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韓国ドラマ ソウル1945

ストーリー 第49話


チェ・ウニョク/최운혁がトンウに何故戻ってきたのか、と聞かれ...


マジマグロ ハンボンマン ポゴシッポッタ
마지막으로 한번만 보고 싶었다...

最後に一度だけ会いたかった


ハンボンマン コッ モリソ   チッキョ   ボゴ  シッポッタ
한번만  멀리서 지켜보고 싶었다

一度だけでも...遠くから見守りたかった

 


 
ソウル1945 OST

 

突然ヘギョンの目の前に現れたトンウは運転を始めたばかりのヘギョンが一人ハンドルを握ることが心配で、要人との昼食の約束をキャンセルし、先回りしてきていた のだ。ヨンギョンが居ないことを不思議に思うトンウだったが、お腹が痛くなったので帰したとのヘギョンの言葉を信じる。トンウを巻き込むことを恐れたヘギョンはソウルへ戻ろうと話すが、トンウはヘギョンの父がかつて住んでいた場所に挨拶に行きたいからと微笑を浮かべて車に乗り込む。

トンウがヘギョンに同行したことを知ったソッキョンは、慌てて陸軍通信司令部へ連絡を取り、開城から38度線までの全ての検問所に電報を打つように伝える。

「天気も良くないのに、ピクニックはやめたらいかが?」

ナルシド アンジョウンデ ピクニグン クマンモムチュヌンゲ オッテヨ
날씨도 안 좋은데 피크닉은 그만 멈추는 게 어떼요?

検問所でソッキョンからの電報を受けたトンウはすぐにソッキョンに連絡を取る。

「あなた...キム・ヘギョンをどれくらい信じているの?どれほど愛しているの?婚約者のために死ねるほどだとでも言うの?」

ソッキョンにヘギョンのためにも死ねるときっぱりと伝えるトンウだが、それなら3人で一緒に死んでください、チェ・ウニョクとあなたとキム・ヘギョンと...の言葉に表情を曇らせる。ウニョクが車の中にいることも知らされたトンウは無言のまま厳しい表情で車を人気のない場所へと走らせる。一言も話さないトンウの様子に不安そうに助手席に座るヘギョン
。ヨヒョン里付近で車を止めるとトンウはヘギョンの制止を無視してトランクの中の荷物を出し、とうとう怪我を負ったウニョクを見つけてしまう。ウニョクに銃口を向け、二度と現れるなと警告したはずだとトンウはウニョクをトランクから引きずり出す。

一方ソッキョンの電報や今までの不審な行動に疑いを持ったパク・チャンジュはソッキョンの別荘に行くと、突然チョンジャに銃を突きつけ、ウニョクの脱出に関わったものを全員殺して口封じをするとソッキョンを脅し、チョンジャとトンウが殺されることを恐れたソッキョンはヘギョンの名前を出してしまう。トンウに何かあったら、トンウを傷つけたら、そのときはあなたを殺すとパク・チャンジュに釘を刺すソッキョンだった。

トンウはウニョクに何故戻ってきたのか、ヘギョンを殺すつもりか、とかつての友に銃を向ける。“最後に一度だけ姿を見たかった、友の妻となる姿を...”とのウニョクの言葉にお前のような友などいない、自分の友であるチェ・ウニョクは3年前に死んでしまった、守ってやれる自信がなければ愛してるなんて言うなとウニョクに対して怒りを露にするトンウ。自分の未練がヘギョンを危険にさらしてしまった、今日のことでトンウが辛くなるからとトンウに銃を手渡すように言うウニョクを突き飛ばし、跪く様怒鳴りつけるトンウ。愛するウニョクの命が目の前で、まさにトンウの手により失われることを恐れたヘギョンが泣きながらトンウに許しを請う。

「やめて トンウさん!やめて、やめて、どうかやめて下さい...あの人が死んだら...私も生きては行けません!
私も死んでしまいます...助けてください...オラボニをどうか放してください!お願いします、オラボニを放してください...トンウさん...」

ウニョクの命を自分の命よりも大切に想うヘギョンにトンウは思わず手を上げてしまい、ウニョクは思わずトンウを止める。二人の絆の深さを目の当たりにしてしまったトンウは銃を降ろし、二人に背を向ける。

北ではウニョクが南から戻ってくるとの情報を得たムン・ドンギやオ・チョルヒョンが兵力を引きつれヨヒョン里付近でウニョクの帰りを待っていた。戻ったウニョクを温かく迎えるムン・ドンギらにウニョクを無事に渡すことができたヘギョンは危険を承知で南へと戻ろうとする。

「さようなら、オラボニ...私はトンウさんのもとへ戻らなければ...2度と戻ってきてはいけませんよ」

だめだ!とチョルヒョンらの手を振り払いヘギョンの元へ駆け寄るウニョク。

「だめだ、このままお前を帰すことはできない。二度と放さない。一緒に行こう」

ウニョクとヘギョンを追ってきたパク・チャンジュらの銃声が響き渡り、騒然とした中ウニョクはヘギョンの身を守りながら説得し続ける。

「一緒に行こう。二度とお前を手放すことはできない、お願いだヘギョン!」

もう南では無事に生きることはできないヘギョンを守ろうとするウニョクだったが、トンウに大きな罪を犯してしまった、彼を欺いた罪で死ぬのであればその罰を受けると、ヘギョンは南へ戻ろうと決意していた。ヘギョンは チョルヒョンらに早くオラボニを連れて行ってくださいと叫び、ウニョクは北の兵士たちに連れて行かれてしまう。

「ヘギョン!ヘギョン!ヘギョン!」

ウニョクの悲痛な姿を見送りながら、ヘギョンは思わずウニョクの方へと手を伸ばすが、そのヘギョンの腕を銃弾が貫き、ヘギョンはその場に崩れ落ちていく。

西大門刑務所に収監されたキム・ヘギョンはパク・チャンジュが決してソッキョンの名前を出すなと脅すが、トンウを釈放してくれるのなら言うとおりにするとパク・チャンジュの脅しには屈しなかった。ヘギョンに面会するトンウからはヨヒョン里で別れたときの怒りは消えていた。

「傷はどう?ちゃんと治療は受けていますか?見せて...」

トンウの優しさに、あなたの人生を台無しにしてしまった私を許してくださいと涙が溢れ出すヘギョン。どうしてウニョクに着いて行かなかったのかというトンウに、私は本当によい妻になりたかった、裏切るつもりはなかったと泣きながら許しを請うヘギョンだった。ヘギョンを必ず助け出すからとトンウのヘギョンへの気持ちはどんなことがあろうとも一切揺れることはなかった。

一方北朝鮮の首相であるキム・イルソンと副首相のパク・ホニョンとは、南に侵攻し、祖国統一の名の下に戦争を始めることを決断していた。このことに激しく反対するムン・ドンギだったが、既にソ連や中国の有力者たちの援護を受け、勝利を確信している首相らを止めることはできなかった。

ウニョクはヘギョンを救いたい一身でムン・ドンギに助けを求めるが、一人の女性のために何かできる余裕などない、犠牲なき革命などないと言われ、ショックを受ける。

「それでは何があるのです?統一する考えなどなく、南北の指導者は贅沢に暮らし、別荘や派手な建物を建て...人民は過労と飢えで死んでいき、正当なことを主張するものたちは投獄され、殺され...こんな革命のために今まで血を流してきたのですか!!」

憤りを隠せず興奮した様子のウニョクを押さえつけるように、ムン・ドンギはウニョクを自宅軟禁にしてしまう。ムン・ドンギはこの戦争が数百万の民の命を奪うことになり、歴史上取り返しのつかない過ちを犯すことになると最後まで反対の姿勢を崩さなかったが、ムン・ドンギ一人の反対票ではもうどうにもならないところまできてしまっていた。

南ではヘギョンの妹ヨンギョンが青年団により尋問や暴力を受け続け、日々弱ってしまっていた。心配した母と叔父のチョ・ホンドゥはヨンギョンを信頼できる人に頼み、北のウニョクの元へ送ろうとする。

ソッキョンはトンウを釈放してほしいとイ・スンマンに懇願するが、トンウに失望したイ・スンマンは全く聞き耳を持とうとしない。米国の顧問団が直々にトンウの釈放を要求し、パク・チャンジュの調書でもトンウの無実が証明されていることを聞かされたイ・スンマンは、とうとうイ・ドンウの釈放を認めることになる。釈放されたトンウはスンマンの元へヘギョンの助けを請いに行く。

「バカみたいな女です。バカみたいに一人の男を愛した罪しかない女です。
愛がさせたことを人間がどうやって避けられるというのですか...」

北ではオ・チョルヒョンから戦争が近いことを聞かされたウニョクが苦悩していた。“欲”が民族を犠牲にする戦争で、人民のための戦争ではないと憤るウニョクだったが、お前一人でどうやって時代と歴史を変えられるのか、人民のためでないのならキム・ヘギョンのための戦争だと思え、南朝鮮の監獄で震え、死が迫っているヘギョンさんのことを考えろという チョルヒョンの言葉に思わず黙り込む。ヘギョンのために、ヘギョンのために...今のウニョクを動かすものはヘギョンへの愛だった。

チョ・ホンドゥと息子のトルはヘギョンの母と妹のヨンギョンを38度線付近まで送り、翌朝迎えに来るからとヘギョンの母を見送る。母とともに北へ行くとばかり思っていたヨンギョンは、ヘギョンのために母だけが南に残ることを知り、北へ行くことを拒否する。

「行けません!行きません!行くことはできません!
私一人残ってどうするの...?
姉さんまで失ったらお母さん一人になってしまいます。できないわ!」

泣き叫ぶヨンギョンを“連れて行って”と北の仲介人に渡し、命だけは助かってくれと願い、二人の距離は遠ざかっていく。娘の姿を見送る母を包む夜空に大きな銃声が響き渡る...。