Chuno stories


韓国ドラマ"推奴(チュノ)" あらすじ 第21話
 



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::: 第21話 :::

 


【月岳山 逃亡奴婢の村 宴の夜】 

月岳山を発つ夜、ヘウォンらが宴の準備で慌しい中、テハは昭顕世子と交わした言葉を残すために筆を取る。

−丁丑の年9月、昭顕世子は北京天文台を管理していたドイツ人神父アダム・シャールと交流した
 

そんなテハの元に、宴の準備を終えたヘウォンが姿を見せる。

ヘウォン:何をなさっているのですか?

テハ:清国で昭顕世子と交わした言葉を、書き留めています。

ヘウォン:話を全て聞けずに気になっていましたが、大変でしたね。出ていらしてください、準備ができました

テハ:私は、このまま発つ方がいいのだが...

ヘウォン:ここにいる間は、家族になるべきです。それでこそソッキョン様が待つ間も可愛がってもらえますから

ヘウォンに促され宴の席に顔を出したテハだったが、テギルが妻ヘウォンを見つめ続ける様子を目の当たりにし、テギルにとって彼女がどれほど大切な存在 であるかを一層感じさせられることになる。テハの妻となり、テハに寄り添うオンニョンの姿を見るのが苦しいテギルは、宴の席を離れ、一人夜空に浮かぶ月を見つめていた。

チェ将軍:一人で何をしている?

テギル:何って、ただ月の見物だよ

チェ将軍:気まずいなら戻って休め、チャッキの顔も立てたことだ

黙ったまま月を見上げ続けるテギル。

チェ将軍:飢えた野良犬でもあるまいし、何を想って月を眺めている?

テギル:チェ将軍...この前まではな、顔が見えないからおかしくなりそうだったのに、今になって毎日毎日会えるとなると、地獄の苦しみだ

チェ将軍:もう少ししたら、一緒に利川へ行こう。パッと辞めて、一緒に楽しく暮らせばいいだろう?

テギル:目の前にチラチラ見えるのに、触れることもできず...俺の人生は全く...クソくらえだ

チェ将軍:戻ろう

テギル:ちょっと風に当たってくる

チェ将軍:風ならここでも吹いているだろう

テギル:チェ将軍!体をしっかり治せよ。ワンソンとな。すぐに戻ってくるから

テギルが口元に微笑を浮かべる様子に、テギルの強い意志を感じたチェ将軍は、それ以上何も言えなくなってしまう。

その頃、宴席に座っていたテハもまた、その場を離れるために立ち上がる。テハの後についていくヘウォン。

テハ:人目につかぬよう発ちたいので、そろそろ行かなければなりません

ヘウォン:大丈夫でしょうか?夜道なのに...

テハ:心配はいりません。婚礼を挙げて、一人で発つのはこれで二度目です...

ヘウォン:出て行くために発つのではなく、戻るために発つのでしょう?そんなに気になさらないでください。(用意しておいた食べ物を差し出すヘウォン)道中で召し上がってください。食事を抜いたりせずに

別れを惜しむようにヘウォンを抱きしめるテハ。

テハ:これが最後です。もう離れたりはしません。

月岳山にチョルンが兵を率いて徐々に近づく中、テハは村を発ち、山中を歩き始める。夜道を一人歩くテハの前に、テギルが姿を見せる。

テハ:どういうことだ?

テギル:ここがどこだか知ってるのか?そうやって一人で夜中にうろついていたら、どの方向から銃で撃たれても不思議じゃない

テハ:それを伝えようと待っていたのか?

テギル:これがうまくいけば、お前と王孫、そしてお前の妻、皆幸せに暮らせるのか?

テハ:それほど心配なのか?

テギル:答えろ...どこか安全な場所で、一生穏やかに暮らせるのか?

テハ:追われて暮らすことはないだろう

テギル:よし。じゃあ漢陽まで同行してやる

テハ:そなたの助けは必要ではない

テギル:ファン・チョルンという奴を知ってるだろう?お前の友達...。俺がそいつを少しばかり痛めつけなきゃならない

テハ:それだけなのか?

テギル:ああ

テハ:本当に理由は何だ?

テギル:いや〜、見透かされているな。実を言うとだな、お前ら夫婦の姿を見ているのが嫌でな。だから目の届かないところへ消えてもらいたいのさ

二人は口元に笑みを浮かべると、同じ方向へ共に歩き出す。

テギル:どこへ行く?

テハ:水原に寄った後、漢陽へ行く

テギル:あちこち顔を出すのか?逃亡者のくせにな。いっそのこと朝鮮八道を一周したらどうだ?

テハ:そなたも追われる身ではないのか

テギル:だから俺に着いて来るべきなんだ。元々追うのがうまい奴は、逃げるのもうまいからな

テハ:そなたはなぜ私を助けた?殺すこともできたのに

テギル:逃亡奴婢一人を生かすか殺すかに理由などあるか?(周囲に呼びかけるように)俺はテギルだ!道を空けろ

テギルの呼びかけに、山中に身を潜めていた山賊たちが姿を見せ、二人は無事に山道を下り始める。
 

【チョルン テハの足跡に辿りつく】

夜通しテハとテギルの行方を捜し続けていたチョルンらは、月岳山を守る山賊らにかこまれるが、瞬く間に一網打尽にしてしまう。山賊の一人から、テギルらの行方を聞き出したチョルンは、義父イ・ギョンシクの予測が正しかったことに衝撃を受ける。すでにテハとテギルが去った後の砦には目もくれず、チョルンはすぐに水原へと向かう。
 

【オッポク 奴婢団を率いて狙撃練習】

大きな戦いを前にしていたオッポクは、仲間の奴婢とともに狙撃練習に力を入れていたため、チョボクが嫁ぐことになり苦しんでいることに気づくことができない。奴婢組を率いる頭領からの指示で、 宣恵庁襲撃の夜、仲間が生きて捕まることになったら処分するようにと言われたオッポクは、これまで共に苦しみを分かち合ってきた仲間に銃を向けることに躊躇する。

【ソルファ ヘウォンの部屋で目を覚ます】

宴の夜ヘウォンの部屋で酒に酔ったまま眠ってしまったソルファは、翌朝、ヘウォンにより漢字で書かれた自分の名前“雪花”を初めて見て喜びで胸がいっぱいになる。名前が書かれた半紙を大切に持ってチェ将軍とワンソンの部屋に戻るソルファだったが、ワンソンに茶化されてたちまち不機嫌になる。

【ハンソム 水原へ】

志を共にする儒学者イ・ジェジュンの元へ到着したハンソムは、チョ学士の裏切りを知らないまま兵力の要請を続けていた。ところが一歩遅れて イ・ジェジュン邸に到着した官軍が 、二人の周囲を取り囲む。攻撃を恐れず屋敷の外に出たハンソムは、官軍を率いる人物に目をとめると、その男がチョ学士であることに気がつき、怒りがこみ上げる。 ハンソムの目の前でイ・ジェジュンに降伏を促すチョ学士。

チョ学士:まだ機会は残っています。私と志を共にされるのであれば...

ハンソム:黙れ!

刀を抜き、チョ学士に向かって突き進むハンソムの肩に、官軍の放った矢が突き刺さる。

ハンソム:なぜだ、なぜだ

チョ学士:すべて終わったのだ。ソン将軍も死んだ...

ハンソム:その汚れた口で、将軍の名を口にするな!!

チョ学士:私は我々の目的を果たすつもりだ。方法は違ったとしても、同じ結果になるだろう

ハンソム:一度散った花が、ふたたび咲くというのか?

チョ学士:川の流れは数多くとも、皆海に流れ着くものだ

ハンソムは震える手で自ら矢を引き抜くと、イ・ジェジュンを護衛しながら刀を手に数多くの官軍に向かっていく。必死で戦い続けるハンソムは、その身を斬りつけられながらも最後まで諦めずに刀を振り上げる。いつの間にか意識を失っていたハンソムの脳裏に、この世を去った女官の声が響く。最期の瞬間まで信念をまげず、テハの忠臣だったハンソムは、愛した女性の幻想を見ながら、静かに息を引き取る。

その夜、テハとテギルは水原にたどり着くが、あたりが騒然としている様子に息を呑む。多くの兵士の亡骸が並べられた中に、大切な部下、クァク・ハンソムの姿を見つけて思わず近寄るテハは、見張りの兵士らをなぎ倒し、ハンソムの元へ近づくと、横たわるハンソムに震えながら手を伸ばす。

テハ:...ハ、ハンソム...なぜこうしている?なぜだ、ハンソム!答えろ、ハンソム!どうして...すまない...ハンソム...

ハンソムの頬に手を伸ばしたテハは、すでにハンソムが息絶えていることを悟り、慟哭する。

テハが部下を失い涙を流す様子を見守っていたテギルは、テハに襲い掛かる兵士を阻止すると、なぜこのような事態になったか事情を聞きだす。テハの震える肩に手を伸ばしかけ、その手を戻すテギル は、穏やかにテハに声をかける。

テギル:おい、奴婢両班。そろそろ行かないとな...。こんな騒ぎが起こったなら、すぐに追っ手が来るだろう から...
 

【チョルン 水原へ】

すでにテハとテギルが姿を消した水原にたどり着いたチョルン一行は、騒動のあった邸宅の庭から、ハンソムらしき人物の亡骸が消えていることに気がつき、テハが近くにいることを確信し、山へ捜索へ向かう。

【テハ、テギルと山中へ】

ハンソムの遺体を人気のない山中へ運んだテハは、ハンソムのそばから離れられず、その瞳からは涙が溢れ続ける。テギルは、テハの心情を察しながらも、追ってが近づいていることを意識し、近くで集めた木の枝をハンソムの足元に積み上げる。

テギル:一旦仮の墓でも作って、いい場所を見つけたら後で連れて行けばいい

テハ:(ハンソムを見つめて)...少しだけここにいてくれ...すぐに連れに戻る

テギル:もしかして、“チョ”何とかって奴を知ってるか?

思い当たる人物がいるテハは、テギルの言葉に答えることもできず、眉をひそめる。

テギル:やはりあいつなのか。刑曹の牢獄にいたとき、一緒に捕まった奴だろう...

テハ:チョ学士が...どうしたというのだ

テギル:どうしたも何も、兵士がそいつが一緒に捕らえに来たと言ったんだ

テハ:...チョ学士が...

テギル:どうせ頭の中が学問だらけの奴はな、皆同じように、自分の道が開けた途端、計算高くなるもんだ

テハ:そんなことはあり得ない...チョ学士が

テギル:一緒に来たと言っただろう?役人が着る上等な絹の服を着てたらしいぞ

テハ:あり得ない...人としてそんなことは

テギル:人だからこそ、じゃないのか?獣はな、決して裏切りなどしない。生きている人間など誰一人信じない

テハ:そう生きれば幸せなのか?誰も信じられずに、自分も信じられずに生きたら...

テギル:寝ていて殺されるよりマシだ

テハ:だから私はそなたを信じることはできぬ

ハンソムを弔い、立ち上がるテハ。

テギル:おい、奴婢両班、次はどこだ?漢陽か?

テハ:そうだ

テギル:お前が信じられる奴を尋ねて行くんだろう?まさか宮殿には行かないよな?正気を失ってなければ、だがな

テハ:...その計画だ

テギル:この世は十中八九、計画通りにはいかない。お前の思い通りにはならないと考えて、このまま俺に着いて来い

テハ:そなたが私についてきただけのこと...私がそなたに着いてきたわけではない

テギル:言わなかったか?俺は誰も信じないと、そんな俺がお前を信じるか?

歩き出すテギル。

テハ:その方向は漢陽と逆方向ではないのか?

テギル:旅客で馬を借りていかないとな。このまま歩いていけば、2年はかかるな


馬を手に入れたテハとテギルは漢陽へと向かうが...

 

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