Forever love
韓国ドラマ"ごめん、愛してる" 
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ごめん、愛してる 第10話
 


나... 무혁이 아저씨 손 잡아 주고 싶어.
ナ  ムヒョギ アジョッシ ソン チャバ ジュゴ シッポ 

私、ムヒョクおじさんの手を握ってあげたいの
 



ムヒョクへの愛を確信したウンチェがムヒョクの家へと駆けつけた瞬間、ムヒョクは鼻血が流れ出すのを感じ、とっさに鼻を押さえたまま立ち上がり、ウンチェに背を向ける。

−おじさん!...おじさん...おじさん...

ムヒョクが背を向けたまま振り向こうとしない様子に、ウンチェは不安な表情を浮かべる。そんなウンチェに妹ミンチェからユンが倒れたとの知らせが入ると、ムヒョクの異変に気づかないまま、あきらめたようにその場を後にしてしまう。ウンチェが自分を呼ぶ声に涙を浮かべながら、ムヒョクは黙ったまま流れる血を抑えながらあまりの苦痛に崩れ落ちるように座り込む。

ウンチェに執着するユンは、ミンチェに嘘をつかせてまでウンチェを呼び戻そうとしていた。ウンチェの帰りが遅く、苛立つユン。

−ミンチェ!もう一度携帯に連絡を取ってみろ。

−来るって言ったから必ず来ますよ...

−もう30分も過ぎてる...どこだって?どこから来るって?

−聞かなかった...

ユンが暖かい部屋の中で仮病をつかっている頃、ムヒョクは寒空の下、冷たく凍りつくほどの水で顔を洗いながら、ユンの言葉を思い出し怒りがこみ上げるのを感じていた。

−俺、ウンチェとつきあうよ、兄さん...

顔を洗い、立ち上がったムヒョクは、とうとうその場で気を失って倒れてしまう。ムヒョクが倒れているのを見つけたソギョンとカルチは、ムヒョクが血を流して倒れている様子に衝撃を受け、大きな声でミン老人に呼びかける。ミン老人に抱きかかえられ部屋に寝かされたムヒョクを、カルチが必死で看病する。カルチはふとムヒョクの携帯電話の着信履歴にあったウンチェの電話番号を押す。

その頃、眠るユンを見守っていたウンチェが電話を取ろうと立ち上がると、ユンがウンチェの手を掴み、引き止める。

−受け取るな...微動もせずに俺のそばにいろ...

−起きていたの?

−うん、少し前に起きた..お前に来てほしくて、ミンチェと嘘をついたんだ。俺どうかしたみたいだよ、ウンチェ。お前が俺のそばにいない時間を我慢できないよ。お前の言うとおり、どうしようもなくて赤ん坊になったみたいだ...母さんと離れると泣いて駄々をこねる子供になったみたいだ、俺。もう少しいてくれたらこんなことしないよ。俺が寝るときまで、その時までいてくれ、な?

鳴り続ける電話を気にしながら、ユンに手をつかまれたままのウンチェはどうすることもできずに立ち尽くす。

カルチの看病で症状が落ち着いたムヒョクは、銭湯でカルチの背中を流してあげていた。

−悪いところはすっかり良くなったの?本当に?

−うん、大丈夫だ。

−もう、驚いて死ぬかと思ったよ。もう病気にならないでくださいね。

−ああ...

カルチが近くにいる親子を寂しそうに見つめることに気づいたムヒョク。

−父親のいる子供が羨ましいのか?

−ううん。僕にはおじさんがいるもん。

−そうだ!こんなにカッコイイ素敵なおじさんがいるのにな、そうだろ?これからはおじさんと毎日毎日銭湯に来て、おじさんと毎日毎日一緒に...

ムヒョクはふと自分の命が長くないことを思い出し、表情を曇らせると、話を変えてしまう。

−腕を上げてみろ...

−おじさん。オーストラリアに行かないで...オーストラリアに行かないで、僕たちと長い間幸せに暮らそうよ。ね?おじさんの言うことも良く聞くし、勉強も頑張るよ。母さんにもおじさんを困らせないようにって話すから。行かないでしょう?行かないでね。行かないでね、おじさん。

カルチの純粋な愛情に触れたムヒョクは、胸が痛み、言葉を一瞬詰まらせながらも明るい声でカルチに答える。

−分かったぞ!キム・カルチ、腕を上げてみろ!

翌朝、自由を取り戻したウンチェは、自分の携帯電話にムヒョクからの着信があったことに幸せそうな微笑を浮かべ、早速ムヒョクの家へ向かおうとする。そんなウンチェにどこへ行くのかと尋ねた父は、ウンチェが行き先をはっきりと答えられない様子に、彼女がムヒョクに会いに行くつもりだと察し、ウンチェに一緒に一杯飲もうと声をかける。戸惑いながらも父からの誘いを断ることができないウンチェは、父とともに屋台に向かうことになる。

−お父さん...私酔ったみたい...

−まだ4本しか空けていないのにもう酔ったのか?弱くなったんだな、うちの娘も

−話したいこと、話してください、お父さん...

−...ムヒョクのことだ。もうやめておけ。深入りする前に...

−お父さん...

−深入りすればするほど良くないんだ、やめておけ...

−どうしてですか?ユンのためにですか?もう私、ユンじゃないんです、お父さん。行けと言われたら行って、来いと言われたら来て、ウンチェは道端の子犬じゃないんです。

−引っ越そう!家を探してみないとな。コーディネーターもやめろ。勉強するか?留学させようか?

目を伏せたまま焼酎を注ぐと、一気に飲み干すウンチェ。

−お父さん、申し訳ないけれど、ムヒョクおじさんへの想いは、止められないの。

−ウンチェ!

−ユンを好きだったときは、すごく寂しくて悲しかったけれど...だけどムヒョクおじさんはそうじゃない。とてもありがたくて、温かいの。ムヒョクおじさんが私のせいで寂しい想いをしていないかって、それがとても心配なの。やめられません、もう...とめられないの、お父さん。
 

その頃、ムヒョクは病院へと足を運び、精密検査を受けていた。その日、医師からムヒョクに検査結果が伝えられる。自分自身の頭部レントゲン写真を見つめるムヒョク。

−ん?銃弾はどこだ?不思議だろうな、生きてるのが...

−おかけください。とても苦しいでしょう?

−俺も今日初めてみたよ...不思議だな、マジで。

医師から徐々に状態が悪くなっていることの説明を受けたムヒョクは、話はいいから薬をくれ、と乱暴に話す。

−痛みはどうにか我慢できるが、鼻血が流れるのが面倒でね...それとあちこちで突然倒れるんだよ、俺。それだけとめてくれ。そのせいで社会生活がひどく不便なんだ。

−おつらいでしょう...

−生きている時、鼻血を流して吐いて倒れてうっとおしいのはご免なんだ。カッコ良く生きて死ねるようにしてくれって話だよ。薬、出してくれ。薬...薬だよ!

−おつらいでしょうね...

−いや!つらくないね!つらくてここに来た訳じゃないから!恥ずかしくて来たんだ!

やりきれない気持ちのまま処方箋を手に診察室を出たムヒョクの横を、亡くなった人を乗せたストレッチャーが通り過ぎた瞬間、温もりの無くなった人の手がムヒョクの手に触れる。ムヒョクは自分にも迫りくる死の恐怖を実感し、凍りついたように身動きできなくなってしまう。時間が少し流れてから、ようやくムヒョクは歩き出し、診察室のドアを再び開く。

−これはただ、一度聞いてみたいだけですが...もしかして俺を助ける力はありますか?いや、ただ...オーストラリアのヤブ医者よりは、あなたがずっと賢く見えて...違うならいいや...

ムヒョクは黙ったままの医師に一度背を向けると、もう一度切り出す。

−もしかして、痛みが強くて、鼻血が出たりするのは...生きる時間がわずかだと、死ぬ日が近づいてきてると、そんな意味なのか?

−....

−これは本当に、ただ一度聞いてみたいんだが...俺は、死ぬ以外に道はないのか?とうとう?

−.....

病院を出たムヒョクは、病院の中に向かう人々に怒りをぶつけるように叫び声をあげる。

−おばさん!この病院の医者はヤブだぞ!行くな!行くなって!

ムヒョクはやるせない気持ちのまま、ウンチェの携帯電話を鳴らす。酒に酔い、椅子に座ったまま眠っていたウンチェが電話を受ける。

−トルティンア!

ムヒョクの声に目を覚ましたウンチェだったが、しゃっくりが止まらずにすぐに返事をすることができない。ムヒョクは電話口のウンチェの様子に微笑みを浮かべる。ふらふらと立ち上がったウンチェは、店の女性主人に父が目覚めたら急用ができたから出かけたと伝えてくれと頼むと、おぼつかない足取りでムヒョクの元へ向かう。

タクシーに乗り、ウンチェの待つ場所へ急いだムヒョクは、大通りをはさんだ向こうの通りに歩くウンチェの姿を見つけると、幸せそうな笑顔を浮かべる。ふらつくウンチェが、ムヒョクの目の前で倒れてしまうと、ムヒョクがウンチェに急いで駆け寄り、しっかりと抱き上げる。

−ウンチェ...

−おじさん...

−大丈夫か?怪我はないか?

答える代わりにうなずくウンチェの顔をじっと見つめるムヒョクは、寒そうなウンチェを自分の胸元に抱き寄せ、コートと温かい腕で優しくウンチェを包み込む。ウンチェはムヒョクの胸の中で、長い時間ムヒョクのぬくもりに触れながら心からムヒョクへの愛を感じていた。そして二人は誰の邪魔も入らない時間を、一緒に過ごす事になる。焼酎を買って橋の下に座ったウンチェは、目の前に座るムヒョクに酒を勧める。

−私は今ね、たくさん飲んですごく酔ってるのよ。だからおじさんも一緒に飲んで酔ってくれなきゃ。それでこそ公平でしょう?私がね、この世で一番好きな単語が「平等」なのよ。

−どうしてそんなにたくさん酒を飲む?昼間っから...

−そんなこともあるわよ...なぜか平常心では耐えられないほどつらい日があるでしょう?

−俺も...平常心だとつらい日だな、今日は....

−わ〜、私たち気が合うわね!良かった。(ムヒョクに焼酎を手渡す)はい!

ウンチェに手渡された焼酎を飲み、おつまみを頬張るムヒョクを見つめるウンチェ。

−見れば見るほど優しいおじさんなのね。ちゃんと話も聞くし....(ムヒョクの頬をつまむと)ああ〜、可愛くってたまらない!ふふふ...

照れくさそうに焼酎に手を伸ばすムヒョクだったが、体調が悪いのも手伝い、すぐに眠ってしまう。ムヒョクの状態を知らないウンチェは、ムヒョクの寝顔を見つめながら一人で飲み続ける。

−本当にお酒に弱いのね、おじさん。焼酎半分でこんなに酔っちゃったの?お酒にすっかり酔っちゃったら、告白したいことがあったのに...。話があったのに...もう。

−母さん...母さん...母さん...

ムヒョクの寝言を聞いてしまったウンチェは、ムヒョクとのオーストラリアでの出会いを思い出しながら、彼の孤独で寂しかったはずのこれまでの人生を想い、ムヒョクの寝顔を静かに見つめ続ける。ウンチェはムヒョクに寄り添うように横になり、彼の手をしっかりと握り締めると、もう一方の手をムヒョクの背中にそっとまわす。

−私、恩は返したよ、おじさん...

いつの間にか眠ってしまったウンチェを、先に目を覚ましたムヒョクが負ぶい、ウンチェの家に向かい歩き始める。

−トルティンア...ウンチェ?あ〜、このままお前だけこうして負ぶって、一晩中歩いていられたらいいのになぁ。おじさんについてくるだろう?お前が一緒に行ってくれたら、最高に嬉しいのにな...お前さえ一緒にいてくれたら、俺は本当にに嬉しいのに...。ああ、このままトルティンイを負ぶって、こうして歩いたまま死ねたらいいのに...ああ、着いた...(家の前で何度か向きを変えると)近所をもう一周してこなきゃな。

ムヒョクがウンチェを負ぶって歩く姿を、その場にミンジェの車に乗って戻ったユンが見つける。

−ウンチェ!こっちによこせよ、兄さん。こっちによこせ、俺が負ぶうから...

黙ったまま冷たい目でユンを見据えるムヒョクは、ユンを無視したままウンチェを負ぶって歩き出す。苛立ったユンはウンチェの名前を大声で呼びながらムヒョクの後を追う。

−起きろ!起きろ!ソン・ウンチェ!

ユンの大きな声にようやくウンチェが目を覚ます。

−おじさん、おろして。おろしてください...ユン...

ユンがウンチェの手を乱暴に掴み、ムヒョクを気にするウンチェを無理やり家に連れて行こうとすると、ウンチェは嫌がって抵抗する。

−離して!何するのよ!何するのユン!離してよ!

−手を離せ!ウンチェが離せって言ってるだろ!

ムヒョクの声に驚いたユンが思わず立ち止まると、ムヒョクは怒りを抑えながらゆっくりと二人に歩み寄り、ウンチェの手を強く掴むユンの手を引き離す。

−ウンチェに気安くするな...

ユンに一言警告した後、ウンチェを優しく見つめるムヒョク。

−トルティンア!おやすみ...

ムヒョクが家路に着くと、ウンチェは意を決してユンに正直な気持ちを話し始める。

−私、ムヒョクおじさんの手を握ってあげたいの。あなたは私じゃなくても大丈夫でしょう?私がいなくても、ちゃんと生きてこれたし、幸せに暮らしていられるじゃない。でもムヒョクおじさんは...

−ウンチェ!

−あなたが私の手を離して...そうしてよ、ユン。ごめんね、ごめん...。

ムヒョクに対するウンチェの気持ち知ったユンは、衝撃で心臓発作を起こし、倒れてしまう。 事情を知って病院に駆けつけたムヒョクは、ウンチェを心配し、ひざを抱えて病室の前に座り込むウンチェの顔を覗き込む。そんなムヒョクの耳に、オ・ドゥリが興奮して医師に怒鳴る声が聞こえてくる。

−誤診よ、誤診だわ!もう一度検査してください!話にならないわ、こんなの、先生...

−ですから私は、絶対に無理をしないように安静にするようにと何度も注意したんですが...

−何でもなかったのよ!ピンピンしてたの!ユンがテレビに出たのを見ませんでした?すごく元気でピンピンしていたんです!

ユンを自分の命のように大切に想うオ・ドゥリの姿を目の当たりにしたムヒョクは、悔しさと悲しみで胸が引き裂かれそうになる。

−私の唯一の血縁なんです...私の人生の全てです...私の持っているものは全て先生に差し上げます!先生、うちのユンだけは、絶対に治してあげてください...

ムヒョクの瞳が悲しみに満ちていることには、そばにいるウンチェも気づくことはなかった。身動きが取れないままオ・ドゥリの様子に目を奪われていたムヒョクは、ユンが心臓移植を受ければ助かることを耳にする。あまりの衝撃にその場で倒れてしまったオ・ドゥリに真っ先に駆け寄ったのはムヒョクだった。ムヒョクはオ・ドゥリを負ぶうと、救急室まで連れて行く。

ユンが病室のベッドで横たわる姿をじっと見つめていたウンチェは、責任を感じながら、ムヒョクへの想いを抑え、ユンの手を握り締める。

−大丈夫よ。大したことないわ、ユン...

母親が治療を受けて横たわる姿を見届けたムヒョクは、ユンの病室へ戻ると、弟ユンの寝顔を遠くから見守る。そこへウンチェの父が姿を見せると、ムヒョクに声をかけ、二人は病院のロビーへ向かう。

−オーストラリアで暮らしていたのか?

−ああ...はい。

−育ててくださった両親は、どんな方々だった?

−覚えていません。思い出したくありません...

−苦労してきたんだな...

−いいえ。韓国にもう一度戻ってこようと思って、私を産んでくれた母親を探して、貧しさから自分の子を捨てた可哀想な母親に、いい家を買って、美味しいものを買ってあげて、そんな希望があったからつらくはありませんでした、ちっとも。

ウンチェの父は言葉を失い、ムヒョクへの罪悪感が募らせる。

−お母さんは見つかったのか?

飲み干したコーヒーの紙コップを強く握りつぶすムヒョク。

−いいえ...

病院を後にしたムヒョクは、寂しさをうめるようにポケットから取り出したガムを噛み締める。その夜、ムヒョクはオ・ドゥリの言葉を思い出しながら、自分の心臓をユンのために残そうという考えを浮かべていた。翌日病院に向かったムヒョクは、ウンチェに話を切り出す。

−俺の心臓をユンにやるから、お前...俺の元にくるか?俺が生きている時間だけ、俺のそばにいてくれるか?

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