【ファンボ・ユン、兵を率いてピルジュンを捕らえに向かう】
・チョン・ピルジュンを尋ねた後、チョン・ピルジュン邸の前で悔しそうな表情を浮かべるユンの表情から始まり、ユンが兵を率いて宮城へ向かい、さらにピルジュンの策略を暴こうと王に直訴するも、隙のないピルジュンの前になすすべなく黙り込むまでの15分ほど、ユンが事件の核心に迫る映像のシークエンスになっています。MBC版では放送されなかった場面がほとんどです。
黒幕がピルジュンだとの確信を持ったユンは、兵を率いて宮城へ。
ユン:今から武将と兵士たちは私の命令以外誰の命令にも従うな。全ての責任は私が持つ。動くにあたって、どのような邪魔や妨害にも、決して屈するな。
話を聞いていた武官の一人がペク・チュワン武将に問いかける。
武官:どういうことです?
ペク武将:なんだ?報告する相手でもいるのか?ごちゃごちゃ聞かずに従事官様の言うとおりにすればいい。
挙兵してピルジュンの元へ向かうユン。
護衛兵:誰の許しを得てこんなことをしている?
ユン:通符(※犯人逮捕の証として携えた札)だ。道を遮る者は、首を斬る。
護衛兵:王命でない場合は誰一人通すなとの命令だ。
ユン:通符が王命と同じものだと・・・知らぬか?
護衛兵:そんなことは知らん!
この瞬間、ユンは刀を抜いて相手の耳を斬りおとす。
ユン:(兵士たちに)全員捕らえよ!
ユンの合図で兵士たちが刀を抜き、争いが始まった途端、「やめろ!」との声があがり、振り返るユン。
イ都事:府都事のイ・サンミンだ。これは一体何の真似だ!
相手の目を見据えるユン。
ユン:謀反の主導者を捕らえに来た。
府都事:今、兵判がどこにおられるか知ってのことか?
(経過時間 1時間11分55秒)
城内、遺体が並べられた現場に王が姿を見せる。衝撃を受ける王に、チョン・ピルジュンが事情を説明し始める。
チョン・ピルジュン:(亡くなった高官の顔を悲痛な表情で見つめる王に)兵判、イ・クンです。捕らえに向かった時は、すでに自ら命を絶った後でした。(次の遺体を確認する王に)チャンミョン大君です。その場にいた逆賊たちもまた、同じ場所で共に自決しました。
よろける王を支えようと近づく臣下に「下がれ・・・」とつぶやき、王はその場に崩れ落ちる。王に書状を手渡すピルジュン。
ピルジュン:今回の謀反を主導した者たちの秘密連判状(※志を同じくする者同士、契約のしるしとして自書し判を押した書状)です。
書状を開き、信じていた九卿の名がいくつか見当たることで、さらに大きな衝撃を受ける王に、次々と嘘の連判状にある人物の名前を読み上げ、彼らがチャン・ソンベクとつながりのある人物たちであったことを王に報告するピルジュン。
王:何故だ・・・チャンミョン・・・チャンミョンがなぜ!何が足りなかった・・・。(ピルジュンを見据えて)何故私に先に報告しなかった?
ピルジュン:チャンミョン大君宅の奴婢たちが緊迫して動き出していました。事が起こる前に、謀反の主導者を捕らえ、証拠を押さえる必要があったため、兵力を送ると同時に殿下に伝えに参りました。奴らが広めた偽金の型も捜索中で、チャン・ソンベクは追跡中です。
王の前に証人として、かつてのチャンミョン大君宅の奴婢が連れてこられる。
王:左捕将の命を狙ったのも、その逆賊たちだと言うのか?
証人:(震えながら)左捕将の目につくのではないかと、皆心配していたようです・・・それで左捕将を山中に呼び出したのです・・・
ユン:嘘です、殿下!
王に直訴しようとユンが姿を見せる。刀を抜き、ユンの首元に突きつける兵士たち。
ユン:殿下、左捕庁従事官、ファンボ・ユンです。
王護衛兵(?):無礼者!許しも得ずに入るとはどういうつもりだ!
王:(護衛兵に)下がれ。下がれと申しておる!
護衛兵らが刀を下ろすと、王の前に歩み寄り跪くファンボ・ユン。
ユン:殿下・・・
王:嘘だと?何が嘘だというのだ?
ユン:左捕将長官を殺そうとしたのは、目の前に横たわる者たちではなく・・・兵判、チョン・ピルジュン大監です。
驚いてピルジュンを見つめる王の前で、話を続けるユン。
ユン:左捕将は間違いなく兵判大監に呼びだしを受け、その場へ向かわれました。兵判大監の金貫子はあの夜、左捕将の刀によって斬り落とされたはずです。大監、貫子を見せてください。
王:一体それは何のことだ?
ピルジュン:殿下。何か事情があるようですので、少しお任せください(ユンを見下ろして)私の金貫子が斬り落とされたとは、何のことだ?
ユンが顔を上げて確認すると、ピルジュンの金貫子は新しいものに付け替えた後だった。用意周到なピルジュンを前に、言葉をなくすユン。
王:私の前で一体何のつもりだ!
ピルジュン:殿下・・・(ユンのとなりに跪く)
王:金貫子がどうしたのか、兵判が左捕将を殺そうとしたとは何のことなのか、話してみよ、従事官。
ピルジュン:私も、理由は分かりませんが、私に対する民の目線は、あまり良くないことは存じております。富国を築き上げたいという一身で、倭国との交流を進めているため、ある民が私を見る目が厳しいのは当然のことでしょう。朝鮮がどの国にも劣らぬ強国になるのであれば、恨まれても、売国奴と疑われて悪く言われるのも仕方がありません。
王:ならば、このファンボ従事官は、倭館問題でそなたに猜疑心を抱いたと言うのか?
ピルジュン:従事官はそう疑っていらっしゃるのでしょう。(横にいる武官に)書状を持って来い。
王に対し、今回左捕将が襲われたのは、兵判イ・クニが左捕将を仲間に引き入れようとしたために起こったことであり、この書状がまさに証拠であることを続けるピルジュン。
王:兵判大監・・・九卿として命を懸けて、答えなさい。真実か?
ピルジュン:殿下!私がこれまで一度も嘘をついたことがございましたか?一抹の疑いでも残っていらっしゃるのなら、私の首を斬ってください!民心を受け止め、富国をおつくりください!
王:もうよい。これ以上聞きたくない。兵判は一点の疑いもないよう捜査を進め、3日以内に私に報告せよ。
その場を去ろうとした王が、一度立ち止まり黙ったままのファンボ・ユンに語りかける。
王:左捕将と従事官、忠誠心を抱いての行動と、良く分かっておる。幸い兵判への疑いも晴れたゆえ、もう従事官も疑うのはやめなさい。兵判、従事官の無礼を許してやってくれ。
ピルジュン:民を思う私と従事官の志に違いなどございません。従事官も忠誠心から行ったことですので、大したことではございません。
王:左捕将は、必ず目を覚ますだろう・・・
→MBC版 ユンが腕を組み、ペク武将に「このまま泣き寝入りか・・・」とつぶやく場面へ
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