:::チャ・ムヒョク 演技者:ソ・ジソブ:::
“振り返ってみると、どうしようもない人生だった。野良犬みたいな人生の中でも、一番良くできた事はソ・ウンチェという一人の女性を愛したことで、一番後悔している事は、ソ・ウンチェという一人の女性を忘れられなかったことだ”
気難しくて気が荒く、知らない罵倒などない。一度頭にきたら最後まで勝負をつけないと気がすまないほど血の気が多い。喧嘩も強い。絶対に負けられないタイプだ。嘘も食事をするように平気でつく。自分自身を野良犬のような奴だと考えている。(内面を知れば、彼ほど善良であたたかく、羊のような男は他にいないのに…)
生まれ出てすぐに母親に捨てられ、2歳の時にオーストラリアに養子縁組された。彼のもうひとつの名はデニー・アンダーソン。気難しい義父から虐待を受け、彼が10歳になった日に家を出ると、路上で公演するピエロのおじさんに会い、父親のように慕って暮らした。だが、そのピエロのおじさんも彼と5年を過ごすと、彼を捨てて出て行った。こうして捨てられることに彼はすっかり慣れてしまった。
そして野良犬のように生きた。食べていくためにギャングについていき、強奪もしてみたし、麻薬の調達までもした。健全で正当な方法で金を稼いだことは数回あるが…。指折り数えてみるが、やめてしまった。記憶に残っていないのか、指折り数えるのが面倒なのか。
20歳になったとき、ムン・ジヨンという韓国人の入養女性に出会った。青い目の兄のせいで不幸な境遇にいたチヨンを救った。チヨンは家に帰らず(確かに、兄のせいで戻れない状況だったが)ずっと俺の周りをガムみたいに付いて歩いた。
そうして7年を共に過ごした。チヨンは俺に韓国を教えてくれて、韓国の言葉も教えてくれた。俺はチヨンに中毒になったようだ。それなのに、チヨンもまた俺を置いて行ってしまった。メルボルンでも指折りの富豪である50歳の老人の元へ。
死ぬにしても俺の国へ行って死ねとたわごとを言うチヨンに従い韓国に戻った。そして知らなければ良かった非情な現実を知った。
俺は今、非情な母に対し凄絶な復讐を企ている。誰も俺を止めることはできない。いや…誰かが俺を止めてくれたらいいのに。そこに…俺の弟の恋人、ソ・ウンチェが見えた。
:::ソン・ウンチェ 演技者:イム・スジョン:::
“私の人生に、二人の男性がいた。5歳の頃から20年愛し続けた家族のような男性、ユン。ある日突然私の前に現れた野良犬みたいな男性、ムヒョク….”
韓国に二人といない国宝級の純情派。愛がどんなものなのか、ちゃんと知っている。さっと手にしてみたら、さわやかで甘い果物の香りがしそうなほどみずみずしくて新鮮な女性だ。トコトコトコ…歩みもそんな雰囲気だ。どんな困難と試練が来ようとも決してひるんだり退いたりしない。熱い血が流れる情熱派だ。純粋に他人のことで激しく言い争うし、市場のおばさんのように喧嘩もするけれど、その姿がとても可愛くて死にそうになる人もいるくらいだ。のちに国際短編映画祭で主演女優賞ももらえるはずだ。
ロミオを追い、毒薬を飲んで死ぬジュリエットが彼女の偶像だ。彼女のように素敵な人になりたいし、そんなファンタスティックな人生を生きて行かなきゃ…口癖のように言ってきた。そしてその言葉が現実となる…
韓国最高の歌手、チェ・ユンのコーディネーターだ。自分の母もユンの母のコーディネーターだった。簡単にいえば親子代々チェ家のコーディネーターをしている。ユン家の敷地内で家族や姉妹も共に暮らしている。ウンチェの父はユンの母の自家用車の運転をし、ウンチェノ母はユンの家の家政婦をしている。だからといってユンの家の人に卑屈に振る舞ったり気後れして暮らしたことなどない。
20年間、一度も脇目をふらずにユンだけ見て生きて来た。ユンの全てのことをユンよりずっと知っている。母に言えないことも私には隠さず話してくれる。ユンにとって私はただ分身のような友だ。
ユンに私の気持ちを告白しようと数億回決心するたびに消してきた。彼のために死ぬこともできるけれど、愛してるという言葉は死んでも言えない。今はユンにとって愛のメッセンジャーとしての役割だけしてあげるだけでいい。心臓が張り裂けそうだけれど、ユンが幸せならそれでもいい。
野良犬みたいな男チャ・ムヒョクがユンのマネージャーとしてやってきた。これほどマナーが悪い男性には初めて会った。
こんな男をどんな女性が愛すると言うの?そんな女性がいたら頑張って、とクッパ1杯でもご馳走してあげたいわ。そんな女性が、私がクッパをご馳走してあげたいその女性がまさに私だなんて…どうかしたみたい。
:::チェ・ユン 演技者:チョン・ギョンホ:::
“兄さんの怒り、兄さんの寂しさ、すべて理解できるけれど...ウンチェはだめだ...ウンチェだけは構わないでくれ、頼む”
韓国最高のトップシンガー。天才的な音感を持つ。死の淵をさまよう間、ウンチェのまぶしい愛に気がつく。僕は正直、一度もウンチェのいない人生を想像したこともない。僕が振り向けばウンチェがいつもその場所にいて、僕を見つめてくれた。ウンチェがいつか僕のそばから離れていくこともあるという事実に目を向けもせず。ウンチェがいなければ...僕もいないも同然だ。
:::カン・ミンジュ 演技者:ソ・ジヨン:::
“私にとって愛はゲームじゃない。悪いけど私、愛なんて信じない”
ユンと肩を並べるほどの韓国最高の女性シンガー。ウンチェとは同じ女子高に通い、最も気楽に親しく接してきた。二人は趣向も関心も驚くほど同じだった。ユンはかなり魅力的だ。私もユンが好き。ユンが付き合おうと言って来た。ユンは本当に素敵だけれど、不思議と何かしきりに寂しさを感じる。その隙間に入り込むよう一人の男が現れた。その男は私が心から求めるものが何なのか、渇望するものが何かを知っていた。ユンは好きだけれど、その男を愛し始めてしまった。
:::ムン・ジヨン 演技者:チェ・ヨジン:::
両親に捨てられ孤児院で育ち、10歳の時にオーストラリアに養子縁組で入国した。自分を危機から救ってくれたムヒョクと7年間共に暮らしたが、結婚は拒んだ。
ムヒョクを愛していたが、愛よりもお金の方がずっと重要だった。ところが自分のために頭部に銃弾を受け韓国へ帰ったムヒョクのことがしきりに思い出され、結局ムヒョクを訪ねて韓国へやってくる。
:::オドゥリ 演技者:イ・へヨン:::
ユンの母。ムヒョクとソギョンの生みの母。
:::ユン・ソギョン 演技者:チョン・ヘジン:::
ムヒョクと共にこの世に生まれた双子の姉。
:::ソン・デチョン 演技者:イ・ヨンハ:::
ウンチェの父。オドゥリの幼馴染で運転手。
:::チャン・ヘスク 演技者:キム・ヘオク:::
ウンチェの母。オドゥリの幼馴染でチェ家の家政婦。
:::ミン・ヒョンソク 演技者:シン・グ:::
新聞社の編集局長。オドゥリのスキャンダルを知り、ムヒョクとソギョンの足跡を追って来た。
:::ソン・スクチェ 演技者:オク・チヨン:::
ウンチェの姉。
:::ソン・ミンチェ 演技者:チョン・ファヨン:::
ウンチェの妹。
:::キム・カルチ 演技者:パク・コンテ:::
ソギョンの息子。