ヘインは自分自身が描いたタロットカードを手に取り、不安に包まれていた。オスは自分の元へ再び届いたものが自分の高校時代の写真であったことと、手紙に書かれたメッセージを見て顔色を変え、平常心を失う。
パン班長に会ったオ・スンハ弁護士事務所の事務長クァンドゥは、班長から事件について詳しく話を聞くと、12年前、かつて刑事だった自分が担当した少年事件を思い出し、今回の事件とカン・オスとの関連を確信する。
オスは友人テシクの死は誰かが意図的に行ったであろうことを本能的に感じ、チョ・ドンソプを尋問するが、チョ・ドンソプは何のことかも分からないといった驚いた表情で逆にオスを心配する。
重苦しい気分でスンハに会ったオスは事件の背後に別の人物がいるといい、公判日を先送りにしてほしい、と提案する。
−真犯人が逮捕されれば、チョ・ドンソプさんに有利な公判になります。
−今も不利ではありませんよ。結局は偶発的に自己防衛するために起きた事故であることはかわりないでしょう。
−偶発的だと100%言いきれますか?
−この世に100%だと判断できることなど何一つありません。だからこそ目に見える証拠が最も重要だということです。
−目に見えるものだけが真実ではありません。
−目に見える証拠さえ、見ないのが人間です。
−証拠が明らかになれば、何が真実か分かるでしょう。
−カン刑事さんの情熱なら、かならず真実が明らかになるでしょう。
ソン・ジュンピョが犯人だという証拠を掴むことができないオスは、結局ソン記者を釈放せざるを得ない状況になる。焦りを見せるオスに対し、パン班長は、犯人のターゲットがオスであることをクァンドゥの話から悟ったため、事件から離れるように伝えるが、オスは聞き入れるはずもなかった。12年前、オスが同級生のチョン・テフンを刺してしまった結果、相手を死に追いやったこと、そしてカン・オスの父親が、当時のクォン顧問弁護士に依頼し、事件を正当防衛として片付けさせたことなど、全てをクァンドゥに聞かされたパン班長だったが、オスを心から信頼しているため、事件についてもオスは故意に刺したのではないと受け止める。パン班長はその事件について知る人物の中に、ソ・ヘインがいることと、殺されたテシクは目撃者の一人であったことなども知ることになる。そしてこの事件について学校側を擁護する記事を書いた人物がソン・ジュンピョであったことも…。
一方ソラの母親は、テシクの消息が気になり、テシクの事務所へと向かうと、彼が亡くなったことを聞かされ激しく動揺する。その頃オスたちは、テシクが亡くなったのはガス銃により呼吸困難を引き起こされたためだと突き止め、残された指紋からソラの母親、キム・ジョンヨン容疑者を割り出す。
ヘインは、タロットカードが届いたことをようやくオスに知らせる。オスはヘインから連絡を受けるとすぐにヘインの元へ駆けつける。
パン班長から事件について聞き、不安に駆られたクァンドゥは、スンハにチョ・ドンソプの弁護を再検討したほうがよいと打ち明ける。犯人は、12年前の事件を再現していて、チョ・ドンソプの件で正当防衛を主張することが犯人の思い通りになることだと推測するクァンドゥに、12年前の事件は明らかに殺人事件だが、今回の事件は偶発的に起こった正当防衛によるものだと微笑を浮かべながら答えるスンハ。
−ひとつだけ気になることがあるんですが...私がチョ・ドンソプさんの事件に関わったのは偶然でしょうか?でなければ、これすら犯人の計画の一部なのでしょうか。
−恐らく、私のせいです。私を事件に巻き込むために弁護士さんを利用したのです。犯人は12年前の殺人事件を全て1つの場所へ集めようとしています。まるで俳優のようにそれぞれに配役を与えて自分の書いたシナリオどうりに演出するつもりなんでしょう。
−それは可能な話でしょうか
−不可能だと願います。そして可能であってはならないことです。
巻き込んでしまって申し訳ないとわびる事務長に、スンハは弁護士として最善を尽くすだけですと微笑む。
−事務長には悪いところなどないのでは?
−悪かったことがあるんですよ。亡くなった学生に、してあげられることが何もなかったんです。言ってみれば私も加害者の一味ですよ。
オスは、ヘインが残像で見た光景を求めて、ヘインを連れてその場所へと向かうが、その場所がかつてオスが通っていた高等学校だったことに衝撃を受ける。 |