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韓国ドラマ 魔王

あらすじ 第
9話


永遠の苦痛へと向かう者 我を過ぎ行け

영원한 고통으로 가려는 자 나를 지나가라
ヨンウォナン コットンロ ガリョヌン チャ ナル チナガラ
 

 



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過去の暗い記憶に目を背けることをやめたカン・オスは、かつて苦しめてしまったヨンチョルの勤務先を訪ねる。

−久しぶりだな...。俺を覚えてるだろ?お前に話があってきたんだ。少し時間をくれないか?少しでいいんだ。

嫌だ。嫌だね。

ヨンチョルは一時もオスと一緒にいたくない素振りで逃げ出そうとする。そんなヨンチョルを引きとめようとオスがヨンチョルの腕を掴むと、ヨンチョルはひどくおびえた表情をし、俺に触るな、とオスを拒否して会社を出てく。オスはあきらめきれずにヨンチョルの後を追う。

−ヨンチョル!ヨンチョル!待ってくれ、ヨンチョル!飯は食ったのか?焼酎でも一杯やるか?

−約束があるんだ。

−テシクが死んだ。お前も知ってるだろ?テシクがなぜ死んだのか、お前なら分かるだろう?

−テシクが死んだ?いつ?気の毒だな、テシクが死んで。悲しいだろう。友達が死ぬのは本当に辛いことだからな。

こう言うと、ヨンチョルはオスに背を向けて歩き出す。

−もう止めてくれ。もう止めてくれ!悪いのは俺だ。全部俺が悪かったんだ...。

この言葉に振り返るヨンチョル。

−お前が望むのは俺だろう?カン・オスだろう?これ以上他人を犠牲にしないでくれ、頼む。

何の話をしてるんだ?

これ以上自分を追い詰めるな。道を行き過ぎると、戻るのがつらくなるだけだ。時間もかかる...ここでやめてくれ、ヨンチョル、お願いだ。

−本当に変だな。俺になぜそんな話をするんだ?約束に遅れるから行くぞ。

心から謝罪するオスに再び背を向けると、ヨンチョルはオスの前から立ち去る。

一方、チョン・テフンの弟の消息を知ったクァンドゥは沈痛な面持ちでパン班長に戸籍謄本を手渡す。パン班長は書類にある「チョン・テソン 死亡」の文字を見て呆然とする。 

その頃、オ・スンハはソン・ジュンビョ記者にヘインの後をつける理由を尋ねていた。平凡な図書館の司書が刑事や弁護士に会うのが疑問だった、と正直にスンハに話すソン記者は、一体ヘインにはどんな秘密があるのかとスンハに質問する。自らの憶測でクォン弁護士とイム・デシクの事件について背後に真犯人がいるのでは 、とスンハに探りを入れるかのように話すソン記者に、スンハは淡々とした表情で、あなたの話は理解できないと答える。スンハは席を立とうとするソン記者に対し、また同じ事をしたら法的処置を取ると警告する。二度、同じ警告はしない と厳しい口調で話すスンハの様子に、ソン記者はますます興味を抱く。 

ヨンチョルと事件の接点を見つけられずに苦悩するオスは、パン班長とクァンドゥに会うと、クァンドゥからもう1人の容疑者と考えられるテフンの弟テソンの消息を聞かされる。オスは、この席で、テフンとテソンの母親がオスの判決が出た日に交通事故で亡くなったことと、弟テソンもまた亡くなったとい事実を知ることになり、心が一層重くなり、パン班長の問いかけに答えることすらできない。沈んだ表情で思いつめるオスに、クァンドゥが語りかける。

−お前は人間カン・オスである以前にカン・オス刑事だ。捜査に私情を持ち込んだ瞬間、刑事の資格を失うだけでなく、新しく始めたカン・オスの人生も過去へと戻る。最後まで刑事の資格を維持できるかどうか、自分を守る自信があるのか考えてみろ。

−俺がこの事件を捜査する資格がないとお考えですか?

−その質問に答える資格が俺にあると思うか?ただ、これだけは言える。自分の過った道を認め、道を正そうと努力する人間は少なくとも昨日よりは強くなれることを。

一方、ソクジンのマンションに居候をしているスンギの元に差出人不明の宅配が届く。届いた荷物には赤い封筒に入れられた写真が入っていた。ソクジンと恋人とが写った写真を見て首をかしげるスンギは、ソクジンが 、訪ねてきたオスと共に部屋へ戻ると早速写真を見せる。写真を見て顔色を変えたソクジンは、何故この写真が俺に届くのかというスンギに、別れたばかりなんだと言い訳をしてスンギの手から写真を奪い取ると、オスに気づかれる前に急いでトイレに入り、写真を破り捨てて流してしまう。

一歩遅れて部屋に入ってきたオスは、ソクジンの慌てぶりに呆気に取られるスンギに、何かあったのかと事情を聞くと、ソクジン がその写真を捨ててしまったことで、何故破るのかと大声をあげる。別れたばかりの女性との写真で、早く忘れたいからと言い訳を続けるソクジン。

−赤い封筒か?破った写真は?

トイレに流した。

−何故捨てた?

−タロットカードや手紙は?特別な写真か?犯人が送ってきたんだぞ!

事の重大さに気づかないソクジンとスンギに、オスはこの事件はテフンの件の復讐であり、タロットカードは犯人が殺人予告として使っているようだと伝える。写真について尋ねるオスに、はぐらかすような返事ばかりのソクジン 。たまりかねたスンギが、ソクジンと恋人が遠くから抱き合ってる姿であり、その写真は隠し撮りされたものではないかとオスに話す。全部俺の罪だ、事故だろうとなんだろうと全部自分のしたことだ、今大切なのはこれ以上犠牲を増やさないことだからと二人に謝罪するオスは、犯人はヨンチョルの可能性が高いことも話す。話を聞いソクジンは、自分とナヒの関係を知るスンギが犯人ではないかと疑いを抱く。 

ヨンチョルが今回の事件の容疑者であると確信したオスは、弁護士のスンハに、ソラにヨンチョルの顔を確認してもらうよう頼み込む。スンハはソラの安全が保障されれば協力する、と渋々承諾する。しかし、ヨンチョルの顔を遠方から確認したソラは、「ぬいぐるみをプレゼントしてくれた優しいおじさん」ではないと答える。ショックを受けたオスは、ソラの近くに駆け寄る。

ソラ、さっきのおじさんじゃないのか?本当に違うのか?本当に...そんなはずはない、ソラ...。

オスの気迫に怯えたソラの様子を隣に座るヘインが心配すると、同席しているスンハがオスに注意を促す。

−何をしてるんです?ソラが違うといっているんです。カン刑事が望む答えをソラに強要しないでもらいたい。

ソラはヨンチョルを良く知っていたが、自分に優しく接してくれるヨンチョルを守るため、彼との約束を守ったのだった。

ソラの証言を得ることはできなかったが、ヨンチョルがこの事件に関わっているのは確実であると、オスも、そしてヘインも同じ考えを持っていた。そしてこの事件を操る第二の人物がいることも...。