【あらすじ(※注:7話、大好きなので詳しいです)】
ミニョンがキム班長の解雇を見送ってくれたことを知ったユジンは、翌日現場で会ったミニョンに感謝の気持ちを伝える。ユジンへの誤解が解けたミニョンだが、ユジンを傷つけてしまった罪悪感に胸を痛め、すぐに声をかけることができない。そんなミニョンの頭上に、木材が倒れてくるのを見たユジンは、咄嗟に身を呈してミニョンを守る。怪我を負い、病院に運ばれるユジンにずっと付きそうミニョンは自分の代わりに怪我をしてしまい意識のないユジンの無事を祈り続ける。
その頃、ユジンの部屋で彼女を待つサンヒョクの元に、ミニョンから電話で連絡が入ると、サンヒョクはミニョンを訪ねてきたチェリンとともに病院へ急ぐ。病院へ着いたサンヒョクは、ミニョンの話を最後まで聞かずに突然ミニョンにつかみかかる。チョンアに事情を聞かされたサンヒョクは、ユジンがミニョンをかばって怪我を負ったことを知り、気持ちが重くなるのを感じる。目を覚ましたユジンがチョンアに初めにかけた言葉はミニョンを案じるものだったことが、余計にサンヒョクの心を重くする。
−姉さん...あの人は?どうだった?怪我しなかった?
病院から出たミニョンは、会いに来たチェリンの言葉に返事を返すこともなく、チェリンに背を向けユジンの病室に向かう。ミニョンの後ろ姿を見て、チェリンはますます不安になる。チェリンはミニョンとともにユジンの病室に入り、ユジンを心から心配しているような態度で接する。心配そうな面持ちでユジンに声をかけるミニョン。サンヒョクは、
相手がイ・ミニョンではなくてもユジンは助けていたはずだと話し、自分の不安を打ち消そうとする。そんなサンヒョクに謝罪し、ユジンに礼を言うと、ミニョンは終始心苦しい表情のまま病室を後にする。サンヒョクがミニョンを追い、病室を出る。
−ユジンがイ・ミニョンさんの代わりに怪我をしたと考える必要はありません。
−どういう意味です?
−ユジンが助けた人は、イ・ミニョンさんではありません。ユジンに必要以上に悪いと思わないでください。それでは。
ミニョンは疲れ切った表情で部屋へと戻り、一緒に戻ったチェリンが何事もないよう振る舞う様子に、決心したように話を切り出す。
−チェリン...お前、なぜ嘘をついた?
−何の話?
−カン・ジュンサン...これでも何の話か分からないか?
−ええ、私、ミニョンさんに嘘をついたわ。でもユジンはチュンサンを心から好きだったわけじゃないの。私とチュンサンが恋仲だったから、ただ羨んでいただけなのよ。
−そうは思わない。あの人、俺に初めて会った時、涙を流したんだ。距離を取り、警戒しながらも、じっと見つめていた。今日は俺の代わりに怪我までして...誰かを心から愛さなければ絶対にこんなことはできないはずだ。
−だから?それがどうだっていうの?チュンサンは私にとっても初恋だった。私がどうしてミニョンさんに初恋の人に似てるだなんて言える?言ってしまったら、死んだ人に似ているから好きになったと思うでしょう?
−だからって、だからと言って、どうしてこんな方法で友人を陥れることができるんだ?俺はお前の嘘を信じたんだぞ!
−不安だったのよ。私、ミニョンさんまでユジンに奪われるのが嫌だったのよ!ミニョンさんを愛してるからそうしたの、ミニョンさん、私ミニョンさんを奪われたくなかったの?分からない?
言葉を失い首を横にふるミニョンの手を握りしめるチェリンは、嘘をついたことを泣きながら謝る。チェリンを信じることができなくなったミニョンは
、しばらく距離を取ろうとチェリンを突き放す。
同じ頃、サンヒョクがユジンに苦しい胸の内を言葉にして伝え始めていた。
−チュンサンのためか?もちろん、お前なら他の人でもそうしただろうな。でも、俺はチュンサンのためだったと思ってる。
食事をしていた手を休め、サンヒョクをじっと見つめるユジン。
−あの人、チュンサンとは全く関係がないけれど、でも怪我をするのを見たくなかった...。
−違うとは、言わないんだな。俺が分かっていても、お前が違うと言ってくれると思ってた。チュンサンのためじゃなく偶然だったと、そう言えなかったのか?
目を伏せるユジン。
−こんな時お前の正直さが憎い。お前は今、俺の前でチュンサンを忘れてないと言ってるんだ。俺はお前がイ・ミニョンさんの姿にチュンサンを思い出すのが嫌なんだ。そしてチュンサンを覚えているのはもっと嫌だよ。
−それなら私はどうしたらいい?私も忘れることができるなら、忘れてしまいたい。チュンサンとの時間、まるで覚えていないならいいのにね...でもね、私が忘れたくても、私の目がチュンサンの顔を覚えてる...私の心が、チュンサンの言葉を覚えてるのよ。私がどうすればいいの?どうしてほしい?サンヒョク、私にどうして欲しいの?
ユジンの言葉にショックを受けたサンヒョクは、頭を整理してから改めて話そうと言い残し、病室を後にする。
ユジンの退院の日、ミニョンが花を持ってユジンを迎えに来る。ミニョンはユジンと公園に立ち寄り、二人は初めて穏やかな表情で語り合う。
−ごめんなさい...今までユジンさんに無礼な態度を取ったこと、心から謝ります。謝るのが遅くなりましたね...このことを言いたくて急いでソウルから来たんですが、あの日ユジンさんが事故に遭われて、言えませんでした。
−何の話かよくわからないですね...今まで私にわざとそうしていたんですか?
−弁明になりますが、これまでユジンさんを誤解していました。
−誤解は解けました?
うなずくミニョン。
−良かった...。
−どういう誤解か、なぜ聞かないんです?本当に私に似た人がいたなんて、知らなかったんです。だからユジンさんが私の気を引こうと作り話をしてると思ったんです。
−私がどうしてミニョンさんに...?
−そうですよね。私も変だと思ってました。私が見たユジンさんとは違う姿だったから...。初めてユジンさんに会った時、私を見て涙を流したのは、その人を思い出したからでしょう?仕事を辞めると言ったのも、私の代わりに怪我したのも、すべてその人のためでしょう?カン・ジュンサンという人、私とそんなに似てるんですか?
ユジンはチュンサンを思い出しながら口元に微笑みを浮かべて答える。
−ええ。錯覚したいほどに。チュンサンだと錯覚したいこと、そう信じたいこと、何度もありました。亡くなった人は忘れてあげるのがその人への一番の贈り物だと言いましたよね?その言葉の通りだと分かっているけれど、うまくできなくて。
−私を許すことができますか?
−誤解は許すものではありませんよ。
目線を合わせた二人は、それまでのわだかまりが解けたように微笑み合い、新しい出会いを喜ぶかのようにゆっくりと歩き始める。
−本当に気になりますね...私とそっくりな容貌のユジンさんの初恋の人が。どんな人でしたか?私とは性格も違うでしょう?
−全然。
−婚約者の前でその表情をしてはだめですよ。その表情を見れば“今この人はカン・ジュンサンを想ってる”すぐ分かりますよ。
−そうですか...私が悪いんですね。
歩みを止め、ユジンの方を向いて右手を差し出すミニョン。
−私たち、新しく始めましょう。今度は錯覚しないで。私はイ・ミニョンです。どうぞよろしく。
ミニョンの手を握り返すユジン。
−私はチョン・ユジンです。
ミニョンとユジンがスキー場での仕事を介し、徐々に互いの良さに触れ距離を近づける間、サンヒョクとチェリンは焦燥感で打ちのめされていた。サンヒョクは不安を抑えるかのように、ラジオの公開録音をユジンのいるスキー場で行いたいと上司に申し出る。さらに、両親にユジンとの結婚を急ぎたいと伝え、ユジンを失いたくないと父親に気持ちを打ち明ける。
ユジンは徐々にミニョンに心を開き、チュンサンとの思い出をミニョンに話始める。そんなユジンの表情に触れる度、ミニョンは自分でも気づかないうちにユジンに惹かれていく。ユジンの母の具合が悪いと連絡が入り、ミニョンの車で春川へと駆けつけると、ユジンの母はミニョンと一緒に現れたユジンに、サンヒョクを大切にするよう言い聞かせる。ユジンが母と話している間、ミニョンはユジンの妹ヒジンから、チュンサンとユジンの思い出の湖の場所を聞
きだす。
チュンサンとの思い出の場所を久しぶりに訪れたユジンは、自転車に乗る若い二人の姿に、チュンサンの姿を思い出し涙を浮かべる。涙に気付かれないよう、ミニョンが着せてくれたコートのフードで顔を隠すユジンの
様子ににミニョンは心を痛める。歩き始めた二人は、影の国に行った人の話を始め、ミニョンはその話をした人物がカン・ジュンサンだと気がつく。
−ユジンさん...私がユジンさんをここに連れてきた理由が気になるでしょう?こっちへ来て...。
湖のほとりにユジンを連れていくミニョン。
−見て...見てください。こんなに美しい。ここはこんなに美しいのに、ユジンさんが見つめているのは何?悲しみでしょう、悲しみの詰まった思い出しか見えないんでしょう?
−やめてください。
−心をそんなに頑なにして、誰を愛せるんです?ユジンさんの話のように、影の国に一人で生きているのではありませんか?ずっとそうやって一人で寂しくいるつもり?こんなに暖かくて美しい場所を見ずに、一人でずっと寂しく生きるんですか?見て、しっかり見て下さい。
湖を見つめ、涙を浮かべるユジンのとなりに、彼女の悲しみを包み込むようにミニョンが静かに寄り添い続ける。
仕事に戻ったユジンとミニョンは、山頂のレストランの下見に二人きりで向かうが、天候が悪化し、風の強さでゴンドラが動かなくなり、山頂に取り残される。
この頃、サンヒョクがチェリンと友人らを連れてスキー場を訪ねてくるが、ミニョンとユジンが山頂に残されたままだと聞かされ、サンヒョクは大きなショックを受ける。
山頂のレストランでは、暖炉の前で居眠りをするミニョンの姿をユジンがじっと見つめていた。チュンサンを思い出しながら、ミニョンの眼鏡をはずすユジンは、ミニョンが目をさますと慌てて事情を話す。
−眼鏡を外しました...窮屈そうで。
眼鏡を手渡し、立ち上がるユジン。
そんなユジンの後ろ姿を見て、隠しきれない想いを切り出すミニョン。
−いつまで死んだ人を想っているつもり?その人を忘れることはそんなに大変なんですか?ユジンさん、ひとつだけ聞きたいことがあります。その人が生きていたら、今もユジンさんと愛し合っていたでしょうか?
−イ・ミニョンさん!
−その人が死んでしまったから、この世に存在しないから、執着しているのでは?
−やめてください!イ・ミニョンさんには関係のない問題です。
−いいえ、関わりたいんです。私に誰かを心から愛したことはないと言いましたね。ええ、そうかもしれません。でも私が見たところ、ユジンさんがその死んだ人を想うのも愛ではありません。
−もうやめましょう。
−それは愛ではなく執着で未練で自己憐憫です!
−やめて!
−お願いだ、正気に戻って現実を見てください。その人は死んだ人なんです...その人は死んだんです!
−やめて、お願いだからやめて下さい。どうしてこんなことするの?私にどうしてこんなことを?
−あなたが好きだからです!...私が、あなたを愛しているから...