言う必要もなかった(笑)。 愛の完成が、こうして死ぬことだと考えないでもらいたいです。それはとても悲惨なことだから... 【エンドロール ムヒョクの人生を回想する映像が流れ始める】 イPD:この部分は実はドラマ撮影を始める際、考えていたプランでした。ウンチェとムヒョクの愛のドラマでもありますが、人間チャ・ムヒョク、生まれてから死ぬまでの姿を描きたかったのですが、十分には撮れませんでした。ですから後で実際チャ・ムヒョク、ソ・ジソブさんの姿をスチール写真ではありませんが、スチール写真のカットのような印象があるものを流しました。チソブさんは目の輝きで全てを語りますよね?どうしたらそんなことができるの? ソ・ジソブ:台詞がないから目で語るしかありません(笑)。撮影しながら大変でしたよ、台詞もなく眼差しで表現しなければならないということが、とても大変だったし、負担に感じましたし、ストレスも受けて...でも監督や先輩方が... イPD:それはそうでしょうね...。悲しいですが、ウンチェといる幸せな場面を編集者があえてたくさん入れてきたようですね。悲しすぎるから。 ソ・ジソブ:「미안하다, 사랑한다 ミアナダ、サランハンダ(ごめん、愛してる)」....。愛してくださって、ありがとうございます。
【タイトル映像】 イPD:はい、最終回のコメンタリーをはじめます。今回はもっと頑張ります。演出者のイ・ヒョンミンです。 ソ・ジソブ:ソ・ジソブです(照笑) イPD:イム・スジョンです...ははは...初回は私も久しぶりに見たせいか色々とお話もできず... イPD:ドラマに嵌ってしまったからね(笑) イム・スジョン:はい...(笑)。 【ムヒョク、ソギョン、カルチ 部屋でアニメーションを見る】 ソ・ジソブ:ムヒョクが死んでしまうのではないかとカルチが悟り、ソギョンは良く分からないながらも、同じような気持ちを抱き、こんな状況から16回が始まります。 ソ・ジソブ:はい。...カルチに会いたいな。 イPD:ムヒョクのナレーションが良かったと話してくれる方がとても多いそうですね。 イム・スジョン:はい... ソ・ジソブ:作家の先生が言葉で表現できない部分を表現したいと仰っていたのですが、そのイメージがうまく生きていたようですね。 イム・スジョン:ムヒョクが直接言葉にできなかった言葉の数々をナレーションを通じて知ることができていますね。 【新聞記事でウンチェとユンの結婚を知るムヒョク】 イム・スジョン:このときのムヒョクは心理状態がどうだったのか気になっていました。どの程度、気持ちの整理ができていたのか ソ・ジソブ:ええと...覚えている範囲では、ほとんど気持ちは整理していたでしょう。ウンチェを心から愛しているけれど、心を痛めないように、去ろうと...すでに心を決めた状態ですね。 イム・スジョン:でもまだ母に対する気持ちは誤解が解けていない... イPD:ええ、誤解が解けていない状態です。 イム・スジョン:この最終話で秘密が明らかになるんですよね。 イPD:ウンチェは訪ねてきますがウンチェは何も言えず、16話では二人は言葉を交わせないようですね。 イム・スジョン:はい。二人の間に対話がほとんどありませんでしたよね? イPD:チヨンが久しぶりに訪ねてきましたね 【チヨン、ムヒョクの前に現れる】 イム・スジョン:(ムヒョクの青白い顔を見て)最終話に近づくと、実際に、本当に病人のようでした。現場で見たとき、本当に... イPD:痩せましたしね イム・スジョン:本当に痩せましたよね... ソ・ジソブ:始めた時より4kgほど痩せたと思います。元々口数がすくないのに、16話撮影分ではもっと少なかったですね。 イPD:ははは そ:現場に向かうと静かにしていましたし。 イム・スジョン:16話撮影時は俳優だけでなく監督もそうでしたし、ほかのスタッフも全てそうでしたね、雰囲気が...。 ソ・ジソブ:ムヒョクは、生きる方法もあるのに、心を決めていたために... イPD:ムヒョクに電話もできずにウンチェは、16話ではすべての登場人物が何かしようとしてできずに苦しんでいるようですね。少し唐突な設定かもしれませんが、チヨンが来て、ムヒョクも助けられるかもしれないという状況ですね。 イム・スジョン:生きられるかもしれないのに、それもあきらめるという、そうムヒョクが選択したことが、視聴者の涙を誘ったのかなと思います。 イPD:ウンチェもつらかったでしょうね。できることもなく、ただ...対策もないけれど、ただそばにいたいとそんな思いではなかったかなと思うのですが。 イム・スジョン:何かしてあげたいという思いより、ただそばにいなければという気持ちしかなかったんです。それなのに電話もできず、会えたのに一言も出てこなくて、ただただ待ち続けて... 【ウンチェ、ユンとの通話】 イPD:この場面もとても悲しいですね。言葉そのものではなく、雰囲気で伝えるシーンですが... イム・スジョン:この後にも出てきますが、ムヒョクの横にいるのに、ユンとの通話で、ずっと“話がある”と、話があるけれど、まだ話していないと、そんなふうにユンと通話すること自体が...そう話しながら電話を切ってもウンチェはまた何も話さないんですよね。 イPD:だから後で「愛してる」と伝えるんだよね 【オ・ドゥリ ユンの病室】 ソ・ジソブ:久しぶりに母さんを見たな〜(笑)。このドラマで母さんと撮影しながら、親しくなれば演技がより円滑なのですが、先生が避けるんです。親しくなると、それが自然になるから、避けて、言葉も交わさず... イPD:イ・ヘヨンさん、その話をしていらっしゃいましたよ。ムヒョクのために、あえて近づかなかったと言っていました。他の俳優さんはどうか分かりませんが、ムヒョクはなぜか雰囲気が苛立って見えて、あえて避けたと仰っていました。 ソ・ジソブ:先生も後でその話をして下さったんです。個人的には話もたくさんして、たくさん学びたかったんですが、現場で親しくできなかったことが今でもとても残念です。 【ムヒョクを抱きしめるチヨン】 イPD:チヨンとのことを愛だと考えていましたが、それは愛ではなく、もうウンチェの愛のためにチヨンが以前のチヨンではないような感じですね。 【チヨンの歌声】 イPD:ウンチェのこの歌声がOSTに入りましたが、聴いてみましたか? イム・スジョン:はい...(照笑) イPD:すごく良かったですよ〜。私はドラマに登場する歌は状態ではなく感情が大切だと思うんです。 イPD:話が進むにつれ俳優の皆さんも演技が大変だったと思います。つらい状態が多かったので... イム・スジョン:私は一番つらかった部分は本当にウンチェのように、ウンチェがムヒョクが本当に死んでしまうことをずいぶん後に知るじゃないですか。その部分が本当につらかったんです。心の中ではムヒョクを愛しているのに、わざとウンチェがムヒョクに残酷に接して傷つけて...私も実際に現場でも離れているようにしました。オッパを見てもはじめのようには話もせずに... ソ・ジソブ:ああ、なるほど、そうだったのか!俺を嫌いになったんじゃないのか?ああ〜(笑) イム・スジョン:でも実際回が進むごとに二人の間に会話がなくなってしまいましたね 【ムヒョク ウンチェ 肩を並べて座る】 ソ・ジソブ:うん、16話が本当に...ここからも台詞がほどんどなくて。 イPD:ガムを出すのかな? イム・スジョン:ガムをくれるのね(笑) (ムヒョクがガムを差し出す) イム・スジョン:ムヒョクらしいわ イPD:二人はこれで最後だという思いがムヒョクにあったような気がします。 ソ・ジソブ:実際これが最後ですよね? イム・スジョン:はい、最後です...ああ、雪が降ってきた。このドラマで雪が降るのは最終話でのこのシーンが最初で最後ですね。私はこの日が最後だということが本当に残念です。ムヒョクに最後に会えた日だったということが、こうしていながらそして最後も... (ウンチェが立ち上がる) ソ・ジソブ:おい、最後まで何も言わないのか!(笑) イム・スジョン:最後まで何も言わず、それでも電話では話すでしょう?それが残念... イPD:でも別れる事、それ自体が残念でしょう? イム・スジョン:そのためにウンチェは時間がどれだけ流れてもムヒョクを忘れられず、後を追ったのではないかなと、そんなふうに思います。 【地下道へ向かい階段を降りるウンチェの後を歩くムヒョク】 ソ・ジソブ:私はこのシーンがとても気に入っています。 イPD:ええ、私もです。ここはとても時間をかけましたね。夜中の3時だったか、2時だったか、そのくらいまでかかりました。 ソ・ジソブ:ここで「愛してる」という言葉を何度言ったか覚えてる? イム・スジョン:私は良く覚えていないけれど、数えた方によると21回とか?(笑) イPD:「愛」という台詞は、ドラマではよく使われる言葉ですし、特別な差があるわけじゃないですよね。けれど「愛」という言葉をこうして表現できる女優は多くはいないと思います。 ソ・ジソブ:このドラマで変わったところは特別ないですよね。 イPD:カッコいい台詞がより感動的なのではなく、ドラマで使う言葉を演技を通じてしっかりと表現できたとき、それが感動を伝えるんだと思います。台詞がカッコいいだけで心情が抜け落ちていてはだめなんです。 (愛してる、の台詞) イPD:本当に愛してるようですね。 イム・スジョン:ハハハハ... イム・スジョン:それでも何も言えないムヒョクに...胸が痛みます (ウンチェを負ぶうムヒョク) ソ・ジソブ:これがウンチェとの本当の最後ですね イム・スジョン:うん。本来はもう一度会う機会があったんですよね。でもそのときも監督と色々お話をして、その部分に関しても監督と語り合いましたよね?削除されたシーンでしたが... 【ムヒョクがウンチェの父にもう会わないことを約束】 イPD:こう約束しておいて、また会いに行ってしまうんでしたよね(笑) イム・スジョン:ええ、その時は遠くからウンチェを見守っているだけのムヒョクをウンチェが見つけて、急いで駆け寄るけれど、ムヒョクはウンチェを避けようとする。それが削除になったので、これが本当の最後のシーンになりますよね。 【ウンチェが高熱にうなされる】 イPD:ウンチェのお母さんだね。 (スクチェの「ネ マルン」) イム・スジョン:ハハハ 【雪の中、ムヒョクを待つユン】 ソ・ジソブ:ユン...ここでムヒョクが本当に衝撃的な話を聞くんですよね。 イム・スジョン:うん。 (ユン ソギョンに布団をかける) イPD:ユンも後半演技が良かったですね。 ソ・ジソブ:そばで一緒に撮影しながら、ユンを見ないで撮影した部分もあったので分かりませんでしたが、放送を見て驚きました。とても上手でしたね。 イム・スジョン:ええ。この場面はすばらしいですね。ムヒョクは暗闇、ユンは少し明るく... イPD:私たちのドラマには悪役がいないとスジョンさんが前に話してくれたでしょう? イム・スジョン:はい イPD:お互いを嫌い、憎みますが、結局見方によっては本当に兄弟のような印象を受けますよね、このシーンは。作家の先生がすばらしい台本を書いてくださいましたね。理由も無く悪い人間が出るような、そんなドラマは少し偏りがあります。ユンも結局事情があるんですよね。 (ユンが秘密を打ち明ける瞬間) ソ・ジソブ:私はこのドラマを撮影前に内容を知り撮影していたのですが、最後には...最終回このシーンを撮るとき、台本を見て本当に驚きました。どんな方法で明らかになるのか期待していたんです。自分の弟に、自分が大きな傷を与えたと知ったんです。 イPD:悲劇というのは、実のところ悲劇的な運命というのはムヒョクの過失でもなくユンの過失でもなく、オ・ドゥリが悪いわけでもないですよね。 イム・スジョン:誰が悪いわけでもないんです。こんな部分が他のドラマとこのドラマとの違いなのではないかと、このドラマが多くの方に愛された理由であり、放送を終えて長い時間が流れてもこうしてDVDが発売されて、何度もDVDを見てくださる方々がいて、その方々は今も愛してくださっていて。そうした力につながる部分だと思います。 イPD:考えてみると、古代の悲劇はみんなそうでした。最近はこういうものがなくなってきたので、このドラマはどこか昔の悲劇のようなんです。どうしようもない事情で子供を捨てたということから起こった出来事じゃないですか。社会に対して伝えたい部分が、作家にあったのではないでしょうか。人はこんな話をしようとするのは少し怖くも感じるのではないでしょうか。分かりませんが、ドラマとしてご覧になられたのか、そんな部分まで考えてもらえたのかは...分かりません。 イム・スジョン:多分、社会が養子縁組に対して抱いていた感情がずいぶん変わったのではないでしょうか。ずいぶん助けになったと思います。 イPD:ムヒョクはかわいそうな人です...。 【ムヒョクが外に出ると真っ白な雪が】 イPD:これは偽の雪なのに本物に見えない?毎回見るたびに...(笑) ソ・ジソブ:(社会問題を)あそこまで話しておいて監督〜(笑) イム・スジョン:私は少しでも長く続けようと思ったのに(笑) 【集中治療室前 ムヒョク】 イPD:母さんに会うんだね、ここで。 イム・スジョン:ここでムヒョクが母さんを抱きしめて... ソ・ジソブ:初めて母さんに言いたかったことを少しだけ言葉にした... イム・スジョン:胸が痛かったです... (ムヒョクの胸を激しくたたくオ・ドゥリ) ソ・ジソブ:(胸を叩かれているムヒョクの姿に)胸が痛かったよ、本当に(笑) イPD:こんな状況になったことはないので分かりませんが、私の考えではムヒョクは亡くなっても、それほど気持ちは苦しくなかったのではないかなと。誤解も解けたし、でももっと生きられたら良かったんだろうね..。 ソ・ジソブ:答えはないけれど、ムヒョクは母さんに会って本当に聞きたかったことじゃないですか。 【ムヒョク、 ウンチェの父から事実を知らされる】 ソ・ジソブ:衝撃、衝撃... イム・スジョン:ものすごく衝撃的な...胸の痛みを感じるのはまた両親の世代の罪が、子供たちに覆いかぶさり、かわりに罰を受けるような印象、16話はそれを強く感じましたね。 (ムヒョク、ウンチェの父につかみかかる) ソ・ジソブ:私が最終話のこのシーンを見て感じたのは、このシーンは個人的にも大切に思うんですが、正直演技が気に入らなかったんです。少し時間が経ったら、欲が出た部分でもありますが、とても惜しいです。 イPD:でもドラマというのは、1シーン1シーンも大切ですが、流れゆくものですから、多分この場面では、ムヒョクもそうですし、視聴者の方々もそうですが、非常に腹を立てている状態だったと思います。 イム・スジョン:それでも俳優の立場として、何度も何度もご覧になられて、ご本人が感じられる残念さがあったのでしょうね。 ソ・ジソブ:残念でしたよ。 イム・スジョン:私もこのドラマを通じてたくさん愛されましたが、惜しい面も多くありますね。 ソ・ジソブ:16話は幸せな人が一人もいませんね... イPD:このドラマは基本的に悲劇のために、そんな悲劇を元来の悲劇で終わらせたくないと作家もずいぶん考え抜いたようです。 ソ・ジソブ:気になっていたのは、多くの方がハッピーエンドを望んでいたそうですが、そんな話を多く耳にしましたが、監督は途中で変えてしまおうという考えはなかったのかと イPD:ははは...エンディングを先に撮影したじゃないですか ソ・ジソブ:ええ、それでも... イPD:ああ、視聴者の意見に左右されるのはよくないと思うんです。俳優たち、作家とも、中盤で変えてしまおうかとも話したんですが、この悲劇性がポイントだったんですね。結末を先に考えて、二人の主人公が死んでしまうというのが大きな柱でしたから...。 【ウンチェがムヒョクの電話を何度もならし、「愛してる」とメールを送る】 イPD:こんなに愛してくれる人がいるなんて、どんなに幸せだろうね。 〜一同笑〜 イPD:それでもムヒョクは母もウンチェも自分を捨てたのではないと知り、ウンチェからも愛してるという言葉を聞くことができたから... イム・スジョン:こうしてみると、最終話で一番幸せな人はムヒョクですね(笑) (ムヒョク ユンとの日々を回想) イPD:ここではユンとムヒョク... ソ・ジソブ:(ユンの笑顔を見て)ああ、可愛いな。 イPD:ムヒョクが復讐のために韓国に来て母に会い、自分がしてきたことを回想するシーンです。ドラマの後半部は回想シーンが多くなりましたが、反復的ですが、これは仕方ないんですよね。感情を結末にかけて盛り上げていかなければならないので...。 (ユンが事故を起こした日) ソ・ジソブ:これは僕がこうしたんじゃないぞ? イPD:そうだね(笑) (ウンチェ「来世で会いましょう」の台詞) イPD:この台詞も作家の先生が「来世で」というのが、「生まれ変わったら」というのも、二人の死後も「次の世」じゃないですか、二つの意味があるのかもしれません。ネチズンの皆さんにとっても分析対象になったようです。 【オ・ドゥリの居間 写真の前のムヒョク】 ソ・ジソブ:私はこの場面を最後だと知りながら撮っていましたが、視聴者の皆さんが、このシーンを(母とムヒョクとの)最後だと受け止められたのか、そうでなかったか気になります。 イPD:どんなふうに? ソ:母に最後に会って、死に向かうじゃありませんか。視聴者の皆さんはこの場面を見て、そんなムヒョクの気持ちに気づいたのか、それとも気づかずにご覧になられていたのか。 イPD:ある意味ではジソブさんが仰るようにこのドラマが説明しなかった部分、描かれなかった部分があるじゃないですか。ですからある視聴者の方は“これは一体どうなっているんですか”と問い合わせる方もいらっしゃったようです。 ですから一長一短があるのかもしれませんね。ムヒョクが家の外に出たとき、太陽の光を多く入れ、日差しを取り入れるところがあるんです。このような場面でも言葉での説明がないために、分かりにくい方もいらしたのかもしれませんね。 (オ・ドゥリ ラーメンに「卵を入れる?入れない?」) 一同:ハハハハ... イム・スジョン:ここは本来台本には台詞はなかったじゃないですか。「卵を入れるか、入れないか」と。 イPD:はい、アドリブです。 イム・スジョン:だから温かいですよね、この言葉も。 イPD:演技者たちが現場で抱く感情は、良い演技者ほどにじみ出てくるのかもしれません。 イム・スジョン:ここでさらに胸が痛むのは、本当に母親が息子に愚痴を言うように、オ・ドゥリは今までムヒョクに一度もこうして振舞ったことはなかったのに、この日だけは違っていました。それも胸が痛いですね。 イPD:チソブさんを褒めさせてもらってもいいですか?私が放送現場に来て11年ほどになりますが、最高の演技を見せてもらったようです。 ソ・ジソブ:演技者の立場から申し上げると、まだ足りない点があります(笑) (ムヒョクがラーメンを食べながら涙を流す) ソ・ジソブ:この場面を撮影した時のことを思い出すと、惜しいのは、もっと悲しみを長く... イPD:でも“惜しい”というのは良いことですよ。 (外に出て窓越しにオ・ドゥリに向かいひざまずく) イPD:ああ、これも悲しいですね イム・スジョン:ええ ソ・ジソブ:台詞がなくても、ナレーションが、この家に入ったときも先ほども申し上げましたが、表現が難しかった部分をこうしてナレーションが表現してくれました。より心が伝わったと思います。 イPD:ええ。でもムヒョクの立場で(この場面で)台詞を言うのは難しいですよね。 ソ・ジソブ:はい。 (ムヒョク後姿) イPD:この後姿が哀愁に満ちているとも見えるのかな... イム・スジョン:ハハハ 【老人にムヒョクから手紙が届く】 イPD:ムヒョクはお金がたくさんあったのに、さほど使わなかったんですね。 イム・スジョン:ハハハ ソ・ジソブ:正確にはどのくらい受け取ったんだろう... (「本を出して金を稼いでみせる」の台詞) イPD:ハハハ、本当におかしいですね(笑) (カルチ 泣きながらムヒョクの不在を訴える) イム・スジョン:カルチだ...
【ユン 集中治療室前】 (ウンチェの携帯電話が鳴る) イム・スジョン:(携帯の画面を見て)ハハ、“変態のおじさん”... ソ・ジソブ:ムヒョクは悪い奴みたいだな... イPD:どうして? ソ・ジソブ:胸を痛めて...「愛してる」という言葉を伝えて旅立つじゃないですか。 イPD:それでも言わずにいられないでしょう? ソ・ジソブ:それでも心を決めたのなら、自分自身は気が楽かもしれないですね、「愛してる」と伝えてこの世を去るんだから。でもウンチェの立場からは、その言葉を聞いて、心を痛めながらどうやって生きていけばいいのか... イPD:ウンチェはどう? イム・スジョン:私は... イPD:「ごめん」までの方がいいですか? イム・スジョン:「ごめん...」 ソ・ジソブ:「愛してる」と言ってしまったんだよ(笑) イム・スジョン:ハハハ、そうね、「愛してる」と言っちゃったんだよね。 イPD:どちらも一緒がいいですね。 【バイクに乗るムヒョクの鼻から、鼻血が流れる】 イPD:ああ、この日もものすごく寒くて...。オートバイとは違う方法も考えましたが、うまくいかず結局オートバイでの撮影になりましたが、感情表現が素晴らしかったですね。 ソ・ジソブ:(死に向かうムヒョクを見てつらそうに)ああ... イPD:ドラマとはいえ、実際にこんなことが起こったらとても心が痛むでしょうね。 イム・スジョン:はい... 【老人の「オ・ドゥリが息子を立派に育てたんだな」の台詞】 イPD:この台詞、とても気に入っています。実は息子というのはムヒョクのことを言っているんですよね。 ソ・ジソブ:ドラマ上では母には最後まで気づかれずにいるから... イム・スジョン:うん... イPD:立派な息子の一人ムヒョクがもう一人の息子を救ったというそんな意味のある言葉ですね。 【ウンチェ オーストラリアの空港に降り立つ】 イPD:ウンチェが、髪の毛の色をこのような色で始めましたよね。この状態で撮影し、色を黒く戻していましたね。全く違うイメージですね、久しぶりにみたら。とても上手ですね。 イム・スジョン:オーストラリアのメルボルンで初めてムヒョクに会った時のそのときの姿に戻ったといいますか...それで同じ感じを抱いた場面は、ムヒョクが最後にオートバイに乗ってこの世を去るとき、その時の姿でした。 イPD:あの時ムヒョクはオートバイに乗りヘアバンドをして、そうした方がいいと言われて... イム・スジョン:ええ、そんなふうに同じような場面が二人にあったことを後で知って、ああ、不思議だなと、そんな考えが浮かびました。 【ムヒョクの面影を求めるウンチェが二人で歩く幻想を見る】 イム・スジョン:この時現場で監督がこのように撮影することを仰っていた時、わ〜、素敵だな〜と感じました。私は幻想的になるのかな、と思っていたのですが実際の人物が隣を通り過ぎたようにしたいと仰られたんですよね?素敵でした。 イPD:ファンタジックな印象が生きてくる場合があります。 【埠頭を歩くウンチェ】 イPD:このカットもとても好きです。現場で撮影した時は始まりのようでしたが、真っ白な始まりのような印象でしたが... イム・スジョン:私はすでにこの場所で、そばで撮影されていたときに、もうずいぶん泣いていたんです。この部分を撮りながら長く川を見つめて立っていましたが、涙がどんどん溢れました。この時はとても寒くて、行き止まりで、ごみだらけで、そんな雰囲気の中で、空が晴れ渡っていたんです。日の光がとても美しくて、まぶしくて、綺麗で...そんな場所でムヒョクを想って。 イPD:感情表現が素晴らしいですよ。 イム・スジョン:随分泣いた後に、目が腫れ上がってしまい、撮影監督が“どうしたの”と仰ったほどでした。 ソ・ジソブ:オーストラリアで初めにあらかじめ撮影して、大変じゃなかった? イム・スジョン:本当に心配しました。そのことを監督と初めにずいぶん話し合ったじゃないですか。 イPD:雪原でエンディングを撮影しようか、なんてお話もしましたよね。それでもあれこれ考えてみると、ムヒョクがいる墓地が、外国人墓地じゃないですか。だからムヒョクはウンチェがいる場所から遠く遠く離れた場所へ行こうと考えて、一度はこの国(オーストラリア)から離れて生きてきたけれど、結局この国しかないという状態で、また外国人の間に一人だけ埋葬されたことが一層悲しみを感じさせるんですね。実際にこの場所を見て、スジョンさんもとても感情が深まったのではないでしょうか。 イム・スジョン:はい... イPD:私もとても悲しかったです ソ・ジソブ:実際見られなかったな...土の中にいて... イPD&イム・スジョン:ハハハ 【ムヒョクの墓標】 イム・スジョン:インタビューでも少しお話しましたが、私はこの墓標の中で、「韓国人チャ・ムヒョク、ここに眠る」という墓標がとても...この短い中に、 チャ・ムヒョクの人生自体がひどく気の毒で、生きている時間に深く愛されることがなかったことに対する申し訳なさ、そんなものが感じられるんです。それで涙が出て... イPD:私は助かりましたよ。演技者の皆さんがとても感性豊かなので何か言う必要もなかった(笑)。 愛の完成が、こうして死ぬことだと考えないでもらいたいです。それはとても悲惨なことだから... 【エンドロール ムヒョクの人生を回想する映像が流れ始める】 イPD:この部分は実はドラマ撮影を始める際、考えていたプランでした。ウンチェとムヒョクの愛のドラマでもありますが、人間チャ・ムヒョク、生まれてから死ぬまでの姿を描きたかったのですが、十分には撮れませんでした。ですから後で実際チャ・ムヒョク、ソ・ジソブさんの姿をスチール写真ではありませんが、スチール写真のカットのような印象があるものを流しました。チソブさんは目の輝きで全てを語りますよね?どうしたらそんなことができるの? ソ・ジソブ:台詞がないから目で語るしかありません(笑)。撮影しながら大変でしたよ、台詞もなく眼差しで表現しなければならないということが、とても大変だったし、負担に感じましたし、ストレスも受けて...でも監督や先輩方が... イPD:それはそうでしょうね...。悲しいですが、ウンチェといる幸せな場面を編集者があえてたくさん入れてきたようですね。悲しすぎるから。 ソ・ジソブ:「미안하다, 사랑한다 ミアナダ、サランハンダ(ごめん、愛してる)」....。愛してくださって、ありがとうございます。