トップへあらすじトップへ

 

韓国ドラマ黄眞伊
 あらすじ 第13話


 

 

 



 チェ ヒムロ ノッチ モッタンゴシラミョン
저의 힘으로 넣지 못한것이라면


 タン ハナド ピルリョ オプスムニダ
단 하나도 필요 없습니다.


自分の力で手に入れられないものなら 何一つ必要ありません
 



チニに向かって落ちてくる大きな梁を身を挺して防ぎ怪我を負ったキム・ジョンファンは意識を失ってしまう。

ペンムは何者かが故意にしたことであると悟り憤慨し、松都妓女たちを追及する。ところが、犯人はメヒャンら女楽の妓女の一人だった。プヨンを不憫に思ってしたことだと言う妓女の言葉に、プヨンは毅然とした態度でこんなことは二度としないで欲しいと伝える。

意識を取り戻したキム・ジョンファンは、傍で看病を続けていたチニの無事を知り安堵の表情を浮かべる。チニを休ませようと無理をして起き上がるチョンファンに、チニが言葉をかける。

−今夜の件は、礼判様さえ良ければ不問に伏したいのです。

−不問に伏すだと?命を奪おうとの策略だ...いや、少なくとも芸人としての人生が断たれただろう...殺人未遂は重罪だ。

−存じております。

−知っていながらなぜ不問に伏すなどと申すのだ。

−手を下した者以外も責任を問われるはずです。

−そなたはペンムを心配しているのか?そなたが今敵対しているのは行首ペンムではないのか?

−ペンムは、こんなことを企てる人ではありません。芸人にとって芸だけが命だと考えるような...その前途に問題が生じるようなことをするような人ではありません。

−ならば...松都教坊の妓女たちなのか...

−詳しい内幕は分かりません。ただ、この件で罪のない人が傷つくことは望みません。

そのようなことを気遣うものが、なぜこんな勝負を始めたのだ?自分の師匠を罵倒し、同僚たちさえ敵に回す理由は何だ?やはり...女楽の行首になりたいのだな。哀れな者だ...。

言葉を返すことのできないチニの姿に、チョンファンはため息をつき、無理をして立ち上がると部屋を後にする。

キム・ジョンファンはメヒャンとペンムの二人を呼び出すと、今回の問題をどう処理したら良いと考えているかを厳しい表情で問いかける。犯人が見つかるまで追求するべきと話すメヒャンに対し、ペンムはそれはダメだと主張する。拷問により、苦労して育てた妓女たちが怪我を追い芸人の前途が断たれることを避けたいペンムは、弟子の監督ができなかった自分を罰してくれとチョンファンに申し出る。チョンファンはチニの申し出と、ペンムの弟子を想う気持ちを尊重し、次にこのような不祥事が起きればペンムとメヒャンの二人を破門にすると話す。

キム・ジョンファンはペンムを呼ぶと、今回の件を不問に伏して欲しいと申し出たのがチニであることを伝えると、同じ志を持つ二人が何故対立しあうのかと率直に尋ねる。

−私が...この手であの子の愛を断ったのです。最高の名妓に育てたかったからです...

−それは少々出過ぎたことではないのか?恋もまた芸の肥やしだ。今からでも遅くはない。その愛を認めてやりなさい。

−それはできません。その相手はすでにこの世におりません。

その頃、ピョク・ケスはキム・ジョンファンが事故に遭った夜をチニの部屋で過ごしたと耳にしていた。嫉妬心を抱いたピョク・ケスは、教坊を訪ねる。その頃チニは助けてもらった礼として、キム・ジョンファンの採譜のためコムンゴ(琴)の演奏をしていた。チョンファンの温かい笑顔を見ていると、久しぶりに穏やかな気持ちになり微笑みを浮かべるチニ。筆を手に採譜をするキム・ジョンファンの姿に、過ぎた日のウノの姿が重なり、チニは思わず涙を流してしまう。もう弾けなくなってしまったと席を立つチニの後姿を見つめるチョンファンは、チニの心の奥にある寂しさに触れ、共に胸を痛める。

チニの真情に触れたチョンファンは夜空を見上げながらチニを想い、言葉を綴る。


 夜三更 誰もいない庭に明月(ミョンウォル)が満ち
 行き場のないコムンゴの音 月光と戯れる

一方、舞の修練を終えたチニはプヨンらと合流し群舞の修練を始めるが、一人で舞うときのような軽やかさを失い、周囲とあわせることができずに苦悩する。メヒャンはチニに修練をやめて下働き命じ、チニが周囲と呼吸を合わせることができない訳を自ら気づくまで戻ってはならないと話す。水汲みに向かうチニは、ピョク・ケスの送った男達に無理やり抱き上げられると、ピョク・ケスの部屋に連れて行かれてしまう。

−私の女になれ。この世で一番幸せな女にしてやるぞ。

−残念ながら、郡守様がお考えの幸せと、私の考える幸せは大きな違いがあるようです。

−女楽行首の席も用意してやってもいいぞ。

−自分の力で手に入れられないものなら、何一つ必要ありません。

−望むならペンムをそなたの前で一番悲惨な姿で終わらせることもできる。

−それも遠慮します、郡守様。私の力で十分、郡守様が考える方法よりこの上なく悲惨なやり方で地に這わせてみせます。

下働きに戻ったチニは、思わず仕事の手を休め、舞の修練を始めてしまうが、その様子を見たメヒャンにとめられてしまう。その場にペンムも姿を見せると、修練しなくてもいいのかと、全て知りながらメヒャンに問いかける。

−今のあの娘がどうして群舞を舞うことができようか?理由は良くわかっているだろう...。そなたがあの娘に鶴の舞を仕込んだ理由を私が分からぬとでも思ったか?あの娘は...天性の独舞者だ。そなたのようにな...。やっと分かった。なぜ師匠が私ではなくそなただけに鶴の舞を伝授したのかが...そなたの呼吸が群舞に合わないために、仕方がなく独舞を教えたのだ。違うか?だが私は違う。あの娘に何としてでも群舞をまわせてみせる。そなたに勝つためにもな。

チニの心を手に入れたい一心のピョク・ケスは、チニの親友であり、同じ教坊の妓女タンシムを利用しようと考え、彼女を呼び出す。ピョク・ケスの部屋で朝を迎えたタンシムは、自分がピョク・ケスに呼ばれた事情を悟り、涙がこみ上げる。

呼吸を合わせるために大切にすべきことに気づいたチニは、仲間の妓女たちを敬い、再び群舞の修練に合流する。プヨンはそんなチニの姿にますます苛立ちと焦りが募る。

夜間も一人修練に励むチニの姿をそっと見守っていたチョンファンは、たまらずチニに話しかける。

−私をその人と思うことはできないだろうか?命尽きるほどそなたを愛したその人と...もしくはそなたと共に舞をまう仲間...さらにはその舞を見ている全ての人々だとそう思えないだろうか?

−そのことをどうして...

−私がどうしてそのことを知ったかは重要ではない。重要なのは舞をまうそなたが少しも嬉しそうではないことだ。ここ数日、私はそなたの舞を見ていた。もう技術は心配ないだろう。秀麗な身のこなし、花もうらやむ笑顔、人々は拍手喝さいを送るだろう。だが、感銘は受けないだろう。そなたはペンムの舞に欠けるものがあると言った。それはまさに感銘ではないだろうか。私の言葉は外れていなそうだな。そなたがどんな怒りを抱き、何ゆえにいきがるのか、私は良く知らない。だた一つ確かなことは、喜びを伴わない舞には誰ひとり感銘を受けないということだ。

二人の話を立ち聞きしていたプヨンは、チョンファンの部屋へ向かうと、翌日はチョンファンのためだけに舞いたいと話す。チョンファンはプヨンを芸妓として賞賛するが、プヨンは芸妓としてではなく、女として愛されたいと伝える。その途端チョンファンの表情は厳しくなり、それはできないと毅然と答える。ミョンウォルのせいかと問い詰めるプヨンに、一度は否定したチョンファンだったが、最後は言葉を濁す。

翌日、チョンファンの言葉を胸に群舞に挑むチニ。ところがプヨンらが突然それまでの修練とは違う舞を始めてしまい、チニは一人舞台に取り残され...

 


第12話へ第14話へ