【あらすじ】
12月31日の夜、ユジンは翌年を迎えるまで約束の場所でチュンサンを待ち続けるが、とうとうチュンサンは現れない。
失意のユジンは、年明けにチュンサンとどう話そうか考えながら学校に行くと、チンスクからチュンサンは交通事故で死んだ、と衝撃の事実を聞かされる。友人たちとチュンサンにささやかな別れをしながらも、ユジンは涙をこらえながら、チュンサンの死を信じられず、受け入れることすらできずにいた。
ある日、ユジンの家に届いた一通の手紙には、一本のカセットテープが入っていた。それはチュンサンが自ら演奏したピアノの音色が録音されたテープ
だった。チュンサンからの贈り物のピアノの音色に耳を傾け、チュンサンの声を聞きながら、ユジンはそれまでこらえていた悲しみがあふれ出す。ユジンはその瞬間、ようやくチュンサンの死を受け止めたのだ。
10年の年月が流れ、ユジンはインテリアデザイナー
として活躍し、「ポラリス」という会社をチョンアとスンリョンという同僚と共に運営していた。ユジンは翌日に控えるサンヒョクとの婚約式の準備もままならないほど忙しい日々を過ごしている。いよいよ婚約式当日、ユジンは婚約の贈り物であるかのような初雪を見上げながら、サンヒョクの両親と友人らが待つ約束場所へ向かう。
その時、ユジンはチュンサンにそっくりな男性が、雪が舞い降りる空を見上げて微笑む様子を目にする。ユジンの脳裏には10年前にチュンサンと交わした会話が蘇り、“初雪が
降る日は何をしようか?”と聞いたチュンサンの声が聞こえてくる。ユジンは婚約式のことも忘れたまま、チュンサンに似た男性の姿を追い、
冷たい雪の降る中、街をさまよい始める。結局、ユジンはサンヒョクとの婚約式を駄目にしてしまう。
一方、ヨングクとチンスクは、サンヒョクとユジンの婚約式が行なわれなかったことに心を痛め、友人のみの質素な婚約式をしようと提案する。その頃、フランスから戻ってきたチェリン
からの連絡が入り、ヨングクらはチェリンもその場に呼ぶことを計画する。
ある日曜日、家にいるユジンを迎えにきたサンヒョクは、突然彼女を車に乗せると、春川高等学校に向かって車を走らせる。10年ぶりに訪れた高等学校のグラウンドを懐かしい表情で踏みしめるユジン。ヨングクの進行で、ユジンとサンヒョクは
質素だけれど、あたたかい婚約式をすることになる。放送室に向かうユジンとサンヒョクを待っていたのは、チンスク、ヨングク、チェリンの三人だった。久しぶりに母校に集うユジンたちの前に、
思いがけず一人の男性がドアを開けて入ってくる。イ・ミニョンだった。チュンサンにそっくりの容貌をしたイ・ミニョンの姿を見て衝撃を受けるユジン。サンヒョク、ヨングク、チンスクもまた言葉を失い、信じられない気持ちでミニョンを見つめる。