トップへ出演作品トップへ


無影剣
 무영검 英題:Shadowless Sword

 


2005年韓国 監督:キム・ヨンジュン

出演:シン・ヒョンジュン イ・ソジン ユン・ソイ イ・ギヨン 

 


【 is のあらすじ紹介&感想】

キム・ヨンジュン監督作「無影剣」は武侠映画「飛天舞(アウトライブ)」に続く作品。「飛天舞(アウトライブ)」ファンの私はかなり肩に力を入れて見始めましたが、飛天舞よりはファンタジックに仕上がっていて想像以上にほっとできる場面が多く、切ない場面とともに、全体的に楽しめる作品でした。

時代は928年、中国大陸にあった渤海国とキタイ人の戦いが物語の背景となっています。主人公テ・ジョンヒョン(イ・ソジン)は渤海国最後の王として生まれましたが、内乱によってまだ少年の頃に国を去り、その後は生きる目的も見失ったかのように放浪していました。最後の王テ・ジョンヒョンを探しに現れた美しい女剣士ヨン・ソハ(ユン・ソイ)は彼を キタイ人との戦いへ向かう渤海国のリーダーとして国へ連れ帰ろうとします。一方渤海国一族への復讐と自分の野望のために祖国を裏切ってキタイ人の手先になったクン・ファピョン(シン・ヒョンジュン)は、必ず王子を探しだして暗殺するという強い復讐心を抱いています。彼の命令ならば常に命がけで従う女剣士メ・ヨンオク(イ・ギヨン)ら暗殺者たちはテ・ジョンヒョンを追跡し始めます。運命に逆らおうとも暗殺者達に追われ命が危険にさらされる度、命がけで自分を守ろうとする女剣士ソハの姿に心動かされ、テ・ジョンヒョンはようやく剣を手に取ることになります。

剣術アクションは「飛天舞」を超える仕上がりとなっていて、見応え十分です。「無影剣」の剣では“気”を刀に送ることで、斬らずとも相手を殺してしまうという剣なので、このあたりが受け入れがたい方は楽しめるかどうかといえば...微妙ですが、韓国や中国の武侠映画では良くあることなので、伝説の剣士の物語と考えて頂けたら冒頭から楽しめると思います。

テ・ジョンヒョンとヨン・ソハの幼い頃の回想がところどころに入ってきて、ヨン・ソハが幼い頃からテ・ジョンヒョンを慕い続け、彼のために生きてきたことがじわじわと伝わってきてソハのけなげな姿に胸を締め付けられました。欲を言えば、テ・ジョンヒョンとソハの幼い頃のエピソードが前半にあれば良かったかも知れません。

テ・ジョンヒョンがいくら過去から逃げているとはいえ、14年間彼と離れている間一瞬たりとも彼を忘れなかったソハとの違いが対照的で、「おい、王子、しっかりっ!」と喝を入れたくなってしまいました...。そんな想いを抱いていらいらしてくる頃、チェ・ジウさんが逃げ腰の王子を捕まえてくれます(笑)。チェ・ジウさんの女剣士、なかなか素敵です。

はい、そして忘れてはいけないシン・ヒョンジュンさんのクン・ファピョン(発音はクナピョンです...)。以前の無影剣に関する取材で「悲しい武士の役なんです、悪役ですがとても悲しい役なんですよ」と話していらっしゃったのを思い出し、「なるほど、こういうことだったのか...」としみじみ感じてます。この作品を「家門の危機」と同時進行されていたとは、改めてオッパの偉大さに感服です!冒頭「銀杏のベッド」を彷彿とさせる登場の仕方に思わずテレビ画面の前で大きく拍手をしてしまいました...。渤海国軍に父親を殺され、「恨」を抱き続けて渤海国王子テ・ジョンヒョンを自らの手で殺そうと執念深く追い続けるクナピョンら。お水の中から飛び出したときはびっくり〜(涙)。オッパファンの私も怖気づきました...。お願いだからそんなところから出てこないでください...。声のトーンも抑え目で、クナピョンの深い悲しみや憎しみを眼差しひとつで表現されていました。独特な風貌といい、クナピョンの現れるところに必ず鷹の鳴き声が響く演出といい、シン・ヒョンジュンさんの魅力溢れる作品でした。クナピョンに想いを寄せる女刺客メ・ヨンオク(イ・ギヨン)さんも悲しい役...。それはないよぉ〜、クナピョンめっ。と一瞬憎くもあり、です。

アクションの見所は何と言ってもクナピョンとテ・ジョンヒョンの一騎打ちの場面!テ・ジョンヒョンを守るヨン・ソハの華麗な剣術やメ・ヨンオクとソハの戦いも美しかったです。

すっきりとした分かりやすい物語の展開、アクションも見応え十分。「茶母」のイ・ソジンさんはもちろん、シン・ヒョンジュンさんの新しい姿に会えるこの「無影剣」韓国版DVD。英語がお分かりになる方は是非英語字幕でお楽しみください!