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天国の階段
 原題:천국의 계단 前半

 


2002年韓国 監督:イ・ジャンス

出演:シン・ヒョンジュン チェ・ジウ クォン・サンウ キム・テヒ

 


【 is のあらすじ紹介 ハン・テファ編 前半】

 ハン・テファは、金遣いが荒く定職にも付かない父親ハン・ピルスと妹のユリとの3人で幼い頃から貧しい暮らしをしていた。15年前に家を出た母親テ・ミラは父が5年間の刑期を終え戻った夜に突然現れる。女優である母は、これまでピルスにお金を渡し続けていたが、再婚を機に縁を切 ろうとする。母に付いて行こうと、妹のユリは泣きながら、振り向きもしないミラの車を追いかけるが、テファはただ黙って見ているだけだった。母親の愛情を十分に受けずに育ったテファは、感情を心の内に秘める少年だった。

 母親の再婚相手は建築家のハン教授。テファとユリはこのハン家に引き取られることになる。父親のピルスは真面目に働くことはできない男だったが、情が深く、心の底ではテファとユリの幸せを願っていた。二人をお腹いっぱい食べさせてから、涙を隠しながらハン家に送り届ける。テファは去っていく父を追うが、ピルスはテファを振り払って行ってしまう。ハン家では、ミラの他に一人娘のハン・ジョンソがいた。笑顔で挨拶され、手を差し伸べられたが逃げ出してしまう。テファは他人に簡単に心を開くことはできなかった。家から飛び出し、父親が泣く姿を見つけて近づこうとするが、テファの幸せを願うピルスは逃げていってしまう。


  新しい家での生活はテファにとって苦痛そのものだった。自分にひとかけらの愛情も示さない母親との暮らしは彼の心をさらに頑なにさせていく。妹のユリは同じ年であるチョンソに対し、嫉妬心を抱き、つらく当たっていたが、テファにとっては関係の無いことだった。テファにとっては、部屋で1人絵を描くことが唯一落ち着くことのできる時間。自分の書いた絵に興味を示し、ほめてくれるチョンソに対し当初は返事もせずにいた。ある出来事でハン・ジョンソがミラに虐待を受けていることを知り、ついかばってしまう。自分の割った壷をいかにもチョンソが割ったかのようにハン教授に話す母が許せずに、「俺がやった」と言うテファ。ミラは腹を立て、テファを衣裳部屋に閉じ込め、部屋の暖房を切ってしまう。薄着だったテファは寒さで震えながら母親の衣装に包まり寒さをしのいだ。翌日、誰かが部屋のドアを開ける。ハン・ジョンソだった。テファのための食事を用意して持ってきてくれたのだ。チョンソはテファの誕生日のためにわかめスープを作ってくれた。プレゼントの手編みのマフラーを首に巻いてもらい、テファの心は少しずつ温まっていく。「オッパ、お誕生日おめでとう」と部屋を出て行くチョンソ。チョンソの作ったわかめスープ、首に巻いてもらったマフラーのあたたかさで、テファはこらえていた涙が次から次へと溢れてくるのを止められなかった。

 「男として好きか?嫌いか?」と彼女に詰め寄るがチョンソはただ兄としてテファに接するばかり。写生大会に来てほしいとチョンソを呼び出し、彼女をひたすら待ち続ける。現れたチョンソに、表情が明るくなるテファ。このとき描いた絵が受賞することになる。学校での授賞発表、賞状を受け取りチョンソを見つめて嬉しそうに「ハン・ジョンソ!オッパがついてるぞ〜!」と叫び、チョンソを困らせる。チョンソには幼馴染の親しい男友達がいた。チャ・ソンジュ、グローバルグループの御曹司だった。妹のユリがソンジュへ想いを抱いていたが、ソンジュはアメリカへ留学してしまう。ソンジュの留学中の3年間、テファはつらいときも楽しいときもチョンソの傍にいた。二人は兄と妹として支えあい生きていたのだ。

 時が流れ、チョンソは高校を卒業し、アメリカへの留学準備を始める。テファは寂しい気持ちを抑えてチョンソを明るく見送ろうとするが、ユリにそそのかされ酒に酔ってチョンソへすがってしまう。泣きながら「行くな。行かないでくれ!」というテファに、チョンソは自分は妹だから、気持ちに応えることはできないと突き放す。ユリはソンジュと共に留学するチョンソが憎く、なんとか邪魔をしようとチョンソをののしり、もみ合いになる。ちょうどソンジュからの電話が入り、チョンソは走って家を出て行ってしまう。あわてて追うテファ、ユリが免許も持たずに車を運転することには気が付かなかった。グローバルランドへ向かう途中、チョンソを見失うが、テファは走り続けた。失いたくない、チョンソだけは...。ようやくグローバルランドが見えた。様子がおかしい。自動車事故の後、血痕、呆然と立ちすくむ青年。テファは何かを察し、ソンジュの横を走り抜ける。病院を探しても見つからず、家に戻りユリを待っていた。車で戻ったユリの白い服は赤い血で染まっていた。「チョンソはどこだ!チョンソに何をした!」知らない振りをしたユリだったが、父ピルスの元にいることを聞き、すぐに駆けつけると、そこには大怪我を負い、意識を失ったままのチョンソが横たわっていた。全身の力が抜け、混乱するテファ。妹のユリのしてしまったことに、チョンソを病院に連れて行くことはできず、二人で祈る想いで意識が戻るのを待ち続けた。しばらくして意識を取り戻したチョンソは、記憶を全て失っていた。チョンソを失いたくない、傍にいてほしいテファはピルスに3人でここを出ようと話す。反対するピルスだったが、テファの強い意志に導かれるように3人はその場を去る。

 5年後、チョンソはキム・ジスとして市場で自らデザインした洋服を売っていた。テファはハン・チョルスとしてチスの仕事を手伝いながら、絵を描いて暮らしていた。二人は仲のいい恋人同士だった。チョンソは記憶を失っていたが、それでもテファは幸せだった。チョンソとの生活を5年間、大切に暮らしてきた。ある日、チス(チョンソ)が「グローバルランドでデートしよう!」と電話をかけてくる。気が進まなかった。グローバルグループはソンジュの母が経営する場所だからだ。しぶしぶ約束の回転木馬前に出かけるチョルス(テファ)。チスが回転木馬前の真っ白な壁を指差し、「ここに絵を描いてくれたら婚約指輪をあげる!」と突然婚約の話を切り出す。張り紙を見てチョルスの絵を提出し、応募していたのだった。すぐに返事ができなかった。グローバルランドの壁画となると、ソンジュに会ってしまったら...。チスの明るい問いかけにしぶしぶ「O.K」と約束するチョルス。回転木馬に乗り、自分に手を振るチスを見つめて、この幸せがずっと続いたらと願うチョルスだった。回転木馬から降りてきたチスの肩に手をまわし、歩き出す二人。突然背後から「ハン・ジョンソ!!」と声がする。1人の青年がチスをじっと見つめている。「ハン・ジョンソ」チョンソの名を呼び、彼女を抱きしめようとする。チョルスはあわてて青年を突き飛ばし、チスの手をとり走り出す。チスの「オッパ、あの人知らない?あの人、もしかしたら私の昔のことを知っているかも」との言葉に動揺し、5年前、火事で両親を失ったことを強い口調でチスに話し、「行って確かめて来い!」と、転んで足を痛めたチスを置いて一人バスに乗って行く。

 家に戻ったチスの足を冷やすチョルスは、またグローバルランドで出会った男の話をするチスに腹を立てる。チスを失いたくないと焦っていた。チョンソだと分かったら、彼に連れて行かれてしまうに違いない。「天国」をイメージした壁画を描き始めたチョルスの元へ、あの時の青年が現れる。チャ・ソンジュだ。「天国」の壁画はチョンソへのプレゼントだと聞き、ますます追い詰められるチョルス。久しぶりに会ったユリに「この世からチョンソを消したのはオッパなのよ!」ときつい言葉で責められ、ソンジュとユリが婚約していることを知り、二人でどこかへ逃げるように言われるが、逃げたりはできなかった。その後、チスからの電話の優しい声に思わず涙が溢れ出す。「チョンソ...」と泣き崩れ、夕食を作って待つチスの元へなかなか帰れず、酒に酔い家へと戻るチョルス。自分のために料理を作り、待っていてくれるチスを見て、愛しさとせつなさがこみ上げるチョルス、チスをきつく抱きしめる。

 チスの店「イカロス」が市場から出て行くことになり、ソンジュの経営するグローバルグループ内に移転することになる。チスに近づくソンジュに、チョルスの胸は張り裂けそうになる。チスがソンジュと共にハン家に行くことを知り、たまらず家の前まで行ってしまうチョルス。「私が自分以上にオッパを愛してると言ったこと、覚えてる?」というチスを信じて、じっと外で待っていた。しばらくしてハン家から出てきたチスは泣きながらチョルスの元へ戻ってくる。二人は手をつなぎ外を歩き、ラーメンを食べ、お互いの想いを確かめ合った。戻ってきてくれたチスに、用意してあった指輪を贈るチョルス。チスはソンジュのハン・ジョンソへの想いに何故か心が痛むのだが、愛するのはハン・チョルス、ただ1人だった。二人はこの瞬間、心からお互いを必要としていた。壁画が完成したら、全て話そう。そして婚約しよう。そう心に決めるチョルスだった。

 チスとの約束の夜、絵画展に出かけたチョルスは、展示してある絵画の中に、自分が趣味で描いた模倣画を見つける。どうして、この絵がここに...。グローバルグループの経営する画廊と知り、ユリに詰め寄るテファ。ユリは全く知らずにテファを振り切って行ってしまう。

 その頃、チスは会社の飲み会でクラブに行っていた。チョルスとの約束を気にしながらも、なかなか抜け出せないチス。ソンジュが酔いつぶれてチスをハン・ジョンソと思い込み、泣き崩れる様子にたまらなくなり、クラブを飛び出す。そこにユリの運転する車が...チスの脳裏に事故の記憶がよみがえる。

 チョルスは壁画が完成し、チスへプレゼントの洋服を部屋に用意して、壁画の完成式に出席する。
そこへ現れたチス。表情がいつもと違う。何があったんだ?グローバルランドで遠くから自分を見つめるいつもとは明らかに違うチスの顔色に何かを察し、チョルスは走り出す。(後半へ続く)


【is の好きなシーン】

シン・ヒョンジュン氏がインタビューで”わざと強いキャラクターを演じた”という前半のハン・チョルス。魅力がいっぱいで「これ!」と決められないですが、印象に残った表情を書いてみます!

○屋上でチスの帰りを不安そうに待つチョルス。チスが踊ってみせる様子にふと見せる笑顔!
○チスがソンジュに連れられてハン家に入る前、「未練がましく振り返ったら、死んでも離さないからな」と言ったときの表情!画面の前で大きくうなずく私^^;
○チスに指輪を渡した漢江沿いでのチョルス!幸せいっぱいの笑顔に私も嬉し〜!!
○壁画完成式、決意の表情でスピーチするチョルス!全て話す覚悟を決めたチョルスはそれまでの不安が消え、落ち着いた表情をしていました。

他にもあげたらきりがないですが...。皆さんのお気に入りのチョルスの表情はどれですか?

「天国の階段」ストーリー第1話〜最終話までは カフェ チョングク にもご紹介してあります(^^)