空港に到着したカン・マエは、愛犬トーベンと共に出迎えにきたルミの運転する車でコヌの家へ向かう。車内で団員の履歴書を手にしたカン・マエは、自分と同姓同名の「カン・ゴヌ」という名前の青年の履歴書に目を留めるが、出身大学を見て履歴書を放り投げてしまう。ホテルに宿泊するのを拒否し、静かな場所と犬と一緒に眠ることのできる場所を求めるカン・マエの無理な要求に、ルミはコヌが暮らす家へと車を走らせる。コヌの暮らす環境が気に入ったカン・マエは、ルミに“別の主人がいる”と聞かされても断固として譲らず、コヌの家に居座ることになる。一歩遅れでジョギングから家に戻ってきたコヌは、苛立ってカン・マエを追い出そうとするが、コヌの言葉尻を捕らえたカン・マエに一人で気楽に生きるために出て行きなさいといわれてしまう。トゥ・ルミの願いを聞き入れたコヌは、3日間だけ考えると答えてカン・マエを受け入れ、自分は2階に移ることになる。
練習室に集まった団員らがチューニングをする様子に、一瞬で彼らがプロフェッショナルではないと気づいたカン・マエは、鋭い目線で団員を見ながら質問を突き付けると事情を把握し、迷わず出て行ってしまう。カン・マエを追うルミに、カン・マエはそれまでと打って変わった穏やかな口調でルミに事情を尋ねる。詐欺に遭ったことを打ち明けてしまったルミに、カン・マエは一転して厳しい表情で翌日発つと話し、その場を後にする。
指揮者を失い、再び奔走するルミの姿に、彼女が抱く音楽への情熱に触れたコヌは、資金を集めようとルミを励まし、二人は街で演奏を始める。微笑み合いながら楽しそうに演奏するコヌとルミの周囲には心地よい音色に誘われた人々が徐々に集まり、二人に拍手を送る。
その頃、カン・マエは愛犬トーベンが自分が蓋を閉めずにベッドサイドに落としてしまった安定剤を食べたことに気づかずに眠りについていた。ふと目を覚ましたカン・マエは、トーベンの姿に驚き、冷静さを失いながら救急車を呼ぼうと試みるが、いたずらと間違われて電話を切られてしまい、茫然とする。トーベンを抱き上げるが倒れてしまい、どうしていいのか分からずにその場に座り込んでしまったカン・マエの脳裏に、トーベンと出会った雨の夜の出来事が思い浮かぶ。
ルミとコヌとがカン・マエの滞在する家の前に到着する頃、家の中から大きな物音がしたことで二人は異変に気がつき、チャイムを鳴らす。カン・マエの愛犬が薬を飲んで危険な状態であると知ったコヌは、トーベンを団員の1人の獣医師に連れて行く代わりに指揮を引き受けるよう取引を持ち出す。かつて自分を傷つけたカン・マエを前にし、同じ言葉を返すコヌは、15分以内に答えを出せと強気に出る。コヌの条件を受け入れたカン・マエは獣医に駆けつけると、胃洗浄を終えた愛犬トーベンを涙を流して抱きしめる。
二人を前に約束などした覚えは無いと言うカン・マエに、録音しておいた会話を元に再びコヌは食い下がるが、カン・マエはさらに自動車の運転や洗濯、犬の世話などを条件に出し、ルミとコヌはその条件を引き受けることになる。指揮者として団員らの前に立ったカン・マエだが、彼らの実力を目の当たりにし、ますますやる気を失っていく。ところがそんなカン・マエが市長を訪ねると、この公演の来賓の1人に宿命のライバル、チョン・ミョンファンが来ることを知り、慌てて団員たちの待つ練習室へ向かう。
:::베토벤 바이러스:::
韓国MBCドラマ18部作
(韓国放送日:2008.9.10〜2008.11.12)
企画:オ・ギョンフン/演出:イ・ジェギュ/脚本:ホン・ジナ.ホン・ジャラム/主演:「白い巨塔」「不滅の李舜臣」キム・ミョンミン.「ファン・ジニ」チャン・グンソク.「太王四神記」のイ・ジア。