황진이 黄眞伊(ファン・ジニ)とは?
李朝中宗時代の名妓。本名「眞」、別名は「眞娘」、妓名は「明月(ミョンウォル)」、生没年月日は不詳。昔の文献で伝えられたところによると、チニに関わる真実は神秘に包まれており、混同された点が多い。庶民の娘として生まれた彼女は美しい容貌とその聡明さで教坊(※下記に説明)で童妓(幼い妓生)として大成し、詩書音律に卓越した才能を持ち、文人や碩学者と交遊し、彼らを魅惑した。宗親、碧渓守
(ピョク・ケス)という人物を時調一首でうっとりさせたという逸話もある。
松都(現在の開城/ケソン)での三大有名事項を現す「松都三絶」のうちの一つがまさにこの黄眞伊の存在そのものである。
国文博学士でありながら、チニの目線は、伝統的な民族の韻律で教坊の女性たちの情恨(愛憎)を時調(※)で象徴する位置にあった。彼女の詩の代表作は「満月台懐古詩」など。
※教坊とは−李朝時代、掌楽院の雅楽をつかさどった官庁。左坊と俗楽をつかさどった右坊の総称
※時調とは−3章(初章、中章、終章)からなる朝鮮固有の定型詩。音数律は3.4や4.4が基本調と言われる。
(参考文献:小学館朝鮮語辞典、韓国國史事典)